
「気づいたら足に茶色いシミができていた」「くるぶしの黒ずみがなかなか消えない」と悩んでいませんか?
実際にカウンセリングに来られる患者さまの中にも、「足のシミは顔のシミよりも原因が分かりにくく、セルフケアでよいのか、医療機関に相談したほうがよいのか迷っていた」とお話しされる方が少なくありません。そこで今回は、足にできるシミの種類と原因、受診を検討したい症状、セルフケアの方法、治療法、予防法まで詳しく解説します。自分の足のシミに必要な対処法を確認していきましょう。
足にできるシミ・色素沈着の主な種類と原因
足のシミは、紫外線だけでなく、炎症や摩擦、血流の滞りなど、さまざまな原因で生じます。原因によって適した治療法が異なるため、まずはシミの種類を見分けることが大切です。ここでは、足にできやすい代表的な5つの種類と、それぞれの原因を解説します。
老人性色素斑

足にできた画像のような茶色く平らなシミで、輪郭がはっきりしている場合は、老人性色素斑の可能性が高いです。主な原因は、長年にわたって浴びた紫外線による肌へのダメージです。
老人性色素斑は、一般的なシミとして代表的なもので、紫外線によるダメージが蓄積することでメラニンが増え、シミとして現れます。顔にできることが多いものの、紫外線を浴びるすねやふくらはぎ、足の甲にも生じます。
色は茶色から褐色で、周囲の皮膚との境目が比較的はっきりしているのが特徴です。盛り上がりはなく、平らなシミとして現れることが多いため、「足に平らで境目のくっきりした茶色いシミがある」という場合は、老人性色素斑が候補になります。老人性色素班の見分け方た治療法について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:老人性色素斑とは?原因・治療方法・予防までわかりやすく解説
脂漏性角化症

足にできた茶色〜黒褐色のシミが盛り上がっている場合は、脂漏性角化症の可能性があります。脂漏性角化症は、加齢や紫外線の影響などによって生じる良性のできもの(腫瘍)です。
色は淡い茶色から黒褐色までさまざまで、表面がザラザラしていたり、イボのように盛り上がっているのが特徴です。老人性色素斑とは異なり、平らなシミではなく、皮膚から盛り上がっていることが見分けるポイントになります。
「足に茶色や黒っぽいシミがあり、触るとザラザラしている」「以前はなかった盛り上がりがある」という場合は、脂漏性角化症の可能性があります。
炎症後色素沈着

虫刺されや怪我、湿疹などが治ったあとに、同じ場所に茶色い跡が残っている場合は、炎症後色素沈着の可能性があります。
炎症後色素沈着は、皮膚の炎症によってメラニンが増え、炎症が治まったあとも色素が残ることで生じます。
虫刺されや擦り傷、やけど、ムダ毛の自己処理などがきっかけに生じます。
また、足の指の間にできる水虫(足白癬)を繰り返し掻いたあとに、茶色い色素沈着が残ることもあります。
摩擦黒皮症

すねやくるぶしなど、摩擦や圧迫を受けやすい部分が茶色〜黒褐色に黒ずんでいる場合は、摩擦黒皮症の可能性があります。
摩擦黒皮症は、皮膚に繰り返し摩擦や圧迫が加わることで生じる色素沈着です。ナイロンタオルでの強いこすり洗いや、正座、きつい靴下・衣類などがきっかけになります。特に、くるぶしや膝など骨が出ている部分は刺激を受けやすく、生じやすい部位です。
静脈うっ滞による色素沈着

足首の内側に茶色い色素沈着があり、むくみや足の重だるさを伴っている場合は、静脈うっ滞による色素沈着の可能性があります。
静脈うっ滞は、足の静脈を流れる血液が心臓に戻りにくくなり、血液が足にたまりやすくなる状態です。血液が長く滞ることで、血液中の成分が皮膚に沈着し、茶色い色素沈着として現れることがあります。
特に足首の内側やすねに生じやすく、「足首の内側が茶色くなっている」「夕方になると足がむくむ」「足が重くだるく感じる」といった特徴があります。むくみや血管の膨らみを伴う場合は、皮膚科でシミの状態を確認するとともに、下肢静脈瘤が疑われる場合は血管外科などへの相談も検討しましょう。
足のシミで受診を検討したい症状
足のシミの多くは、紫外線や摩擦、炎症などによるもので、健康上大きな問題がないケースも少なくありません。ただし、短期間での急な変化や不規則な形、むくみを伴う場合は、皮膚や血管の病気が隠れていることがあります。「いつものシミと違う」と感じたときに受診につなげられるよう、特に確認しておきたい3つの症状を紹介します。
むくみや血管のふくらみを伴っている
上記で説明させていただいたように、足のシミに加えて、むくみや血管のふくらみがある場合は、下肢静脈瘤など血管の病気が隠れていることがあります。特に、足首からすねにかけて茶色くなり、夕方になると症状が強くなる場合は注意が必要です。
下肢静脈瘤では、足の血管が浮き出たり、コブのように膨らんだりするほか、足のむくみや重だるさ、疲れやすさなどを伴うことがあります。シミだけでなく、こうした症状が重なっている場合は、単なる色素沈着として様子を見ずに皮膚科や血管外科などに相談しましょう。
シミが短期間で大きくなったり広がったりしている
シミが1〜2か月ほどの短期間で明らかに大きくなったり、数が増えたりしている場合は、皮膚科で確認しましょう。
特に、以前は5mm程度だったシミが1〜2か月で倍以上大きくなった、1つだったシミの周囲に新しい色素斑が複数できたなど、短期間で見た目が変化している場合は注意が必要です。
形や色が不規則になっている
シミの形が左右非対称だったり、境界がギザギザしていたり、1つのシミに複数の色が混ざっていたりする場合は、皮膚科で確認しましょう。特に、茶色だけでなく黒・青・赤・白などが混在しているシミは、一般的なシミとは異なる特徴です。
注意したい形は、丸や楕円のように整っておらず、左右で形が違うものです。境界も、なめらかではなくギザギザしていたり、周囲の皮膚との境目がはっきりしない部分があったりします。色については、薄い茶色から濃い茶色、黒、青、赤、白などが1つのシミの中に混在している状態に注意が必要です。
足のシミはセルフケアで消せる?
足のシミは、種類によって自然に薄くなるものとセルフケアだけでは変化しないものに分かれます。まずは自分のシミがどちらに近いかを確認し、間違ったケアで悪化させないようにしましょう。
自然に薄くなるシミは?

炎症後色素沈着は、数か月〜1年程度かけて自然に薄くなることが多いシミです。
炎症が治まると、肌に残ったメラニンが少しずつ減っていくためです。
炎症後色素沈着は、皮膚に炎症が起きた際に増えたメラニンが、炎症が治まったあとも肌に残ることで生じます。その後、肌の生まれ変わりに伴ってメラニンが徐々に排出されるため、時間とともに色が薄くなっていきます。
セルフケアでは消えにくいシミもある

老人性色素斑や脂漏性角化症は、保湿や市販の美白化粧品だけでは消えにくいシミです。
特に、長年かけて定着した老人性色素斑や、皮膚が盛り上がった脂漏性角化症は、化粧品によるケアだけでなくなりにくく美容皮膚科での治療が必要です。
市販の美白化粧品は、メラニンの生成を抑えて新しいシミやそばかすを防ぐことを目的としたものです。そのため、すでにできているシミを取り除いたり、盛り上がった脂漏性角化症をなくしたりする作用はありません。
こするケアは色素沈着を悪化させる

足のシミを薄くしようとして、ナイロンタオルや軽石で強くこするのは避けましょう。
摩擦による刺激が皮膚の炎症を引き起こし、かえって色素沈着を濃くする原因になるためです。
皮膚に強い摩擦が繰り返し加わると、刺激による炎症が起こり、その後に色素沈着が残ることがあります。特に、すでに黒ずみがある部分を「シミを落としたい」と何度もこすると、色を薄くするどころか、さらに濃くしてしまうことがあります。
たとえば、くるぶしや膝の黒ずみを軽石で削る、ナイロンタオルで毎日強くこするといったケアは、色素沈着を悪化させる原因になります。足のシミが気になっても、摩擦で削って落とそうとしないことが大切です。
足のシミの治療方法
美容皮膚科では、シミの種類や状態に合わせて、レーザー治療や外用薬など幅広い治療方法があります。
先ほど説明させていただいたように、足のシミは、老人性色素斑や脂漏性角化症など、セルフケアだけでは改善しにくいものもあります。ここでは、足のシミに用いられる主な治療方法を解説します。
レーザー治療

老人性色素斑などの濃く境界がはっきりしたシミには、レーザー治療がおすすめです。
シミの種類や状態によっては、最短1回の治療で目立ちにくくなることがあります。
レーザーはシミの原因となるメラニンに反応し、色素を集中的に処理する治療です。
なかでもピコレーザーは、従来のレーザーよりメラニンを細かく砕いて処理できるのが特徴です。そのため、ダウンタイムも比較的短く、治療後の茶色いテープによる保護が不要な場合も多いです。ピコレーザーについて詳しくは関連ページをご覧ください。

■患者さまの声
すねの茶色いシミが何年も気になっていましたが、診断でシミの深さを確認してもらい、レーザー治療後は境目がぼやけて目立たなくなりました。(40代・女性)
外用薬による治療

炎症後色素沈着のように皮膚に色素が残っているシミを早く薄くしたい方には、ハイドロキノンやトレチノインなどの外用薬がおすすめです。
また、老人性色素斑でも、レーザーのようなダウンタイムを避けながら治療したい場合に使用されることがあります。
ハイドロキノンはメラニンの生成を抑え、トレチノインは肌の生まれ変わりを促して、メラニンを排出しやすくする成分です。そのため、本来は時間とともに薄くなる炎症後色素沈着の改善を早めたり、老人性色素斑を徐々に薄くしたりする目的で使用されます。外用薬は赤みや皮むけなどの刺激が出ることもあるため、濃度や使用頻度は医師の指示に従って使用することが大切です。ハイドロキノンについて詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミ治療に効く?ハイドロキノンの効果・使い方・副作用まで徹底解説
静脈うっ滞に対する治療
静脈うっ滞による色素沈着は、美容皮膚科でシミだけを治療するのではなく、血管の状態に合わせた治療が必要です。足のむくみや血管のふくらみを伴う場合は、皮膚科だけでなく、血管外科や心臓血管外科などで相談することも大切です。
治療には、弾性ストッキングなどで血液の滞りを軽減する圧迫療法のほか、原因となる静脈に対する硬化療法や血管内焼灼術などがあります。どの治療が適しているかは、血管の状態を超音波検査などで確認したうえで判断します。
足のシミを予防する方法
足のシミを予防するには、紫外線・摩擦・炎症による肌への刺激をできるだけ減らすことが大切です。
日常生活の中で受ける刺激を見直すことで、新たな色素沈着を防ぎやすくなります。ここでは、足のシミを増やさないために意識したい具体的な方法を紹介します。
紫外線対策をする

足のシミを予防するには、足の甲やすねなど紫外線が当たりやすい部分まで日焼け止めを塗ることが大切です。
特にサンダルやスカート、短パンで足が露出する季節は、顔だけでなく足にも紫外線対策が必要です。
足は「靴を履いているから大丈夫」と思いがちですが、サンダルの隙間から出ている足の甲や、スカートから出るすねは日焼けしやすい部分です。外出する日は、SPF30以上の広範囲の紫外線を防ぐ日焼け止めを足の甲・すね・ふくらはぎまで塗り、屋外で過ごす時間が長い場合は2時間程度を目安に塗り直しましょう。汗をかいた後も塗り直しが必要です。
また、画像にあるように紫外線は夏だけでなく、春や秋、冬にも降り注いでいます。「夏だけ日焼け止め」ではなく、足が露出する日は季節を問わず対策することが、足のシミ予防につながります。紫外線とシミの関係性について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:日焼けでシミができる?仕組みと正しい予防・ケア方法
摩擦や圧迫を避ける
足のシミを予防するには、くるぶしやすねなどに長時間の摩擦や圧迫が続かないよう、靴下や衣類、靴の選び方を見直すことが大切です。特に、毎日6〜8時間ほど着用する靴下やレギンスは、締め付けが強いものを避けましょう。
靴下は、ゴム部分がきつくなく、綿など肌当たりのやわらかい素材を選ぶと刺激を抑えやすくなります。レギンスやスキニーパンツも、くるぶしやすねに食い込んだり、動くたびに同じ場所が擦れたりするものは避けましょう。また、靴の履き口がくるぶしに当たる場合は、サイズや形が合っているか確認してください。
虫刺されや傷による炎症を防ぐ

足のシミを予防するには、虫刺されや傷をできるだけ炎症させず、患部を掻いたり擦ったりしないことが大切です。
虫刺されでは爪で掻かない、傷では患部をこすらないなど、炎症を長引かせる刺激を避けましょう。
もし虫に刺された場合は、まず患部を流水で洗い、かゆみが強ければ濡れタオルなどで冷やして、できるだけ掻かないようにしましょう。傷ができた場合は流水で汚れを洗い流し、必要に応じて絆創膏などで保護します。強い腫れや痛みが続く、膿が出るなど炎症が強い場合は、皮膚科を受診しましょう。
保湿して肌を守る

足のシミを予防するには、乾燥しやすいすねやくるぶしまで毎日保湿し、肌への摩擦や刺激を減らすことが大切です。
保湿剤は、入浴後にタオルで水分を拭き取った直後に塗りましょう。時間を空けず、肌が乾ききる前に塗るのがポイントです。
保湿は基本的に1日1〜2回が目安です。特に乾燥しやすい方は、夜の入浴後に加えて朝の洗顔時などに行うのがおすすめです。保湿剤は、肌の状態に合わせて選びます。ベタつきが気になる場合は乳液やローション、乾燥が強い場合はクリームやワセリンなど、油分の多いものが向いています。
まずは無料カウンセリングを

足のシミは、原因によって適したケアや治療方法が異なります。「セルフケアで薄くなるのか」「レーザー治療が向いているのか」など、ご自身では判断しにくい場合もあります。当院は開院20年以上、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。足のシミについても、現在の肌状態を確認したうえで、必要なケアや治療方法をご案内しています。Googleの口コミでも4.6以上の評価をいただいています。足のシミの原因や治療方法が分からずお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
足のシミは、紫外線による老人性色素斑だけでなく、炎症後色素沈着や摩擦黒皮症、静脈うっ滞など、原因によって種類が異なります。まずはシミの見た目やできたきっかけから原因を考え、必要に応じて適したケアや治療を選ぶことが大切です。重要なポイントは以下の通りです。
・虫刺されや傷のあとにできた炎症後色素沈着は、数か月〜1年程度かけて自然に薄くなることがある
・老人性色素斑や脂漏性角化症は、セルフケアだけでは改善しにくく、レーザー治療や外用薬などが選択肢になる
・シミが短期間で大きくなる、形や色が不規則になる、むくみや血管のふくらみを伴う場合は医療機関で確認する
また、足のシミを予防するには、紫外線・摩擦・炎症をできるだけ避け、乾燥しやすい部分を保湿することがポイントです。「足のシミが何の種類か分からない」「セルフケアでよいのか、治療したほうがよいのか知りたい」という方は、皮膚科や美容皮膚科で状態を確認してもらうと安心です。
このページの監修医師

記事医師監修
土屋 皓大
ハートライフクリニック院長
・日本形成外科学会認定専門医
・日本医師会認定産業医
・乳房インプラント責任医師
・臨床研修指導医
・日本形成外科学会
・日本形成外科学会(JSAPS)
・日本美容皮膚科学会
・日本創傷外科学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会




