毛包炎とニキビの違い|原因と見分け方

「この赤いブツブツはニキビ?それとも毛包炎?」「ニキビ薬を塗ってもなかなか治らない…」と不安に感じていませんか。
実際に、ニキビだと思って来院された患者さまでも、診察すると毛包炎だったというケースは少なくありません。見た目が似ているため自己判断が難しく、間違ったケアで悪化してしまうこともあります。
そこで今回は、毛包炎とニキビの違いや見分け方、マラセチア毛包炎の特徴、皮膚科で行う治療についてわかりやすく解説します。
毛包炎とニキビの違いとは?
毛包炎とニキビは見た目が似ていますが、原因や治療法は異なります。
ニキビ薬で改善しない場合は、毛包炎やマラセチア毛包炎が隠れていることもあるため、違いを知ることが大切です。
毛包炎は毛穴に細菌が入って起こる

毛包炎は、毛穴の奥に細菌が入り込み、炎症が起こる皮膚トラブルです。主に黄色ブドウ球菌などの常在菌が関係しています。
カミソリによる自己処理や衣類の摩擦、汗による蒸れで毛穴周辺に小さな傷ができると、細菌が入り込みやすくなり、引き起こします。特にVIOや脇、太ももは摩擦が起こりやすく、毛包炎ができやすい部位です。
実際に、VIOを頻繁に自己処理していた20代女性の患者さまは、小さな赤い膿疱を繰り返していました。ニキビだと思い市販薬を使用していましたが、診察すると毛包炎だったというケースも少なくありません。
軽症なら自然に落ち着くこともありますが、赤みや膿が広がる場合は早めに皮膚科へ相談しましょう。
ニキビは毛穴詰まりと皮脂で起こる

ニキビは、皮脂や古い角質によって毛穴が詰まり、アクネ菌が増えることで炎症が起こることで発症します。
皮脂分泌が増えやすい思春期や、ホルモンバランスが乱れやすい時期にできやすく、顔だけでなく胸や背中にも出ることがあります。
例えば、睡眠不足やストレスが続いていた30代男性の患者さまは、フェイスラインに繰り返し赤ニキビができていました。生活習慣の見直しとニキビ治療を併用したことで、徐々に炎症が落ち着きました。
ニキビは白ニキビから赤ニキビ、黄ニキビへ進行する特徴があります。悪化するとセルフケアで治療ができないニキビ跡につながることもあるため、早めのケアが大切です。
毛包炎とニキビの見分け方
毛包炎とニキビを見分けるには、ブツブツの大きさや膿の有無、痛みやかゆみなどを確認することがポイントです。完全に自己判断することは難しいですが、特徴を知ることで受診の目安になります。
ブツブツの大きさや出方を確認する

毛包炎は、同じような大きさの赤いブツブツが急に増えることが多いです。
一方でニキビは、同じ大きさの発疹が一気に増えるというより、白ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビなどが混在しながら、段階的に進行していくことが特徴です。そのため、1つ1つの大きさや見た目にばらつきがあります。
毛包炎は毛穴ごとに炎症が起こるため、小さな発疹が均一に並びやすく、特に背中やお尻、太ももなど蒸れや摩擦が起こりやすい部位にできやすい傾向があります。
実際に、「数日で背中に細かいブツブツが一気に増えた」と来院された患者さまが、診察で毛包炎と判断されたケースもありました。
急に同じようなブツブツが増えた場合は、ニキビではなく毛包炎の可能性も考え、自己判断せず皮膚科へ相談しましょう。
膿や芯の有無を確認する

毛包炎は発症時点から毛穴を中心とした小さな膿がみられることがあり、ニキビは毛穴詰まりによる芯ができることが特徴です。
ニキビでは、皮脂や古い角質が毛穴に詰まり、コメドと呼ばれる芯ができます。その後、炎症が進行すると赤ニキビや黄ニキビとなり、膿を伴うこともあります。
一方で毛包炎は、細菌感染によって毛穴周囲に炎症が起こり、比較的早い段階から小さな膿疱ができやすい傾向があります。また、同じような大きさの膿疱が並ぶことも特徴です。
実際に、「白い芯はなく、小さな膿が繰り返しできる」と来院された患者さまが、診察で毛包炎と判断されたケースもありました。
無理に潰すと炎症後色素沈着や跡につながるため、自己処理は避けましょう。
痛みやかゆみの違いを確認する

毛包炎は軽いかゆみを伴うことがあり、ニキビは炎症が強くなると痛みを感じやすくなります。
毛包炎は浅い炎症のため、ムズムズするようなかゆみを訴える方もいます。一方で、赤ニキビや黄ニキビは触れたときにズキッとした痛みが出やすいです。
例えば、胸元にかゆみを伴うブツブツが続いていた患者さまは、ニキビではなく毛包炎と診断されたケースもありました。
かゆみが強い場合や同じ場所に繰り返す場合は、早めに診察を受けましょう。
ニキビ薬で治らない場合は毛包炎も疑う

市販のニキビ薬を2〜4週間ほど使っても改善しない場合は、毛包炎が隠れている可能性があります。
ニキビ治療薬は、アクネ菌や毛穴詰まりに作用するものが中心です。そのため、細菌や真菌が原因の毛包炎では十分な効果が出にくいです。
自己判断で薬を使い続けると悪化や色素沈着につながることもあるため、2〜4週間ほど続けても変化がない場合は、一度皮膚科で原因を確認してもらいましょう。
マラセチア毛包炎とは?
マラセチア毛包炎は、ニキビや一般的な毛包炎と見た目が似ている皮膚トラブルです。通常の毛包炎とは原因や治療法が異なるため、こちらも見分けることが大切です。
カビの一種が毛穴で増えて起こる

マラセチア毛包炎は、皮膚に存在するカビの一種であるマラセチア菌が増えることで起こります。
汗や皮脂が多い環境では真菌が増えやすく、夏場やスポーツ後に悪化する方が多いです。また、抗生物質を長期間使用したあとに発症するケースもあります。
汗を放置しないことや、蒸れにくい服装を意識することも予防につながります。
背中や胸に同じ大きさのブツブツが出やすい

マラセチア毛包炎も毛包炎と同様に、同じ大きさの赤いブツブツが均一に並ぶことが特徴です。
2〜3mm程度の小さな発疹が、胸や背中、肩に広がるケースが多くみられます。ニキビのように大きさにばらつきが少ない点も特徴です。
実際に、夏場に「背中に細かいブツブツが一気に増えた」という相談はマラセチア毛包炎だったというケースも少なくありません。また、毛包炎同様に、マラセチア毛包炎も痛みよりもかゆみを訴える方が多いです。
ニキビ薬や抗菌薬で治りにくい

マラセチア毛包炎は真菌が原因のため、一般的なニキビ薬や抗菌薬だけでは改善しにくいです。
細菌に作用する薬では、真菌そのものを抑えられないためです。その結果、「治らないニキビ」と思い込み、症状が長引くケースもあります。
例えば、背中ニキビとして長期間ケアを続けていた患者さまが、抗真菌薬へ変更したことで改善したケースもありました。
ニキビ治療で変化がない場合は、薬が合っていない可能性もあります。少しでも怪しいと思ったら、マラセチア毛包炎が混合している可能が高いため早めに保険診療の皮膚科で良いので相談にいくことが重要です。
皮膚科で行う治療とは?
皮膚科では、ブツブツの原因や膿の有無、症状の広がりを確認し、状態に合わせた治療を行います。自己判断では見分けが難しい症状ですが、皮膚科では症状に合わせて治療を使い分けます。
毛包炎には抗菌薬を使うことがある
毛包炎では、症状に応じて抗菌薬の塗り薬や飲み薬を使用します。細菌感染による炎症を抑えるためです。
軽症なら塗り薬のみで改善することもありますが、範囲が広い場合は飲み薬を併用することがあります。
例えば、剃毛後に繰り返していた毛包炎へ抗菌薬治療を行ったことで、炎症が落ち着いた患者さまもいました。赤みや膿が広がる場合は、市販薬だけで様子を見続けないようにしましょう。
マラセチア毛包炎には抗真菌薬を使う
マラセチア毛包炎では、抗真菌薬による治療が中心になります。真菌の増殖を抑える必要があるためです。
症状や範囲によっては、塗り薬だけでなく飲み薬を使用することもあります。例えば、背中全体にブツブツが広がっていた患者さまは、抗真菌薬による治療後に徐々に改善しました。再発を防ぐためには、自身でも汗や蒸れ対策も併せて行うことが大切です。
膿がたまった場合は処置が必要になる
膿が深くたまっている場合は、薬だけでは改善しにくいことがあります。
炎症が強い状態では、内部の膿を出さないと治りにくいためです。医師が状態を確認し、必要に応じて膿を出す処置を行います。自分で無理に潰すと悪化や跡につながるため、自己処理は避けましょう。自分でニキビを潰してしまうリスクについて詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
毛包炎とニキビのよくある質問
毛包炎は自然に治る?
軽い毛包炎は、数日ほどで自然に落ち着くことがあります。
ただし、赤みが広がる場合や膿が増える場合は、炎症が進行している可能性があります。摩擦や自己処理を繰り返すと悪化しやすくなります。例えば、「自然に治ると思っていたら範囲が広がった」という相談も少なくありません。
症状が長引く場合や痛みが強い場合は、早めに保険適用の皮膚科で良いので相談しましょう。
毛包炎は人にうつる?
毛包炎は基本的には人へはうつりません。
多くは皮膚の常在菌が関係しており、摩擦や蒸れなどをきっかけに炎症が起こるからです。
ただし、タオルを共有したり、不衛生な状態が続いたりすると細菌感染のリスクが高まることがあります。タオルの共有を避け、患部を清潔に保つよう心がけましょう。
毛包炎とおできの違いは?
毛包炎より深く炎症が広がった状態がおできです。
毛包炎は浅い毛穴の炎症ですが、おできは皮膚の深い部分まで炎症が及び、強い痛みやしこりを伴うことがあります。例えば、熱感を伴う硬い腫れがある場合は、おできへ進行しているケースもあります。強い痛みや発熱を伴う場合は、早めに受診してください。
お風呂やサウナに入ってもよい?
清潔を保つことは大切ですが、長時間の高温環境は悪化につながる場合があります。
汗や蒸れによって細菌や真菌が増えやすくなるためです。また、患部を強くこすると刺激になります。実際に、サウナ後にかゆみや赤みが強くなったという方もいます。入浴時はシャワーでやさしく洗い、入浴後はしっかり乾かしましょう。
まとめ
毛包炎とニキビは見た目が似ていますが、原因や治療法は異なります。
重要なポイントは以下の通りです。
・毛包炎は細菌感染、ニキビは毛穴詰まりと皮脂が主な原因
・マラセチア毛包炎は真菌が関係し、ニキビ薬では改善しにくいことがある
・赤みや膿、かゆみが長引く場合は皮膚科で原因を確認することが大切
一方で、自己判断で薬を使い続けたり、無理に潰したりすると悪化や跡につながることがあります。
「自分の症状がニキビなのかわからない」「市販薬で治らない」と感じる方は、早めに皮膚科で相談してみてください。
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このページの監修医師

記事医師監修
土屋 皓大
ハートライフクリニック院長
・日本形成外科学会認定専門医
・日本医師会認定産業医
・乳房インプラント責任医師
・臨床研修指導医
・日本形成外科学会
・日本形成外科学会(JSAPS)
・日本美容皮膚科学会
・日本創傷外科学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会




