
「生理前になると頬のシミが濃く見える」「このまま残ってしまうのでは」と不安になっていませんか。実際に当院でも、「生理前になるとシミが目立つ気がする」というご相談をいただくことがあります。そこで今回は、生理前にシミが濃く見える理由や生理後の変化、悪化を防ぐケア、治療を受ける際の注意点、皮膚科を受診する目安までわかりやすく解説します。
生理前にシミが濃くなるのはなぜ?
生理前にシミが濃く見える背景には、女性ホルモンの変動や、乾燥・くすみなどの肌状態の変化が関係しています。生理前に起こる体と肌の変化が重なることで、普段よりシミが目立つことがあります。下記より詳しく解説いたします。
女性ホルモンの変化がメラニンに影響する

生理前にシミが濃く見える理由の一つが、排卵後に起こる女性ホルモンの変動です。生理周期を28日周期とした場合、排卵後から次の生理までの約2週間を「黄体期」といい、黄体期はエストロゲンとプロゲステロンの量が大きく変化します。特にエストロゲンは、メラニンを作る細胞に働きかけ、シミ色素の産生に影響することが報告されています。
そのため、黄体期から生理直前にかけての2週間は肝斑などのシミが濃く見えることがあります。
画像が実際に調査した事例なのですが、62%の人が月経直前に目の周囲の色が濃くなったと回答しました。
ただし、すべてのシミが濃くなるわけではありません。毎月同じ時期にシミが目立つ方は、月経周期とシミの変化を記録しておくと診察時の判断材料になります。
乾燥やくすみでシミが目立ちやすくなる

生理前は肌の水分量やバリア機能が変化し、乾燥によってシミが普段より目立つことがあります。2025年に女性36人を対象に行われた研究では、皮膚の水分量が排卵期の40.55±7.80から黄体中期には36.27±7.42へ低下し、約11%低くなりました。また、月経直前は皮膚から逃げる水分量が増え、バリア機能が低下することを示した研究もあります。肌が乾燥するとキメが乱れて光を均一に反射しにくくなり、顔全体がくすんで見えます。その結果、周囲の肌とシミとの色の差が強調され、実際にシミが増えていなくても「いつもより濃くなった」と感じることがあります。
生理前に濃くなったシミは元に戻る?
生理前に一時的に濃く見えているシミは、生理後にホルモンや肌状態が落ち着くことで、普段の見え方に戻ることは多いです。
ただし、生理後も濃い状態が続く場合は、紫外線や摩擦による色素沈着、肝斑などが関係している可能性があります。ここからは、生理後にシミが目立ちにくくなる理由と、そのまま色素沈着として残るケースについて詳しく解説します。
生理後にシミが目立ちにくくなることもある

生理前だけ乾燥やくすみが強くなり、それに伴ってシミが濃く見えている方は、生理後にはシミは目立ちにくくなることが多いです。
例えば、「生理前は肌が乾燥して顔全体がくすむ」「毎月同じ時期だけシミが目立つ」という方は、肌状態が整うにつれてシミと周囲の肌との色の差が小さくなり、目立ちにくくなることがあります。
ただし、生理の時期関係なくできた肝斑や老人性色素斑そのものが生理後に消えるわけではないので注意しましょう。
刺激が続くと色素沈着が残ることもある

生理前に肌荒れや赤みが出やすく、さらに肌をこする習慣がある方は、炎症後の色素沈着が残りやすいため注意が必要です。
たとえば、クレンジングで頬を強くこする、タオルでゴシゴシ拭く、ニキビを触る・つぶす、顔を触る癖がある、赤みがあるのにスクラブやピーリングを続けるといった行動は、肌への刺激を繰り返す原因になります。
さらに日焼け止めを塗らず紫外線を浴びると、炎症をきっかけにメラニンが増え、赤みが治まった後も茶色い跡として残ることがあります。

■よくある相談例
「生理前だけ頬のシミが目立つため、毎月美白化粧品を増やしている」という相談があります。肌が敏感な時期に新しい成分を一度に追加すると、赤みやヒリつきが出て、かえって色素沈着につながることがあります。まずは生理後に見え方が戻るかを確認し、刺激を増やさないケアを優先してください。
生理前にしておきたいシミ対策
生理前のシミ対策では、シミを濃くする原因をできるだけ増やさず、肌を安定した状態に保つことが大切です。
生理前は肌状態が変化しやすいため、普段以上に刺激を与えるのではなく、肌を守るケアを意識してください。ここからは、生理前に取り入れたい具体的なシミ対策を4つに分けて解説します。
紫外線対策を徹底する

生理前のシミを濃くしないためには、季節を問わず毎日紫外線対策を続けることが大切です。
紫外線は夏だけでなく一年中降り注いでおり、特に日中は紫外線量が多くなるため、外出時は日焼け止めに加えて帽子や日傘も活用しましょう。
日焼け止めはSPF30以上・PA+++以上を目安に、屋外では約2時間ごと、汗をかいた後やタオルで拭いた後にも塗り直しましょう。生理前に日焼け止めがしみる方は、酸化亜鉛や酸化チタンなどの紫外線散乱剤を使用した低刺激タイプがおすすめです。紫外線対策の方法や紫外線とシミの関係については、関連記事で詳しく解説しています。
関連記事:日焼けでシミができる?仕組みと正しい予防・ケア方法
低刺激のスキンケアで保湿する

生理前に乾燥やつっぱりを感じる方は、セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンなどの保湿成分を配合したスキンケアをしましょう。
セラミドは肌の水分を保つバリア機能を支え、ヒアルロン酸やグリセリンは水分を抱え込んで乾燥を防ぐ働きがあります。洗顔後は化粧水だけで終わらせず、乳液やクリームを重ねて水分が逃げにくい状態にしましょう。
一方、生理前に赤みやヒリつきがあるときは、新しい美白化粧品やスクラブ、ピーリングなど刺激を感じやすいケアを追加するのは避けてください。普段問題なく使えている保湿剤を基本に、乾燥を防ぐシンプルなケアへ切り替えることがポイントです。
摩擦や刺激の強いスキンケアを避ける
生理前は、スキンケアの回数を増やすより「肌に触れる回数を減らす」ことを意識してください。
シミが濃く見えると、美白美容液を何度も塗ったり、シミの部分だけ念入りにマッサージしたりしたくなりますが、こうしたケアは摩擦を増やす原因になります。
特に、コットンで何度もパッティングする、シミ部分を指でこする、美顔器を長時間使用するといった「良かれと思って行うケア」に注意が必要です。生理前は普段のスキンケアを必要以上に増やさず、化粧品は手でやさしくなじませる程度に留めましょう。
| おすすめの成分 | 控えたい成分 |
|---|---|
| セラミド配合 | スクラブ |
| ヒアルロン酸配合 | 高頻度のピーリング |
| グリセリン配合 | 初めて使う高濃度美容液 |
| 乳液・クリーム | ヒリつきを感じる化粧品 |
十分な睡眠をとる

生理前は7〜8時間を目安に睡眠時間を確保し、夜更かしを避けて生活リズムを整えましょう。
十分な睡眠をとるためには、毎日の起床・就寝時間を大きくずらさないことがポイントです。
・寝る直前までスマートフォンを見続ける
・夕方以降にカフェインを多くとる
・休日に長時間寝だめするといった習慣がある人
こういった方は注意が必要で、眠りにつく時間を遅らせる原因になります。就寝前はスマートフォンを見る時間を減らし、夕食や入浴も含めて眠る準備を整えてください。ただし、7〜8時間眠ることで生理前のシミが直接薄くなるわけではありません。睡眠はシミ治療ではなく、生理前の体調や肌状態を整えるための生活習慣として取り入れましょう。
生理前にシミ治療を受けるときの注意点
生理前にシミ治療を受ける場合は、いつもと肌状態が違っていないかを確認してから施術を受けることが大切です。
生理前という理由だけでシミ治療を避ける必要はありませんが、肌の状態によっては予定どおり施術できないこともあります。ここからは、生理前にシミ治療を受ける際に確認しておきたいポイントを解説します。
肝斑と一般的なシミでは治療方法が異なる

肝斑は、一般的な老人性色素斑と同じように強いレーザーを照射すると濃くなることがあるため、シミの種類を確認して治療方法を分ける必要があります。
老人性色素斑ではシミを狙ってレーザーを照射する治療がありますが、肝斑は強い刺激によって悪化することがあるためです。特に、頬骨周辺に左右対称にもやっと広がり、生理前になると毎月濃く見えるシミは、肝斑の可能性も含めて診察を受けてください。
肝斑と診断された場合は、紫外線や摩擦への対策を基本に、外用薬・内服薬・低出力のレーザーなどから肌状態に合った治療が必要になります。肝斑の見分け方について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミと肝斑の違いを徹底解説|原因・見分け方・効果的な治療法と予防のポイント
肌が敏感な時期の施術は医師に相談する

生理前に赤み・乾燥・かゆみ・ヒリつきが出ている場合は、無理にシミ治療を受けず、医師に相談して肌が落ち着いてから施術するなどタイミングを調整しましょう。
炎症がある状態でレーザーや光治療を受けると、照射時の痛みを強く感じたり、施術後の赤みやヒリつきが長引いたりすることがあるためです。
予約日と生理前が重なっても、肌に問題がなければ必ず延期する必要はありません。
一方、普段より肌が敏感になっている場合は、赤みや乾燥がいつから続いているか、普段と比べてどの程度かを施術前に伝え、医師に肌状態を確認してもらったうえで施術のタイミングを決めてください。
シミが濃くなったときに医療機関(美容皮膚科など)への受診する目安
生理周期に関係なくシミの状態に普段と違う変化がみられた場合や時間がたっても変化が続く場合は、自己判断せず美容皮膚科に受診してください。
生理前にシミが濃く見えることはありますが、すべてをホルモンの影響だけで判断するのは避ける必要があります。ここからは、シミが濃くなったときに受診を検討したい具体的なサインを解説します。
生理後もシミの濃さが戻らない

生理が終わっても以前よりシミが濃い状態が続く、または生理のたびに少しずつ濃くなったり範囲が広がったりしている場合は、その時点で皮膚科や美容皮膚科を受診してください。
「あと1〜2周期様子を見よう」と待つ必要はありません。生理前だけ一時的に目立ち、生理後には普段の見え方へ戻る変化とは異なり、濃さや範囲の変化が続いている場合は、生理周期以外の原因が関係している可能性が高いため、美容皮膚科での専門的な治療が必要になります。
シミの色や形が急に変化した

数週間〜数か月でシミの色・形・大きさが変化した場合は、美容皮膚科でシミ治療を受ける前に、保険診療を行う皮膚科を受診してください。
左右非対称になる、輪郭が不規則になる、複数の色が混ざる、急に盛り上がる、出血・痛み・かゆみを伴うなどの変化は、生理前の一時的な変化とは分けて診断する必要があります。特に急速に大きくなる、出血を繰り返す場合は早めに受診してください。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくシミの種類をチェックいたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
まとめ
生理前にシミが濃く見える背景には、女性ホルモンの変動や乾燥・くすみなど肌状態の変化が関係することがあります。特に、毎月同じ時期に頬骨周辺へ左右対称にもやっと色が出る場合は、肝斑も確認が必要です。生理後に普段の見え方へ戻る場合は一時的な変化のことがありますが、濃さが戻らない、徐々に範囲が広がる、色や形が急に変わる場合は皮膚科へ相談してください。日常では紫外線対策を続け、赤みや乾燥がある日は強いピーリングや摩擦を避けることがポイントです。自分のシミが肝斑なのか一般的なシミなのか判断できない場合は、治療を始める前に医師の診察で種類を確認しましょう。
このページの監修医師

記事医師監修
土屋 皓大
ハートライフクリニック院長
・日本形成外科学会認定専門医
・日本医師会認定産業医
・乳房インプラント責任医師
・臨床研修指導医
・日本形成外科学会
・日本形成外科学会(JSAPS)
・日本美容皮膚科学会
・日本創傷外科学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会




