
耳にふと触れたときに気づく茶色い斑点。「耳のシミは放っておいて大丈夫?」「シミ取りをしたほうがいい?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。実際に、耳にできたシミについてカウンセリングでご相談に来られる方も少なくありません。そこで今回は、耳にシミができる原因や種類、受診の目安、シミ取りの治療法、レーザー後の経過や注意点、予防方法まで、わかりやすく解説します。
耳にシミができる原因
耳のシミは、紫外線や加齢、マスク・眼鏡などによる摩擦など、さまざまな原因で生じます。**原因によって対策や治療が変わるため、まず原因を知ることが大切です。そのため、耳のどこにシミがあるのか、普段どのような刺激を受けているのかを確認すると、原因を考える手がかりになります。
紫外線によるメラニンの蓄積

耳のシミで代表的な原因の一つが、紫外線です。耳たぶや耳のふちに茶色いシミがあり、屋外で過ごす時間が長い方や耳に日焼け止めを塗る習慣がない方は、紫外線が原因かもしれません。
耳は顔に比べて日焼け止めを塗り忘れやすく、髪や帽子でも完全に隠れないため、日々の紫外線が影響します。耳にも日焼け止めを塗ることが対策になります。紫外線とシミの関係や紫外線対策の方法など詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:日焼けでシミができる?仕組みと正しい予防・ケア方法
加齢による肌の変化

年齢を重ねると、肌のターンオーバーが遅くなり、シミが目立ちやすくなります。ターンオーバーとは、古い肌が新しい肌に入れ替わる周期のことです。
ターンオーバーは、20代と比べて40代では周期が1.6倍も長くなり、メラニンを含む古い細胞が肌に残りやすくなります(シミとなり残りやすくなる)。
「以前は気にならなかったのに、40代になって耳のシミが目立ってきた」という方は、加齢による肌の変化が影響している可能性があります。年齢とシミの関係性や年齢に合わせてできやすいシミなど詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミは何歳から?20代・30代・40代・50代シミのなぜを解説
摩擦や炎症による色素沈着

マスクのひもや眼鏡、イヤホンなどが耳の同じ場所に繰り返し触れることも、シミの原因になります。耳の付け根などにシミがあり、その部分に赤みやヒリつき、かゆみが出ていた方は、摩擦の影響が考えられます。
特に、眼鏡のフレームやマスクのひもが毎日同じ場所に当たる方は注意が必要です。シミができた場所への刺激を減らすことが対策につながります。
耳にできるシミの種類
耳にできるシミには、老人性色素斑、そばかす、炎症後色素沈着などがあります。見た目が似ていても、先ほど説明したように、種類によって適した治療が異なるため、自分のシミがどのタイプに近いのかを知ることが治療選びのポイントです。ここでは、耳にできやすいシミの特徴を種類ごとに紹介します。「このシミはどのタイプ?」と照らし合わせながら、自分に近いものを確認してみましょう。
老人性色素斑【紫外線の影響】

老人性色素斑は、シミの中でも最も多い長年の紫外線による影響でできる代表的なシミです。
平らで境界が比較的はっきりした茶色い斑点として現れ、耳たぶや耳のふちなど日光を浴びやすい場所にもできます。
一度できた老人性色素斑は、自然に消えることは基本的にありません。
そのため、時間が経っても同じ場所に残る茶色いシミが気になる場合は、治療が必要になります。
そばかす【小さな斑点】

そばかすは、小さな茶色い斑点が複数まとまって現れるタイプのシミです。
1個だけ目立つ老人性色素斑とは異なり、耳のふちなどに細かな斑点がいくつも見られるのが特徴です。顔や鼻など、ほかの部位にも同じような斑点がある場合は、そばかすの特徴に当てはまりやすくなります。
そばかすは体質的な要因が関係するため、自然に薄くなることはあっても、完全に消えるとは限りません。また、紫外線によって色が濃くなる傾向があります。
炎症後色素沈着【摩擦や湿疹のあとに残る】

炎症後色素沈着は、摩擦や湿疹などで肌が炎症を起こしたあとに、茶色い跡が残るタイプのシミです。
耳では、マスクのひもや眼鏡などが当たって赤みやかゆみが出たあと、その部分だけ茶色く残ることがあります。
炎症が治まると少しずつ薄くなることが多く、時間とともに自然に目立たなくなる場合があります。ただし、摩擦などの刺激が続くと長引くことがあります。
茶色い斑点がシミとは限らない

耳の茶色い斑点は、すべてが一般的なシミとは限りません。
ほくろやシミと見た目が似ている皮膚の病変の可能性もあります。そのため、見た目だけでシミと決めつけず、気になる変化がないか確認することが大切です。
特に、以前からある斑点でも「最近変わってきた」と感じる場合は注意しましょう。では、どのような変化がある場合に皮膚科を受診したほうがよいのでしょうか。下記より、耳のシミで受診を検討したいケースを紹介します。
耳のシミで受診したほうがよいケース

耳のシミに急な変化がある場合や、出血・痛み・かゆみを伴う場合は、シミ取りをする前に皮膚科を受診してください。
特に、短期間で大きくなった、形や色が変わった、色がまだらになったといった変化には注意が必要です。悪性黒色腫などの可能性を確認する目安として、イラストのような「ABCDEルール」があります。ここでは、受診を検討したい具体的な変化をABCDEルールに沿って紹介します。
形がいびつで境界が不明瞭な場合
シミの形や境界、色は、気になる病変を見分けるための重要な目安の一つです。ABCDEルールでは、A・B・Cがこの見た目を表す「左右非対称」「境界」「色」を示しています。
- ・A(左右非対称):シミを中心で分けたとき、左右の形が大きく異なる
- ・B(境界):輪郭がギザギザしている、境界が不規則
- ・C(色):茶色だけでなく、黒・赤・白など複数の色が混ざっている
たとえば、左右で形が違う、輪郭がにじんだように見える、色がまだらになっている場合は、このA・B・Cの特徴に当てはまります。
急に大きさや色が変わった場合
シミの大きさや変化も、気になる病変を見分けるための重要な目安の一つです。ABCDEルールでは、Dが「直径」、Eが「変化」を示しています。
- ・D(直径):直径6mmを超えるものが一つの目安
- ・E(変化):大きさ・形・色などが変化している
たとえば、直径が6mmを超えている、以前より明らかに大きくなった、形が変わった、茶色一色だったものに黒や赤など別の色が混じった場合は、D・Eの特徴に当てはまります。6mm未満でも、明らかな変化がある場合は注意が必要です。大きさや色の変化を確認するため、気になるシミは定期的に同じ条件でスマホなどで撮影しておくと比較しやすくなります。
出血や痛みやかゆみがある場合
出血・痛み・かゆみはABCDEルールには含まれませんが、耳のシミを見るときに注意したい症状です。一般的なシミは自覚症状が目立たないことが多いため、触れていないのに出血する、痛みが続く、同じ場所のかゆみを繰り返す場合は注意が必要です。
たとえば、枕や衣類に血が付く、耳の同じ場所が何度もかゆくなる、何もしていないのに痛むといったケースです。見た目の変化だけでなく、こうした症状がないかも確認しましょう。
耳のシミ取りに用いられる治療
耳のシミが良性のシミと診断された場合、ピコレーザーや外用薬などで治療できます。
美容目的のシミ取りは保険適用外となるため、美容皮膚科などで受ける治療です。ただし、シミの種類によって適した治療方法は異なります。ここでは、耳にできやすいシミの種類ごとに、適した治療方法を紹介します。
ピコレーザー

ピコレーザーは、老人性色素斑やそばかすなどのシミ治療に適したレーザーです。
ナノ秒よりもさらに短いピコ秒単位でレーザーを照射し、シミの原因となるメラニンを細かく砕いて排出を促します。色素を効率よく狙えるため、最短1回から効果が期待できることが特徴です。
また、ピコレーザーは従来のレーザーと比べて熱による肌への負担を抑えやすく、ダウンタイムが比較的少ない治療です。施術後に赤みや色の変化が出ることはありますが、日常生活への影響を抑えながらシミ治療を受けたい方に向いています。
ピコレーザーについて詳しくは関連ページをご覧ください。
Qスイッチレーザー

QスイッチYAGレーザーは、ピコレーザーが登場する以前から、老人性色素斑やそばかすなどのシミ治療に使われてきたレーザーです。
短いパルスでメラニンを狙う一方、ピコレーザーと比べて周囲の組織にも熱による負担がかかりやすく、治療後の赤みやかさぶたなどのダウンタイムが生じやすい特徴があります。
そのため、シミ治療では、より短いパルスで色素を細かく砕き、肌への負担を抑えやすいピコレーザーがおすすめです。特にダウンタイムをできるだけ抑えてシミ治療を受けたい方に向いています。
外用薬

外用薬は、炎症後色素沈着など、自然に薄くなるタイプのシミに対する治療法です。
炎症後色素沈着は、ニキビや湿疹、摩擦などの炎症が治まると、時間とともに薄くなることがあります。こうした色素沈着には、ハイドロキノンなどの外用薬を使用し、メラニンの生成を抑えることで、色素沈着の改善を促します。ハイドロキノンについて詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミ治療に効く?ハイドロキノンの効果・使い方・副作用まで徹底解説
耳のシミ取りは何回必要?費用はどう決まる?
耳のシミ取りは、ピコレーザーなら最短1回から効果が期待できます。
特に老人性色素斑など、レーザーが適しているシミでは1回の照射で改善を目指せるケースがあります。ただし、シミの濃さや大きさ、肌の反応によっては複数回の治療が必要です。費用は、シミの大きさや数、照射範囲、使用するレーザーなどによって決まります。
そのため、同じ耳のシミでも必要な費用は人によって異なります。自分の場合に何回の治療が必要なのか、どの程度の費用になるのかは、診察時に確認しましょう。
耳のシミ取りレーザー後の経過
耳のシミ取りレーザー後は、赤みやヒリつきが出たあと、照射した部分が一時的に濃くなったり、かさぶたのようになったりすることがあります。
これはレーザーによる治療後にみられる変化で、見た目が濃くなったからといって、すぐに治療が失敗したとは限りません。ここでは、レーザー照射後に起こる変化と、注意したい症状について解説します。
レーザー直後は赤みや熱感が出ることがある

レーザー照射直後は、治療した部分に赤みや熱感、ヒリつきが出ることがあります。多くはレーザーによる刺激に対する一時的な反応のため、数時間〜半日ほどで落ち着くのが一般的です。
写真は顔のレーザー治療直後の経過です。耳のシミ取りでも、照射直後には同様に赤みや熱感が出ることがあります。
かさぶたのような変化は無理にはがさない

レーザー照射後は、3〜7日程度で照射部位が茶色く濃くなり、かさぶたのような状態になることがあります。
この時期は、無理にはがさず自然に取れるまで待つことが大切です。指でつまんだりこすったりすると、肌を傷つけて色素沈着や傷跡の原因になることがあります。耳はマスクのひもや眼鏡、イヤホンなどが触れやすいため、かさぶたのような部分に刺激を与えないよう注意しましょう。8日目以降から自然にかさぶたが剥がれる方が多いです。シミ取りレーザーの経過について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミ取りピコレーザーの経過を解説!色素沈着と回復期間の全て
治療後にシミが濃く見えることがある

レーザー治療後は、レーザーが反応したシミが一時的に濃く見えることがあります。照射した部分の色素が反応することで、治療前より茶色く目立つことがありますが、これはレーザー治療後によくみられる変化です。
濃くなった部分は、3〜7日程度でかさぶたのようになって取れるケースが多いです。
そのため、治療直後や数日後にシミが濃く見えても、すぐに「シミが悪化した」「治療に失敗した」と判断する必要はありません。ただし、経過には個人差があるため、気になる変化があれば施術を受けた医療機関に確認しましょう。
耳のシミ取りにはどんなリスクがある?
耳のシミ取りでは、赤みや腫れ、炎症後色素沈着、色素脱失などが起こることがあります。多くは一時的な変化ですが、肌状態や照射方法によって経過は異なります。シミ取りを受ける前に、どのような副作用があるのかを知っておくことが大切です。ここでは、耳のシミ取りで起こる可能性がある症状と、注意したい変化について説明します。
赤みや腫れが強く続く場合は相談する
レーザー後の赤みや腫れは一時的に出ることがありますが、時間が経っても改善せず、痛みや腫れが強くなる場合は施術を受けた医療機関へ相談してください。特に、翌日以降に症状が悪化する場合は注意が必要です。
具体的には、強い痛みが続く、水ぶくれができる、腫れが広がる、赤みが時間とともに強くなる、膿が出るといった症状が要注意です。反対に、照射直後の軽い赤みや熱感が時間とともに落ち着いている場合は、一般的な経過の範囲内であることがあります。「何日経ったら受診」という一律の基準ではなく、症状が改善しているか、悪化しているかを確認することがポイントです。気になった時点ですぐ相談するのが重要です。
色素脱失で白く見えることがある
レーザー後に、治療した部分が周囲より白く見える色素脱失が起こることがあります。レーザーの刺激によってメラニンを作る細胞の働きが一時的に低下すると、シミが薄くなったあとに、その部分だけ白く目立つことがあります。
色素脱失は時間の経過とともに色が戻る場合がありますが、改善に時間がかかることもあります。白い部分が気になるからといって追加でレーザーを照射すると、さらに色素が抜けるおそれがあるため、NGです。治療後に白く抜けたように見える部分がある場合は、まず施術を受けた医療機関に相談し、経過を確認してもらうことが大切です。いつから白くなったのか、白い範囲が広がっているのかなどを伝えると、状態を確認しやすくなります。
耳のシミ取り後に気をつけたいこと
耳のシミ取り後は、治療部位を紫外線や摩擦などの刺激から守ることが大切です。また、かさぶたができた場合は無理にはがさず、処方された軟膏や保護材がある場合は医療機関の指示に従って使用してください。ここでは、レーザー後の経過を良好に保つために、特に気をつけたいポイントを紹介します。
治療した耳に紫外線を当てない

レーザー後は、少なくとも1か月程度、治療した耳に強い紫外線を当てないようにしましょう。
照射後の肌は刺激を受けやすく、紫外線を浴びると炎症後色素沈着が起こり、治療した部分が再び茶色く目立つことがあります。
そのため、外出時は、日焼け止めやつばのある帽子をかぶったり、髪を下ろして耳を覆ったりするなど、直射日光を避けるようにしましょう。紫外線は夏だけでなく、春・秋・冬にも降り注いでいます。季節を問わず対策を続けることが、治療後の色素沈着を防ぐポイントです。
イヤホンやマスクによる摩擦を避ける

レーザー後は、少なくとも1〜2週間程度は、治療部位への強い摩擦を避けてください。
かさぶたが取れたあとも肌は刺激を受けやすく、イヤホンやマスクのひも、眼鏡などが繰り返し当たると、赤みや色素沈着の原因になることがあります。
イヤホンは、耳の治療部位に直接触れるカナル型や耳掛け型などは、肌が落ち着くまで控えると安心です。マスクを着ける場合は、ひもが治療部位を横切らないよう位置をずらしたり、耳にひもをかけないタイプを選んだりしましょう。
軟膏や保護テープは指示どおり使う

軟膏や保護テープが処方された場合は、医療機関から指示された使用方法と期間を守ってください。
一般的には1週間前後使用することがありますが、ピコレーザーでは保護テープが必要ない場合もあります。
治療後の保護方法は、レーザーの種類や出力、照射部位、肌の状態によって異なります。市販薬に自己判断で変更したり、症状が落ち着いたからと使用を中止したりせず、処方されたものを指示どおり使用することが大切です。使用期間や方法に迷った場合は、施術を受けた医療機関に確認しましょう。
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当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、当院には形成外科専門医もいるため、まず気になる症状があった場合はご相談ください。
まとめ
耳のシミは、紫外線・加齢・摩擦や炎症などが原因で生じます。代表的なものには老人性色素斑、そばかす、炎症後色素沈着がありますが、茶色い斑点がすべて一般的なシミとは限りません。重要なポイントは以下の通りです。
- ・耳のシミの多くは紫外線や摩擦などによる色素変化
- ・急に大きさ・形・色が変わった場合は皮膚科で確認する
- ・出血・痛み・かゆみがある場合もシミ取りより診察を優先する
- ・良性のシミと確認できればピコレーザーや外用薬治療が必要になる
- ・治療後は紫外線と摩擦を避け、かさぶたを無理にはがさない
出血などの気になる症状がある方は保険適用の皮膚科へ、良性のシミで見た目の改善をしたいという方は美容皮膚科へ相談しましょう。
このページの監修医師

記事医師監修
土屋 皓大
ハートライフクリニック院長
・日本形成外科学会認定専門医
・日本医師会認定産業医
・乳房インプラント責任医師
・臨床研修指導医
・日本形成外科学会
・日本形成外科学会(JSAPS)
・日本美容皮膚科学会
・日本創傷外科学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会




