
当院には、シミに関するご相談で来院される患者さまが多くいらっしゃいます。お悩みの部位は顔だけでなく、手や背中といった体の部分にも及びます。今回は、その中でも特にご相談が多い「背中のシミ」について、原因や対処法について解説します。
背中のシミができる原因と悪化のメカニズム
背中のシミは、紫外線による刺激だけでなく、衣服との摩擦や乾燥、ホルモンバランスの乱れなど、さまざまな要因が重なって生じます。
顔と違ってケアが行き届きにくい背中は、日常の刺激を受けやすく色素沈着が進みやすい部位です。ここでは、背中のシミができる主な原因と悪化の仕組みを分かりやすく説明します。
紫外線・摩擦・乾燥によるメラニンの過剰生成

背中のシミは、紫外線・摩擦・乾燥といった刺激でメラニンが過剰に作られることが主な原因です。
紫外線を浴びると、肌を守るためにメラノサイトが活性化し、メラニンが多く生成されます。さらに、衣服や下着のこすれ、汗や皮脂による刺激が重なると炎症が起こりやすく、メラニンの排出が滞ります。その結果、色素が肌に沈着し、シミとして定着しやすくなるのが背中の特徴です。
ニキビ跡や炎症による色素沈着とターンオーバーの乱れ

背中にできたニキビや虫刺されなどの炎症は、治った後もメラニンが肌に残り、色素沈着としてシミのように見えることがあります。
特に背中は皮膚が厚く、顔に比べてターンオーバー(肌の生まれ変わり)の周期が遅いため、沈着したメラニンが排出されにくい特徴があります。その結果、炎症後の色素沈着が長引き、時間が経っても薄くならず残ってしまうケースが多く見られます。
関連記事:背中ニキビは色素沈着しやすい?原因や治療方法を解説
背中にできるシミの代表的な種類

背中のシミにはいくつかの種類があり、「老人性色素斑」「脂漏性角化症」「炎症後色素沈着」の3種類があります。
それぞれ原因や症状の現れ方が異なります。同じように見えても、加齢や紫外線が関係するもの、イボのように盛り上がるもの、炎症が後に残るものなど性質はさまざまです。3つのシミの特徴と見分け方を説明いたします。
老人性色素斑(日光性黒子)
老人性色素斑は、長年にわたる紫外線の影響でできる代表的なシミです。
| 特徴 | 円形や楕円形で、濃い茶色から黒っぽいシミ |
|---|
背中は衣服で隠れているように見えても、海やレジャーなどで日焼けを繰り返すことで紫外線が蓄積し、年齢とともに徐々に現れます。形は円形や楕円形で、濃い茶色から黒っぽい色を呈するのが特徴です。顔のシミと比べて気づきにくく放置されやすいものの、レーザー治療などにより比較的反応がよく、しっかりケアすれば改善が期待できます。
脂漏性角化症(老人性イボ)
脂漏性角化症は、加齢や紫外線の影響で皮膚の角質が厚くなり、イボのように盛り上がる良性の腫瘍です。
| 特徴 | イボのように盛り上がっており、薄茶から黒褐色などさまざま |
|---|
背中は皮脂分泌が多く、汗や摩擦の刺激も受けやすいため、顔よりも大きく硬くなる傾向があります。色は薄茶から黒褐色までさまざまで、触るとざらつきを感じるのが特徴です。自然に消えることはなく、美容皮膚科ではシミ取りレーザーや液体窒素などの医療機器で安全に除去することが可能です。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着は、ニキビや虫刺され、かぶれなどの炎症の後にメラニンが残って生じるシミです。
| 特徴 | 茶色~灰色、または紫がかった色味で平らなシミ |
|---|
年齢に関係なく起こり、特に背中は皮脂分泌が多くニキビができやすいため、若い方にもよく見られます。
炎症が起きるとメラノサイトが刺激され、メラニンが過剰に生成されますが、背中は発汗や摩擦による刺激も多く、肌の生まれ変わりが遅いため色素が沈着しやすいのが特徴です。時間が経つと薄くなりますが、改善には根気が必要です。
関連記事:シミの種類と見分け方|原因別の特徴・治療法・予防法を徹底解説
医療機器による背中のシミ治療

一言で医療機関とおっても自由診療の皮膚科では、シミを悪化させにくくするケアが中心で、完全にシミを治すのは難しい場合が多いです。
そのため、今回はシミ治療が可能な自由診療の中でも「美容皮膚科」での治療についてご紹介します。背中のシミはレーザーや光治療、高周波治療など複数の医療機器を使い分け、シミの種類や濃さに合わせて最適な機器を選択します。例えば、老人性色素斑にはピコレーザー、脂漏性角化症には高周波治療が効果的です。正確な診断が治療成功の鍵となります。
ピコレーザー
ピコレーザーは主に老人性色素斑(日光性黒子)や炎症後色素沈着に効果的ですが、脂漏性角化症には他の治療が適応されることが一般的です。
ピコレーザーは、1兆分の1秒という非常に短いパルス幅でレーザーを照射し、メラニン色素を微細な粒子に分解します。
そのため、周囲の正常な皮膚に熱ダメージを与えにくく、痛みやダウンタイムが少ないのが特徴です。背中の治療でも肌負担が少なく、施術後すぐに日常生活に戻りやすいメリットがあります。
ライムライト
ライムライトは、顔だけでなく背中にも照射可能な光治療機器で、特に広範囲の薄いシミや色ムラに効果的です。光がメラニン色素に反応し、シミを徐々に薄くするとともに、肌全体のトーンアップや透明感、キメの改善も期待できます。
ライムライトは老人性色素斑や炎症後色素沈着に有効で、肌の奥の真皮層に働きかけコラーゲン生成を促進し、美肌効果も得られます。
アキュチップ
アキュチップは、直径約6.35mmの極小スポットでピンポイントに照射する光治療です。
濃いシミや赤みに効果があり、特に細かい部分のシミや毛細血管拡張症の改善に適しています。波長はメラニンとヘモグロビンに吸収されやすい500〜635nmで、周辺の正常な皮膚に負担をかけずに治療可能です。施術後はダウンタイムがほとんどなく、直後から化粧も可能です。炎症後色素沈着や薄いシミにも効果的で、赤みの改善も期待できます。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院から19年以上にわたり、64,000件以上の肌トラブルに対応してまいりました。これまでのご信頼により、Google口コミでは4.7以上の高評価をいただいております。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌状態に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
背中のシミを悪化させないためのセルフケア

背中のシミを悪化させないためには、日常的なセルフケアが欠かせません。
特に紫外線対策は基本で、肌の乾燥予防のための保湿や衣服やタオルによる摩擦を防ぐことが重要です。これらの継続的なケアが美しい背中を保つ鍵となります。詳細なセルフケア方法をご紹介いたします。
紫外線対策
背中の紫外線対策には、日焼け止めが必須でSPF30〜50の数値でPA++〜++++のものがおすすめです。
特に背中は広範囲で塗りにくいため、スプレータイプの日焼け止め(例:アリィー 日焼け止めスプレー)を使うと便利です。塗り直しは2~3時間ごとに行い、汗や水で落ちやすいためこまめに塗布しましょう。屋内の窓越し紫外線も肌に影響するため、日常的に紫外線対策を継続することが大切です。
関連記事:日焼けが招くシミの原因と予防・改善法|紫外線対策から治療まで徹底解説
保湿と摩擦ケア
背中の乾燥対策には、入浴後すぐの保湿が重要です。
おすすめは、医薬部外品の「ヒルメナイド薬用ボディミルクローション」や「ミノン全身保湿ミルク」で、肌にやさしく長時間うるおいを保ちます。摩擦による刺激を避けるため、ナイロン製のタオルや肌を締め付ける衣類は控え、柔らかい素材のタオルやゆったりした服を選びましょう。これらの習慣が背中のシミ予防に役立ちます。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院以来19年間で64,000件以上の肌トラブルに対応してきました。シミを根本から治療することを理念とし、治療後のアフターケアについても丁寧にご提案しています。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌状態に最適な治療プランをお伝えいたします。
背中のシミ治療に関するよくある質問
若くても背中にシミはできます。紫外線を浴びることでメラノサイトが活性化し、メラニン色素が過剰に生成されるためです。また、皮膚の摩擦や刺激もシミの原因になります。例えば、思春期のニキビ跡は炎症後色素沈着としてシミ化しやすく、スポーツやアウトドアでの紫外線曝露も若年層の背中のシミを増やす要因です。年齢に関係なく日常的な紫外線対策と美容皮膚科での早期治療が効果的です。
背中のシミ治療では、ピコレーザーやライムライトが一般的に用いられます。
ピコレーザーは1~3回程度の施術でシミの変化を感じる方が多いですが、シミの濃さや深さ、個人の肌質によって回数は異なります。ライムライトの場合も同様で、通常は1ヶ月おきに3~5回の照射が推奨され、徐々に肌のトーンアップやシミの改善が見られます。どちらも複数回の継続が効果的で、医師との相談のもと治療計画を立てることが大切です。
施術直後は赤みやかさぶたができることがありますが、かさぶたは無理に剥がさず自然に剥がれるのを待つことが大切です。治療後の肌は乾燥しやすくバリア機能も低下しているため、しっかり保湿しましょう。紫外線対策は365日欠かさず行い、SPF30以上・PA+++以上の日焼け止めを塗ることが重要です。また、摩擦を避けるために肌に優しい衣類を選び、入浴は当日から可能ですが、長風呂や激しい運動、サウナは赤みが引くまで2~3日控えてください。適切なアフターケアが治療効果を高め、シミの再発を防ぎます。
まとめ
背中のシミは、紫外線によるメラニンの過剰生成、摩擦、乾燥、ニキビ跡の炎症後色素沈着が主な原因です。
特に、老人性色素斑や脂漏性角化症などの代表的なシミには、それぞれ適した医療機器による治療が有効です。ピコレーザーやライムライト、アキュチップを活用し、1~3回の施術で変化が期待できます。施術後は紫外線対策、保湿、摩擦回避を徹底し、セルフケアを継続することで再発防止につながります。当院では専門医が正確に診断し、最適な治療プランをご提案します。まずは無料カウンセリングへお越しください。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



