酒でニキビができる理由と肌荒れ対策

お酒を飲んだ翌日に限って、ニキビが増えている気がする。そんな経験はありませんか?
実際ニキビとお酒が関係あると思っていても、「本当にお酒が原因なのか」「何に気をつければよいのか」がわからず、対策できずに悩んでいる方も少なくありません。そこで今回は、お酒がニキビにつながる仕組みをはじめ、お酒の種類ごとの注意点や、肌荒れを防ぐ飲み方、飲酒後のスキンケアまでわかりやすく解説します。
酒がニキビの原因になる理由とは?
お酒がニキビの原因になる理由として、飲み方やお酒の種類によっては肌の状態が乱れ、ニキビができやすい環境になることが挙げられます。
糖質の摂りすぎや栄養バランスの変化、水分不足など、複数の要因が重なることで肌トラブルにつながってしまいます。ここからは、お酒がニキビに影響すると考えられる主な理由を順番に解説します。
糖質の多いお酒を飲むことで皮脂を増やすから

ビールや日本酒、甘いチューハイなど、糖質の多いお酒を好んで飲む方は、ニキビができやすくなる可能性高いです。
これらのお酒に含まれる糖質は、血糖値を上昇させてインスリンの分泌を促します。その結果、皮脂腺が刺激されて皮脂の分泌が増え、毛穴が詰まりやすくなることでニキビにつながると考えられています。
糖質はニキビが促しやすくすることは研究でも実証されています。実際に、2007年にあった臨床試験によると、糖質の吸収が緩やかな食事を12週間続けたグループは、通常の食事を続けたグループと比べて、ニキビの総数が51%減少(対照群31%減少)、炎症性ニキビが45%減少(対照群23%減少)しました。この結果からも、糖質の摂り方はニキビの発症や悪化に影響する可能性が示されています。
そのため、お酒を楽しみたい方は、ビールや日本酒、甘いチューハイやカクテルばかりを選ぶのではなく、糖質がほとんど含まれない焼酎やウイスキー、ジン、ウォッカなどの蒸留酒を選ぶことも、ニキビや肌荒れを防ぐための工夫の一つです。
参照文献:
・Smith RN, Mann NJ, Braue A, et al.
・A low-glycemic-load diet improves symptoms in acne vulgaris patients: a randomized controlled trial
・American Journal of Clinical Nutrition. 2007;86(1):107-115.
・DOI: 10.1093/ajcn/86.1.107
肝臓がアルコール分解を優先し体調が乱れるから

ほぼ毎日お酒を飲む方や、休肝日を設けずに飲酒を続けている方は、肝臓への負担が大きくなり、肌のコンディションを崩しニキビ発症のリスクを高めます。
肝臓はアルコールを分解するだけでなく、栄養の代謝や老廃物の処理など、体を正常に保つ重要な役割を担っています。
しかし、飲酒後はアルコールの分解が最優先となるため、本来の働きに負担がかかってしまいます。この状態が続くと、肌のターンオーバーに必要な代謝にも影響する可能性があり、ニキビが治りにくい肌環境につながることがあります。
飲酒の機会が多い方は、週に1~2日は休肝日を設けるなど、肝臓を休ませることも肌の健康を保つポイントです。
ビタミンB群がアルコール分解に必要

肝臓がアルコールを分解する過程では、ビタミンB群が使われます。
ビタミンB2には皮脂の分泌を整える働き、ビタミンB6には肌のターンオーバーを支える働きがあるため、アルコール代謝で消費されることで、肌の健康を保つために使える量が不足しやすくなります。その結果、先ほど説明させていただいたように皮脂のバランスが乱れ、ニキビができやすい肌環境につながる可能性があります。
また、ビタミンB群は体内に蓄えにくい水溶性ビタミンです。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、毎日の食事から継続して摂取することが推奨されています。そのため、飲酒の機会が多い方は、豚肉やレバー、まぐろ、かつお、卵、納豆など、ビタミンB群を多く含む食品を意識して取り入れ、不足を補うことがニキビや肌荒れの予防につながります。
睡眠の質を下げるから

お酒を飲むと眠くなるため「よく眠れた」と感じる方もいますが、実際には眠りが浅くなり、肌の回復に欠かせないレム睡眠が乱れやすくなります。その結果、肌のターンオーバーが十分に行われず、ニキビが治りにくい肌環境につながる可能性があります。
実際に、2024年に27件の研究をまとめた論文では、標準的な飲酒2杯程度からレム睡眠の乱れが認められ、飲酒量が増えるほど睡眠への影響も大きくなることが報告されています(画像参照)。
当院でも、お酒を飲む機会が多くニキビに悩む方は、就寝時間が遅く睡眠時間が不足しているケースが少なくありません。特に皮脂分泌が多いTゾーン(鼻や額)は毛穴が詰まりやすく、睡眠不足が続くと鼻周りを中心にニキビを繰り返しやすくなる傾向があります。ニキビを予防するためには、ビールなら350mL缶1本程度、日本酒なら1合程度を目安にし、就寝2~3時間前までに飲み終えることを心がけましょう。
アルコールの利尿作用が水分不足と乾燥を招く

お酒の利尿作用によって体の水分が失われると、肌が乾燥し、ニキビができやすくなる可能性があります。アルコールには尿の量を増やす働きがあるため、飲酒後は体内の水分が不足しやすくなります。水分不足が続くと肌の乾燥が進み、バリア機能が低下することで外部刺激を受けやすくなり、皮脂の分泌も乱れて毛穴が詰まりやすくなります。
アルコールには抗利尿ホルモンの働きを抑えて尿量を増やす作用があることも知られています。そのため、お酒を飲む際はアルコール1杯につきコップ1杯(約200~250mL)の水を一緒に飲み、飲酒後もこまめに水分補給を行うことが、肌の乾燥やニキビ予防につながります。
当院の患者さまでお酒でニキビができやすい方の特徴

当院でお酒とニキビのお悩みで相談される患者さまで多いのは、お酒そのものよりも、飲酒に伴う生活習慣の乱れが重なっているケースが多く見られます。
特に、仕事上の付き合いや接待などで飲酒の機会が多い方は、帰宅が遅くなり、「メイクを落とさずに寝てしまった」り、「コンビニや外食など塩分や脂質が多い食事に偏った」り、「睡眠時間が不足したりする」ことが少なくありません。こうした要因が複合的に重なることで皮脂分泌が増え、毛穴に皮脂や古い角質が詰まりやすくなります。
その結果、皮脂腺が多いTゾーン(額や鼻)は特に毛穴が詰まりやすく、鼻周りやおでこに繰り返しニキビができて来院される方を多く見受けます。
酒によるニキビ以外の肌荒れ
酒の飲みすぎは、ニキビだけでなく肌全体の見た目にも影響します。赤みやくすみなど、飲酒後に起こりやすい変化を押さえておきましょう。
赤みやかゆみ

アルコールには血管を広げる作用があり、飲酒中や飲酒後に顔が赤くなったり、ほてりを感じたりすることがあります。体質によっては軽いかゆみを伴う場合もあります。頻繁に赤みが出る方は、飲酒量や酒の種類を見直すサインと捉えましょう。
くすみやシワ

飲酒量が多い日が続くと、睡眠不足と乾燥が同時に起こります。肌のターンオーバーが乱れることで古い角質が残りやすくなり、ニキビ以外にも肌が暗く見えたり、小ジワが目立ってしまいます。
肌のごわつき

飲酒後は、ニキビだけでなく肌のごわつきを感じることがあります。アルコールによる利尿作用で肌が乾燥しやすくなることに加え、睡眠の質が低下すると肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が肌表面に残りやすくなるためです。
肌がごわついているサインとしては、「化粧のりが悪い」「スキンケアが浸透しにくいと感じる」「肌を触るとざらつく」「以前より肌がくすんで見える」などが挙げられます。
ニキビ肌の方が気をつけたい酒の種類
ニキビが気になる方は、お酒の種類にも気を配ることが大切です。
これまでご紹介したように、お酒は種類によって糖質量が異なり、皮脂分泌や肌への負担にも違いがあります。特に、ビールや日本酒、甘いカクテルなどは糖質が多く、飲む機会が多い方ほどニキビにつながる可能性があります。一方で、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は糖質がほとんど含まれていないため、比較的選びやすいお酒といえます。次に、それぞれのお酒の特徴や、ニキビが気になる方が選ぶ際のポイントを詳しく解説します。
ビールや日本酒

先ほど説明させていただいたように、ニキビが気になる方は、ビールや日本酒を習慣的に飲む方は注意が必要です。
これらは先ほど説明させていただいたように、原料由来の糖質が残る醸造酒であるため、糖質を多く含んでいるためニキビの発症リスクが高くなります。文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、ビールは100mLあたり約3.1g、日本酒は約3.6~4.9gの糖質を含みます。ニキビが気になる方は、ビールなら乾杯の350mL缶1本程度、日本酒なら1合程度を目安にするとよいでしょう。
カクテルや梅酒

ニキビが気になる方は、カクテルや梅酒はビールや日本酒以上に注意したいお酒です。これらのお酒には砂糖やシロップなどの糖類が加えられているものが多く、糖質量が非常に高いため、皮脂分泌を促しやすくなる可能性があります。文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、梅酒は100mLあたり約21.7gの糖質を含み、ビール(約3.1g)や日本酒(約3.6~4.9g)の5倍以上に相当します。甘くて飲みやすいため、気づかないうちに何杯も飲んでしまいやすい点も注意が必要です。
焼酎やウイスキー

ニキビが気になる方は、お酒を飲むなら焼酎やウイスキー、ジン、ウォッカなどの蒸留酒を選ぶのがおすすめです。
蒸留酒は製造過程で糖質がほとんど取り除かれるため、皮脂分泌につながる糖質を抑えやすい特徴があります。一方で、アルコール度数が高いため、飲み過ぎると睡眠の質の低下や脱水、ビタミンB群の消費など、これまでご紹介したような肌への影響は避けられないので注意しましょう。
肌荒れを防ぐ酒の飲み方
酒を完全にやめなくても、飲み方を少し見直すだけで肌への負担は着実に減らせます。今日から実践できる工夫を紹介します。
飲む量と頻度を減らす

ニキビを予防したい方は、お酒の量だけでなく、飲む頻度も見直しましょう。
飲酒量や飲酒日が増えるほど、これまでご紹介した皮脂分泌の増加やビタミンB群の消費、睡眠の質の低下、肌の乾燥などが重なり、ニキビができやすい肌環境につながる可能性があります。
そのため、毎日のように飲む習慣がある方は、まずは週に1~2日の休肝日を設けることから始めてみましょう。
また、ビールなら350~500mL程度、日本酒なら1合程度を目安にし、「今日は1杯だけ」と決めて飲むことも、肌への負担を抑えるポイントです。少しずつ飲酒量と頻度を減らすことが、ニキビや肌荒れの予防につながります。
水をこまめに飲む

ニキビを予防したい方は、お酒だけでなく水も一緒に飲むことを習慣にしましょう。アルコールには利尿作用があるため、飲酒中は体内の水分が失われやすく、肌の乾燥やバリア機能の低下につながる可能性があります。そのため、お酒1杯につきコップ1杯(約200~250mL)の水を目安に飲むのがおすすめです。水をこまめに飲むことで脱水を防ぎやすくなるだけでなく、飲酒量を自然に抑えられるメリットもあります。飲食店では最初の注文でチェイサーや水を一緒に頼み、帰宅後にもコップ1~2杯の水を飲むことを習慣にすると、翌日の肌への負担を軽減しやすくなります。

当院で肌荒れやニキビのお悩みを相談される患者さまの中には、お酒を飲むタイミングで水を飲む習慣がない患者さまが少なくありません。こうした方は飲酒後に肌の乾燥やつっぱり感を訴えることも多く、水分補給を意識するだけで翌日の肌の調子が改善したと話されるケースもあります。
脂質や糖質の多いおつまみを控える

ニキビを予防したい方は、お酒だけでなく、おつまみの選び方も意識しましょう。
唐揚げやフライドポテト、ピザ、〆のラーメンなどは脂質や糖質が多く、お酒と一緒に摂ることで皮脂分泌が促され、毛穴が詰まりやすくなる可能性があります。
当院でも、飲み会が多くニキビに悩む方は、揚げ物や〆の炭水化物に加え、味の濃いおつまみや加工食品など塩分の多い食事が続き、栄養バランスが偏っているケースをよく見受けます。居酒屋では、枝豆や冷奴、刺身、焼き鳥(塩)、海藻サラダなどを最初に選ぶことで、脂質や糖質を抑えながら、たんぱく質やビタミンB群も補いやすくなります。
朝まで飲まない

ニキビを予防したい方は、朝まで飲み続けることは避けましょう。
長時間の飲酒はアルコール摂取量が増えるだけでなく、帰宅後にメイクを落とさず寝てしまったり、スキンケアを省略したりする原因にもなります。
また、就寝時間が遅くなることで睡眠時間も不足しやすくなり、肌が十分に回復できません。飲み会の日は「23時まで」「終電で帰る」などあらかじめ終了時間を決め、帰宅後は洗顔・保湿を済ませてから就寝することを心がけましょう。
ニキビ跡が気になる時期は特に酒量を控える

赤みのあるニキビ跡が気になる時期は、普段より飲酒量を控えることをおすすめします。
アルコールには血管を拡張する作用があるため、飲酒後は顔が赤くなりやすく、炎症後の赤み(赤いニキビ跡)が一時的に目立つことがあります。ニキビ跡の治療中ならなおさら、治療効果を高めるためにも、治療期間中や赤みが残っている間は、飲酒の頻度や量を控えめにすることを心がけましょう。
酒を飲む日のスキンケア
お酒を飲んだ日は、アルコールの影響で肌が乾燥しやすくなるだけでなく、皮脂や汚れも残りやすい状態になります。そのまま寝てしまうと毛穴詰まりや肌荒れを招き、ニキビが悪化する原因になることがあります。そのため、飲酒後は普段以上にスキンケアを丁寧に行い、肌を清潔に保ち、十分な保湿と睡眠を意識することが大切です。ここでは、お酒を飲んだ日に実践したいスキンケアのポイントを順番に解説します。
帰宅後はすぐにメイクや汗を落として洗顔する

お酒を飲んだ日は、帰宅したら最初にメイクや汗を落とし、洗顔を済ませましょう。「少し休んでから」「あとで洗おう」と思ってソファやベッドで横になると、そのまま眠ってしまう方は少なくありません。
メイクや皮脂、汗、ほこりが肌に残った状態が続くと、毛穴詰まりを起こし、ニキビや肌荒れにつながる可能性があります。
時間がない日でも、洗顔料をよく泡立ててやさしく洗い、ぬるま湯で30秒ほど丁寧にすすぐことを心がけましょう。
洗顔のあとは保湿でうるおいをしっかり補う

お酒を飲んだ日は、洗顔だけで終わらせず、すぐに保湿まで行いましょう。
洗顔後の肌は水分が蒸発しやすく、そのまま放置すると乾燥が進み、肌のバリア機能が低下してニキビや肌荒れにつながる可能性があります。保湿剤は、毛穴を詰まりにくくするノンコメドジェニックテスト済みの製品を選ぶと、ニキビができやすい方でも安心して使用することができます。また、赤みや炎症がある場合は、美容成分を多く含むものよりも、アルコールや香料などをできるだけ含まないシンプルな処方の保湿剤がおすすめです。スキンケアについて詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:ニキビのスキンケアの正しい方法とは|皮膚科医が教える治療・成分・生活習慣の全知識
睡眠時間を確保する

お酒を飲んだ日こそ、7~8時間を目安に睡眠時間を確保しましょう。
睡眠時間が不足すると、これまでご紹介したように飲酒による肌への影響が重なり、翌日の肌コンディションが乱れやすくなります。睡眠の質を保つためには、できるだけ毎日同じ時間に就寝・起床することが大切です。また、お酒は就寝直前ではなく、寝る2~3時間前までに飲み終えることを意識しましょう。飲み会の日も帰宅時間をあらかじめ決め、日付が変わる前後には就寝できるようにすると、翌日の肌への負担を抑えやすくなります。
飲酒後にやってはいけないスキンケアがある
飲酒後は判断力が鈍りやすく、普段はしないケアの失敗をしてしまうことがあります。以下は避けたい行動です。
熱いお湯を使った洗顔や過度な摩擦は避ける
火照った肌を落ち着かせようと熱いお湯で洗顔すると、必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥が進みます。洗顔はぬるま湯(32〜34度程度)を使い、こすらず泡で包み込むように洗うことが基本です。
市販薬やピーリングの自己判断使用は避ける
赤みやニキビが気になるからといって、自己判断で強めのピーリング剤や複数の市販薬を重ねて使うと、肌のバリア機能をさらに傷つける場合があります。症状が続くときは、自己判断でケアを重ねる前に相談することをおすすめします。
まずは無料カウンセリングを

\ニキビでお困りの方へ/
当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくニキビの状態や種類をチェックいたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
まとめ
酒は、糖質・肝臓・ビタミンB群・睡眠・水分という複数の経路を通してニキビに影響します。付き合いを完全に断つ必要はなく、純アルコール量の目安を意識し、水を挟みながら飲み、帰宅後は洗顔と保湿を丁寧に行うだけでも、肌への負担は着実に減らせます。それでもニキビを繰り返す場合は、肌質そのものを見直すタイミングです。まずは肌の状態を確認するところから、次の一歩を踏み出してみてください。
このページの監修医師

記事医師監修
土屋 皓大
ハートライフクリニック院長
・日本形成外科学会認定専門医
・日本医師会認定産業医
・乳房インプラント責任医師
・臨床研修指導医
・日本形成外科学会
・日本形成外科学会(JSAPS)
・日本美容皮膚科学会
・日本創傷外科学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会




