
シミを消したいと思ったとき、「皮膚科と美容皮膚科のどちらを受診すればよいの?」と迷う方は少なくありません。実際に、受診先に迷って当院へご相談に来られる患者さまもいらっしゃいます。
シミは種類によって保険適用の有無や適した治療法が異なるため、受診前に違いを知っておくことが大切です。
そこで今回は、シミの種類や保険適用の条件、皮膚科と美容皮膚科で受けられる治療法、治療後の注意点までわかりやすく解説します。自分のシミにはどちらが向いているのか、受診先を選ぶ際の参考にしてください。
シミ取りは皮膚科と美容皮膚科どっち?
一般的なシミを消したい場合は、美容皮膚科を受診しましょう。 老人性色素斑や肝斑、そばかすなど、見た目の改善を目的とするシミは保険診療の対象外です。美容皮膚科では、シミの種類に合わせてレーザーや光治療、内服薬・外用薬などを使い分けて治療します。一方、太田母斑や扁平母斑など、あざや皮膚疾患に該当する場合は皮膚科で診断・治療を受けられます。
| 皮膚科 | 美容皮膚科 | |
|---|---|---|
| こんな方 | あざ・皮膚疾患を治療したい | 一般的なシミを消したい |
| 主な対象 | 太田母斑・扁平母斑・異所性蒙古斑など | 老人性色素斑・肝斑・そばかすなど |
| 治療の目的 | 対象となる疾患は保険診療 | 原則として自由診療 |
シミの種類と見分け方
美容皮膚科では、老人性色素斑や肝斑、そばかすなど、見た目の改善を目的としたさまざまなシミを治療します。ただし、シミの種類によって適した治療法が異なるため、自分のシミがどのタイプなのかを知ることが大切です。ここでは、美容皮膚科で治療できる代表的な6種類の特徴と見分け方を解説します。
老人性色素斑

老人性色素斑は、一般的に「シミ」と聞いてイメージされることが最も多いタイプです。
紫外線を長年浴びた影響でできる、茶色く境界のはっきりした斑点で、顔や手の甲などに多く見られます。20〜30代から現れることがあり、40〜50代で目立ちやすくなります。
特徴は、丸や楕円形で、周囲の肌との境界が比較的はっきりしていることです。紫外線によってメラニンが増え、肌に蓄積することが主な原因です。詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:老人性色素斑とは?原因・治療方法・予防までわかりやすく解説
肝斑

肝斑は、30〜40代の女性に多く、ホルモンが変化する時期にできやすいシミです。
当院の患者さまでは、妊娠・出産をきっかけに肝斑が気になり始めた方やピルを服用してから頬の色ムラが目立つようになったという方が多いです。
肝斑は、頬骨のあたりを中心に左右対称に現れ、淡い褐色で輪郭がぼんやりしているのが特徴です。老人性色素斑とは異なり、刺激によって濃くなることがあるため、強いレーザーを安易に照射すると悪化する場合があります。そのため、特に肝斑と疑わしき場合は、シミの種類をしっかり見極め、適した治療を行っているクリニックを選ぶことが大切です。肝斑の見分け方や治療方法について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミと肝斑の違いを徹底解説|原因・見分け方・効果的な治療法と予防のポイント
そばかす

そばかすは、鼻や頬を中心に現れる遺伝性の細かい茶色の斑点です。幼少期から現れ始め、思春期にかけて数が増えて濃くなる傾向があります。
また、夏に目立ち冬に薄くなる傾向があります。両親や兄弟にそばかすがある場合、自分にも出やすいとされています。そばかすの特徴や治療方法について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:そばかすとシミの違いを徹底解説|原因・見分け方・効果的な予防と治療法
炎症後色素沈着

炎症後色素沈着は、ニキビや虫刺され、傷などが治った後、その部分に茶色や黒っぽい色が残っている場合に疑われる色素沈着です。
炎症が起きた場所に沿って色が残るため、「以前ニキビがあった場所だけ茶色くなっている」「傷が治った後に跡が残っている」といった場合は、炎症後色素沈着の可能性が高いです。
炎症後色素沈着は、炎症によって肌の中でメラニンが多く作られ、それが残ることで生じます。レーザー治療後に一時的に現れる「戻りジミ」も炎症後色素沈着の一種です。時間とともに自然に薄くなるケースが多い一方、早く改善したい場合は美容皮膚科で治療を受けられます。
ADM

ADMは、頬やこめかみなどに青みがかった灰色〜褐色の色素斑が現れるシミです。
20〜30代から発症することが多く、30代までに発症するケースが9割以上を占めるとされています。ADMは、20代でシミやそばかすに悩む人のおよそ10人に1人にみられます。
若い年代から頬やこめかみに灰色がかったシミがある場合は、ADMの可能性があります。
ただし、肝斑やそばかすと見た目が似ているため、自己判断で見分けるのは難しいタイプです。治療法も異なるため、シミの種類を正確に診断できる医師に相談することが大切です。ADMの見分け方や治療方法について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:ADM(後天性真皮メラノサイトーシス) とは?シミの特徴から治療法まで解説
脂漏性角化症

脂漏性角化症は、加齢とともに増えやすい良性の皮膚腫瘍で、茶色や黒っぽい盛り上がりとして現れます。平らなシミと違い、表面にざらつきや盛り上がりを伴う点が見分けるポイントです。見た目がシミに似ているため放置されがちですが、悪性の腫瘍と紛らわしいこともあるため、気になる隆起があれば医師の診察を受けましょう。治療には後述する液体窒素による凍結療法などが用いられ、疾患としての性質上、皮膚科でも対応可能です。
シミ取りで保険適用になるケース
シミ取りで保険適用になるのは、太田母斑や異所性蒙古斑など、治療が必要な皮膚疾患やあざの場合です。下記より詳細を説明いたします。
保険適用になるシミ・あざ

保険適用になるのは、画像のような太田母斑や異所性蒙古斑、扁平母斑など、保険診療の対象となるあざや皮膚疾患です。一方、老人性色素斑や肝斑、そばかすなどは医学的な名称があるものの、健康上の治療ではなく、見た目の改善を目的とする場合は保険適用になりません。つまり、「診断名があるか」ではなく、「保険診療の対象となる疾患か」が違いのポイントです。
自由診療になるシミ

老人性色素斑や肝斑、そばかすなど、一般的なシミを美容目的で改善する治療は自由診療です。
健康保険は使えず、治療費は全額自己負担となります。ただし、美容皮膚科では、シミの種類や状態に合わせてレーザーや光治療、内服薬・外用薬などを選択できるため、症状を抑えるだけではなく、肌質自体を改善することができます。
皮膚科で受けられるシミ治療
皮膚科は、診断された皮膚疾患に対する治療が中心です。同じ「シミに見える症状」でも、原因によって受けられる治療は異なります。
レーザー治療
皮膚科のレーザー治療は、太田母斑や扁平母斑など、保険診療の対象となるあざや皮膚疾患に対して行われます。Qスイッチルビーレーザーなどを使い、色素にレーザーを照射して薄くします。治療時は輪ゴムで弾かれるような痛みを感じることがあり、照射後は赤みや腫れ、かさぶたが生じます。かさぶたは1〜2週間程度続くことがあり、見た目のダウンタイムが長い点も考慮する必要があります。
また、1回で終わるとは限らず、3〜6か月に1回程度の間隔で複数回の治療が必要になる場合があります。ただし、老人性色素斑や肝斑などの一般的なシミには保険診療のレーザーは適用されません。診断の結果、保険診療の対象外であれば、美容皮膚科で自由診療の治療を受けることになります。
液体窒素による治療
液体窒素による治療は、脂漏性角化症など、盛り上がった病変を凍らせて取り除く治療です。
治療時は強い冷たさやピリピリした痛みを感じることがあり、治療後には水ぶくれやかさぶたができる場合があります。かさぶたが剥がれるまでには1〜2週間程度かかることがあり、治療後に一時的な赤みや色素沈着が残る点もデメリットです。
内服薬・外用薬
皮膚科で処方される内服薬・外用薬は、炎症や感染症など、診断された疾患の原因を治療する目的で使われます。薬の種類や使用期間は診断内容によって決まり、美容目的での美白薬の処方は基本的に対象外です。
美容皮膚科で受けられるシミ治療
美容皮膚科では、シミの種類や広がりに合わせて適した治療法を選択します。はっきりしたシミにはシミ取りレーザー、肝斑にはレーザートーニング、そばかすや広範囲の色ムラにはIPLなど、シミによって向いている治療は異なります。下記でそれぞれの特徴やメリットを比較し、自分のシミに合う治療を確認しましょう。
シミ取りレーザー
| シミの種類 | 老人性色素班・そばかす・ADM |
|---|

シミ取りレーザーは、老人性色素斑など、輪郭のはっきりしたシミをピンポイントで改善したい方に最も向いている治療法です。
シミ取りレーザーは、気になるシミだけを狙って照射でき、1回の治療でも変化を実感しやすい点がメリットです。なかでもピコレーザーは、肌への熱ダメージを抑えやすく、高い効果と少ないダウンタイムを両立しやすいレーザーのためおすすめです。
照射後は赤みやかさぶたが生じることがありますが、かさぶたは7〜14日ほどで自然に剥がれます。しかし、肝斑に強いレーザーを照射すると悪化する場合があるので医師の判断に従いましょう。ピコレーザーについて詳しくは関連ページをご覧ください。
レーザートーニング(ピコトーニング)
| シミの種類 | 肝斑・くすみ |
|---|

レーザートーニングは、肝斑や顔全体のくすみ、色ムラを改善したい方に向いています。こちらもピコレーザーのトーニングモードがおすすめです。
レーザートーニング(ピコトーニング)は、肝斑の治療に用いられる代表的なレーザー治療で、シミを1か所だけ取るのではなく、顔全体の色ムラを少しずつ整えられることがメリットです。
ただし、メラニンが強く出ている状態で無理に照射すると、刺激によって肝斑が悪化する場合があります。そのため当院では、まず内服薬で肝斑の状態を落ち着かせてから、レーザートーニングで色ムラを整える治療を行っています。肝斑は状態に合わせて治療を進めることがポイントです。ピコトーニングの効果について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:ピコトーニングの効果はいつから?回数・経過の目安を解説
光治療(IPL)
| シミの種類 | 薄い広範囲なシミ・そばかす・くすみ・赤み・毛穴の広がり |
|---|

光治療(IPL)は、画像のような薄いシミやそばかす、くすみなど、顔全体に広がる色ムラを改善したい方におすすめです。
シミだけでなく、赤みや毛穴など複数の肌悩みに同時にアプローチできる点がメリットです。
特に「ライムライト」は、日本人の肌質や色調を考慮して開発された医療用の光治療機器で、幅広い肌悩みに対応できます。
IPLはエステでも使用されていますが、ライムライトは医療機関で医師の管理のもと使用する機器です。肌状態を確認しながら適切な出力で照射できるため、おすすめの機器です。
ピーリング
| シミの種類 | 炎症後色素沈着・くすみ |
|---|

ピーリングは、くすみや炎症後色素沈着など、肌全体の色ムラを整えるための土台作りとして重要な治療です。
薬剤によって古い角質を取り除き、肌の状態を整えます。レーザーやIPLのように1回で大きな変化を出す治療ではありませんが、他の治療と組み合わせやすく、肌全体をケアできる点がメリットです。シミだけでなく、くすみやニキビなど複数の肌悩みをまとめてケアしたい方にも向いています。詳しい効果や他治療との併用のメリットは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミ取りにピーリングは効果的?原因別の最適治療と注意点を解説
内服薬・外用薬

内服薬・外用薬は、肝斑や炎症後色素沈着など、シミの原因に合わせて内側・外側からアプローチする治療です。
ピーリングやレーザーなどの治療が、いわば「表面に見えているシミを整える」役割だとすると、内服薬は「草を刈るだけでなく、土の中にある根にも働きかける」ような役割があります。トラネキサム酸やハイドロキノンなどを使用し、シミの改善や再発予防を目指せる点がメリットです。
また、レーザーやIPLのように施術を受ける必要がなく、自宅で継続できることも特徴です。ただし、薬の種類によって使用期間や注意点が異なるため、医師の診察を受けて自分のシミに適した薬を選ぶことが大切です。内服薬の役割や効果について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミ取り内服薬の効果を専門医が解説|トラネキサム酸・シナールの正しい選び方と副作用
シミ取り治療後の注意点
シミ取り後は、紫外線や摩擦などの刺激を避け、照射部位をこすったりかさぶたを剥がしたりしないことが重要です。特にレーザー後は一時的に赤みやかさぶたができるため、治療法に合わせたケアが必要です。ここでは、治療後に自宅でできる具体的な注意点を解説します。
紫外線対策を徹底する

シミ取り後は紫外線による色素沈着を防ぐため、SPF30〜50+・PA+++〜++++の日焼け止めを使用し、屋外では2時間程度を目安に塗り直してください。
汗をかいたり、タオルで拭いたりした場合は早めに塗り直します。帽子や日傘も併用し、照射部位に強い紫外線が当たらないようにしましょう。紫外線とシミの関係について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:日焼けでシミができる?仕組みと正しい予防・ケア方法
肌への摩擦を避ける

シミ取り後の肌は刺激を受けやすいため、洗顔やクレンジングで照射部位をこすらないことがポイントです。
洗顔料はよく泡立て、指の腹でやさしく洗ってください。洗顔後はタオルでこすらず、肌に軽く押し当てて水分を拭き取ります。スキンケアやメイクも、照射部位に刺激を与えないようやさしく行いましょう。シミ取り後のアフターケアについて詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
かさぶたを無理にはがさない

レーザー後のかさぶたは、無理に剥がさず自然に剥がれるまで触らないでください。
かさぶたを剥がすと傷になったり、色素沈着が残ったりする原因になります。治療後に軟膏や保護テープを使用するよう指示された場合は、自己判断で外したり中止したりせず、医師の指示に従ってください。かさぶたの経過や取れる目安について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミ取り後のかさぶたはいつ取れる?経過・日数・注意点を解説
赤みや色素沈着が続く場合は受診する

治療後に赤みや色素沈着が徐々に薄くなっている場合は、経過を確認しながら様子を見ても大丈夫です。
一方で、赤みや腫れが強くなる、水ぶくれが広がる、痛みやかゆみが強い、色素沈着が濃くなり続けるといった変化がある場合は、自己判断せず施術を受けた医療機関へ相談してください。治療後の経過には個人差があるため、気になる症状があれば早めに確認することが大切です。
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当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくシミの種類をチェックいたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
まとめ
シミ取りは、一般的なシミなら美容皮膚科、太田母斑など保険診療の対象となるあざや皮膚疾患なら皮膚科で治療できます。重要なポイントは以下の通りです。
・老人性色素斑や肝斑、そばかすなどは美容皮膚科で治療する
・シミの種類によって、レーザーやレーザートーニング、IPLなど適した治療が異なる
・治療後は紫外線や摩擦を避け、かさぶたを無理に剥がさない
・赤みや腫れ、痛みなど気になる症状があれば医療機関へ相談する
「自分のシミがどの種類なのか分からない」「どの治療が合っているのか知りたい」という方は、医師の診察を受けることで適した治療を選びやすくなります。当院ではVISIA肌診断などを活用し、シミの状態を確認したうえで治療をご提案しています。シミでお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
このページの監修医師

記事医師監修
土屋 皓大
ハートライフクリニック院長
・日本形成外科学会認定専門医
・日本医師会認定産業医
・乳房インプラント責任医師
・臨床研修指導医
・日本形成外科学会
・日本形成外科学会(JSAPS)
・日本美容皮膚科学会
・日本創傷外科学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会




