
シミ治療を検討しているものの、「IPLとレーザーのどちらを選べばいいの?」と迷っていませんか。
IPLとレーザーは、どちらも光のエネルギーを利用してシミを治療する方法ですが、波長やパルス幅、効果の出方、施術回数、痛み、ダウンタイムなどに違いがあります。また、シミの種類によって向いている治療も異なります。違いを知らずに治療を選ぶと、思ったような効果が得られなかったり、想定していなかったダウンタイムや費用が発生したりすることがあります。
そこで今回は、IPLとレーザーの違いから、シミの種類に合わせた治療法、施術を受ける際の注意点、よくある質問までわかりやすく解説します。
IPLとレーザー治療の違いは?
IPLとレーザーの大きな違いは、光の性質とシミへのアプローチ方法です。
IPLは複数の波長を含む光を広く照射するため、シミやそばかす、くすみなど複数の肌悩みに対応しやすい特徴があります。一方、レーザーは特定の波長を使って狙ったシミを集中的に治療しやすい方法です。使う光の性質や施術回数、痛み、ダウンタイム、料金などに違いがあります。まずは全体像を表で確認しましょう。
| IPL | レーザー | |
|---|---|---|
| 波長 | 幅広い波長 | 特定の単一波長 |
| 得意なシミ | 顔全体に広がる薄い色ムラ | 1点に集中した濃いシミ |
| 施術回数の目安 | 3〜5回(3〜4週間に1回) | 1〜3回 |
| 痛み | 輪ゴムで弾かれる程度 | 強め(麻酔クリームを使う場合あり) |
| 保護期間の目安 | 当日メイク可能な場合あり | 保護テープ約10日、かさぶた1〜2週間 |
| 料金の目安(1回) | 8,000円〜30,000円程度 | 20,000円〜35,000円程度(ピコレーザー等のスポット照射) |
下記よりシミの種類や治療したい範囲によって適した方法が異なるため、まずは違いを比較してみましょう。
波長とパルス幅の違い

IPLとレーザーは、光の当て方が異なるため、シミへの働きかけ方にも違いがあります。
IPLは複数の波長を含む光を広い範囲に照射するため、シミだけでなくそばかすやくすみなど、複数の肌悩みにまとめて対応しやすい治療です。
一方、レーザーは特定の波長を使って狙った部分にエネルギーを集中させるため、輪郭がはっきりした濃いシミなどを集中的に治療しやすい特徴があります。
たとえば、顔全体に細かなシミやくすみが広がっている場合はIPL、頬に境界のはっきりした濃いシミがある場合はレーザーが適しています。このように、光の性質の違いが「広い範囲をまとめて治療するか」「気になるシミを狙って治療するか」という治療方法の違いにつながります。
効果と施術回数の違い

IPLは1回でシミがなくなる治療ではなく、複数回受けながら少しずつ肌の変化を確認する治療です。一方、レーザーはシミの種類によっては1回の照射で大きな変化を期待できます。
IPLは3〜4週間程度の間隔で施術を行い、3〜5回ほど受けるとシミやくすみの変化を実感しやすくなります。レーザーは、境界がはっきりした老人性色素斑などであれば、1回の照射で治療できることがあります。ただし、必要な回数はシミの種類や濃さ、治療機器によって異なります。
そのため、顔全体のシミやくすみを少しずつ改善したい方はIPL、目立つシミをできるだけ少ない回数で治療したい方はレーザーが向いています。
痛みとダウンタイムの違い

PLは、施術中に輪ゴムで軽く弾かれるような刺激を感じることがありますが、強い痛みは比較的少なく、施術後も赤みが出ても短時間で落ち着くことが多い治療です。一方、レーザーは照射する種類や出力によって痛みが強くなり、赤みや腫れ、ヒリヒリした痛みが出ることがあります。
特にシミへスポット照射するレーザーでは、照射後にかさぶたができ、治癒するまで1〜2週間程度かかる場合があります。治療部位を保護するためにテープを使用することもあるため、施術後の見た目が気になる方は予定を考慮する必要があります。
痛みやダウンタイムをできるだけ抑えたい場合はIPL、一定期間の赤みやかさぶたが生じてもシミを集中的に治療したい場合はレーザーというように、施術後の生活も含めて選ぶことが大切です。施術後の経過について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
シミの種類と治療法
シミには複数の種類があり、原因や色素がある深さによって適した治療法が異なります。ここでは、代表的なシミの特徴と治療方法を紹介します。
老人性色素斑

老人性色素斑は、紫外線による影響でできる、境界が比較的はっきりした茶色いシミです。薄いシミが顔全体に広がっている場合はIPL、濃く目立つシミを集中的に治療したい場合はレーザーが適しています。治療方法は、シミの濃さや数、広がり方によって変わります。
たとえば、頬に細かなシミが複数あり、顔全体の色ムラも気になる場合は、IPLで広い範囲を治療します。一方、1〜2箇所に境界のはっきりした濃いシミがある場合は、Qスイッチレーザーやピコレーザーでシミを狙って治療します。
そばかす

そばかすには、顔に広がる細かな斑点をまとめて治療できるIPLが適しています。
そばかすは鼻や頬を中心に小さな斑点が複数できるため、1つずつ狙うレーザーよりも、広い範囲に照射できるIPLで全体を治療する方法が向いています。
たとえば、鼻から頬にかけて細かなそばかすが広がっている場合は、IPLで顔全体を照射して少しずつ薄くします。一方、そばかすの中に特に濃く目立つ部分がある場合は、その部分だけレーザーを使うこともあります。
そのため、そばかすの治療はIPLを基本とし、目立つ部分にはレーザーを組み合わせる方法があります。また、治療後に紫外線を浴びると再び色が目立つことがあるため、紫外線対策も必要です。そばかすの見分け方や治療方法について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:そばかすとシミの違いを徹底解説|原因・見分け方・効果的な予防と治療法
ADM

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、IPLよりもピコレーザーなどのレーザー治療が適しています。
頬骨付近などに左右対称に現れる青褐色や灰色がかった色素斑で、一般的なシミよりも皮膚の深い部分に色素があるためです。
ADMの治療では、ピコレーザーを使って深い部分にある色素を狙って照射します。IPLは浅いシミやくすみなどを広く治療する方法のため、ADMの治療には向いていません。ADMの見分け方や治療方法について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
肝斑

肝斑には、強い出力のレーザーやIPLではなく、まず内服薬で症状を落ち着かせ、その後ピコトーニングを組み合わせる治療が適しています。
肝斑は刺激によって色が濃くなることがあるため、いきなり強い光を当てると悪化につながる場合があるからです。
まずはトラネキサム酸などの内服薬で肝斑の状態を整え、色が落ち着いてきた段階でピコトーニングを加えることで、残った色素に少しずつ働きかけます。ピコトーニングは低出力のレーザーを広い範囲に照射するため、肝斑に対して刺激を抑えながら治療できます。肝斑の見分け方や治療方法について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミと肝斑の違いを徹底解説|原因・見分け方・効果的な治療法と予防のポイント
IPLやレーザーでシミ治療を受けるときの注意点
シミ治療では、適切な治療法を選ぶだけでなく、施術前の診断や施術後のケアも重要です。治療による肌トラブルを防ぐため、注意点を確認しておきましょう。
シミの種類の診断を受けてから治療する

シミ治療は、見た目だけで種類を判断せず、医師の診察を受けてから治療方法を決めることが大切です。
老人性色素斑・そばかす・ADM・肝斑は似て見えても適した治療が異なり、種類に合わない治療を行うと症状が悪化する場合があります。
シミの診断を受ける際は、シミ治療の実績が多く、医師による目視だけでなく肌診断機器なども活用して状態を確認している医療機関を選ぶと安心です。目視では判断しにくい色素の濃さや広がりを客観的なデータでも確認することで、自分のシミの種類や状態に合わせた治療方法を選びやすくなります。IPLやレーザーを先に決めるのではなく、まずシミの種類を確認することが適切な治療につながります。

■患者さまの声
頬のシミが気になり、他院を受診しましたが、診察は短時間で、自分が希望したレーザー治療をそのまま受けることになりました。ところが、施術後にシミが以前より濃くなってしまい、不安になってこちらを受診しました。診察を受けたところ肝斑だと分かり、治療を切り替えてから少しずつ落ち着いてきています。シミの種類をきちんと確認してから治療を受けることが大切だと実感しました。
40代・女性
施術後は紫外線対策を徹底する

シミ治療後の紫外線対策は、施術直後だけでなく、その後も継続することが大切です。
特に施術後1〜2週間は、赤みやかさぶたなどの肌の変化が出やすく、紫外線を浴びると炎症後色素沈着につながる場合があります。
施術後1〜2週間は、日焼け止めに加えて帽子や日傘を使い、強い日差しをできるだけ避けましょう。2週間を過ぎた後も、紫外線によって新たなシミができたり、治療したシミが再び目立ったりするのを防ぐため、日焼け止めを塗るなどの紫外線対策を年間を通して続けることが重要です。シミ取り後のアフターケアについて詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
赤みやかさぶたを無理に触らない

レーザー治療後には赤みやかさぶたが生じる場合があります。
無理にはがしたり強くこすったりすると色素沈着や傷跡につながる可能性があるため、自然に治るまで触らないように刺激を避けましょう。
理由は、かさぶたがまだ取れていない状態は、その下の皮膚がまだ回復の途中にあり、外部の刺激に弱い状態だからです。レーザーのスポット照射後は、目安として1〜2週間程度でかさぶたが自然に脱落します。かゆみが気になっても爪でひっかいたり、洗顔時にこすり落とそうとしたりせず、清潔な状態を保ちながら自然に取れるのを待つことが、跡を残さないための重要なポイントです。詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミ取り後のかさぶたはいつ取れる?経過・日数・注意点を解説
IPLとレーザー治療のよくある質問
IPLとレーザーは併用できますか?
IPLとレーザーは併用できます。
ただし、同日に行うとは限らず、シミの種類や肌の状態に合わせて施術の順番や間隔を調整します。たとえば、顔全体のシミやくすみにはIPL、特に濃く目立つシミにはレーザーを使うなど、それぞれの特徴を生かして組み合わせる方法があります。
ただし、肝斑のように刺激によって悪化しやすいシミでは、一般的なレーザーやIPLが適さない場合があります。併用を希望する場合も、まずシミの種類を確認し、それぞれの治療が適しているかを判断することが重要です。
IPLやレーザーの施術後にシミが濃く見えるのはなぜですか?
IPLやレーザーの施術後にシミが濃く見えるのは、照射によってシミの色素に変化が起こり、一時的に色が強く見えるためです。レーザーのスポット照射では、照射した部分が濃い茶色に変化したり、かさぶたのようになったりすることがあります。IPLでも照射後にシミが一時的に濃く見えることがあります。
こうした変化は、照射後の肌が回復する過程で起こる反応のひとつです。時間の経過とともに濃く見えていた部分が薄くなり、シミの色が目立ちにくくなることがあります。ただし、治療後の経過は治療方法やシミの種類によって異なるため、施術後に色の変化が気になった場合は、自己判断せず施術を受けた医療機関に確認しましょう。詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
シミ治療後はいつからメイクできますか?
IPLは施術当日から、レーザーは基本的に翌日からメイクできます。
IPLは施術後の肌への負担が比較的少ないため当日からメイクできます。レーザーも翌日からメイクできますが、照射部位にかさぶたや強い赤みがある場合は、肌をこすらないよう注意が必要です。施術当日は、メイクをする場合も強くこすったり刺激を与えたりせず、肌に負担をかけないようにしましょう。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくシミの種類をチェックいたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
まとめ
結論として、IPLは顔全体に広がるシミやそばかすをまとめて治療したい方、レーザーは濃く目立つシミを集中的に治療したい方に向いています。ただし、シミの種類によって適した治療は異なります。重要なポイントは以下の通りです。
・老人性色素斑は、濃く境界がはっきりしたものにはレーザー、広範囲の薄いシミにはIPLが向いています
・そばかすは、広い範囲に細かな斑点があるためIPLが基本です
・ADMはIPLではなくピコレーザーなどのレーザー治療が適しています
・肝斑は強いレーザーやIPLを避け、内服治療で状態を整えてからピコトーニングを組み合わせる方法があります
・施術後は紫外線対策を継続し、IPLは当日から、レーザーは基本的に翌日からメイクできます
IPLとレーザーはどちらが優れているかではなく、シミの種類・濃さ・広がり方に合った治療を選ぶことがポイントです。自分のシミにどの治療が適しているか分からない場合は、まず診察でシミの種類や状態を確認しましょう。
このページの監修医師

記事医師監修
土屋 皓大
ハートライフクリニック院長
・日本形成外科学会認定専門医
・日本医師会認定産業医
・乳房インプラント責任医師
・臨床研修指導医
・日本形成外科学会
・日本形成外科学会(JSAPS)
・日本美容皮膚科学会
・日本創傷外科学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会




