口周りニキビが治らない理由と改善のコツ

当院には毎日ニキビでお悩みの患者さまが来院されます。なかでも、口周りのニキビが治らず繰り返す20〜30代の患者さまが多いです。
そこで今回は、口周りニキビの原因を整理し、今日から始められる洗顔・保湿・マスク対策、ニキビ跡を残さないケア、受診の目安まで解説いたします。
口周りニキビの早期改善方法は?

口周りニキビを早く改善する1番のポイントは「洗いすぎをやめてしっかり保湿し、摩擦と触る習慣を減らす」ことです。
口周りはマスクやタオルのこすれが多く、乾燥しやすいため刺激が重なるとニキビが悪化します。まず、ゴシゴシ洗顔やクレンジングをやめ、泡で優しくなでるだけにしましょう。次に、洗顔後すぐ乳液やクリームを薄く塗り、「つっぱらない」しっとり感を保ってください。さらに、マスクは大きすぎず頬や口元がこすれないものを選びます。こうした優先順位でケアすれば、1週間ほどで変化を感じられます。
口周りニキビができる原因
口周りニキビはホルモン変動、ストレス、摩擦、化粧品、食事、髭剃りの6つが重なりやすいのが特徴です。一つだけなら治りやすいですが、これらが絡むことで繰り返しニキビができてしまうのが特徴です。例えば、濃いメイクのクレンジング残りや脂っこいラーメン続き、髭剃りの刺激も悪化要因です。自分の生活にどれが当てはまるか確認すれば、対策が見えてきます。
ホルモン変動

口周りニキビがホルモン変動で増えるのは、生理前1週間ほどに皮脂がドバっと出て毛穴が詰まりやすくなるからです。毎月同じ時期、同じ場所にポツポツできる人はこれが当てはまります。例えば、排卵後やストレスでホルモンバランスが揺らぐと、皮脂腺が活発になり、普段より油っぽくなってニキビの元が溜まりやすくなります。
こうした流れを止めるには、まずカレンダーに「ニキビが出た日」をメモしてパターンをつかみましょう。睡眠を7時間以上確保し、夜更かしを避けるのも効果的です。それでも生理前にひどく腫れる場合は、皮膚科でホルモン検査やピルの相談をしましょう。早めに行動すればニキビが繰り返しできることを減らすことができます。
ストレスと寝不足

ストレスや睡眠不足が続くと、皮脂の分泌が乱れ、肌の回復力が落ちて口周りニキビができやすくなります。さらに冷えで血の巡りが悪くなると、古い角質が溜まり毛穴の詰まりを悪化させてしまいます。夜更かしが続く、連勤で疲れが溜まる、緊張する仕事が重なるというときにニキビができる人はこれに当てはまります。
例えば、深夜までスマホを見て寝不足になると、翌朝口元が油っぽくポツポツ出てくる経験はありませんか?
これは、ストレスホルモンが皮脂を増やし、肌の生まれ変わりが遅れるためです。
対策としては就寝時間を毎日23時固定にし、湯船で体を温めて血行を良くしましょう。カフェインは午後3時以降控え、代わりにハーブティーを飲む習慣もおすすめです。これで1週間ほどで変化が出やすくなります。ストレスニキビについて詳しく知りたい方は以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:ストレスニキビの原因とは?場所別の特徴と正しい治し方
触るくせと頬づえ

触るくせと頬づえも口周りのニキビを発症させる原因です。
口周りニキビが無意識の接触で悪化するのは、手指の汚れが毛穴に入り炎症を広げてしまうからです。会話中に口元を触る、頬づえをつく、スマホ画面を顔に近づける、マスク外側を触ってから口に当てるというパターンでニキビができる人はこれに当てはまります。
例えば、電話中に考え込んで頬を支えると、翌日その部分が赤く腫れる経験はありませんか?
こうしたクセが細菌を運び、ニキビを繰り返させます。改善策は外出後や食事前に手を洗う習慣を徹底し、触りそうになったら膝に手を置く姿勢を心がけましょう。スマホは顔から10cm離し、マスクは耳紐だけで調整しましょう。こうした工夫を行うことで炎症を早く引くことができます。
クレンジング残りとリップ

口周りのニキビはクレンジングの落とし残しやリップが毛穴を詰まらせて起こりやすいからです。
口元は笑ったり話したりで動きが多いため、ファンデーションやリップ、日焼け止めの境目に化粧が残りやすく、そこに皮脂が混ざって毛穴の詰まりを作ります。「メイクをサッと拭いただけの夜に、翌朝口角がザラつく」というパターンでニキビができる人はこれに当てはまります。例えば、忙しくてクレンジングを軽く済ませた翌朝、白いブツブツが目立つのはそのサインです。
こうした残りを防ぐには、まず綿棒で口周りのポイントを丁寧に落とします。次にクレンジングを手に取り乳化させてから優しく指でなでるように洗い、ぬるま湯を5回繰り返してすすぎましょう。タオルはポンポンと押さえるだけにします。リップはオイルフリーを選び夜は薄く塗るのがおすすめです。この習慣で口周りが1週間ほどでスッキリできます。
糖質と脂質が多い食事

糖質と脂質が多い食事も、口周りニキビを悪化させる大きな原因になります。
甘い物や揚げ物が続くと血糖値が急に上がり、皮脂が増えて毛穴が詰まりやすくなるためです。「夜中にアイスやポテトチップスを食べる」といったパターンでニキビが増える人はこれに当てはまります。
とはいえ、完全に禁止する必要はありません。甘い物や揚げ物は週に1〜2回までに抑え、普段の食事では鶏むね肉や魚、豆腐などのたんぱく質と、サラダや温野菜を一品足す意識を持つだけでも肌は変わります。例えば、夕食にブロッコリーを添えるだけでも変化を感じやすいです。
髭そりの刺激

髭そりの刺激も口周りニキビを起こしやすくします。髭剃りは口周りに小さな傷を作り、乾燥を招いて毛穴が弱くなり、皮脂や汚れが詰まりやすくなるからです。急いでカミソリで逆剃りをした際にニキビができたといったパターンの人はこれに当てはまります。
悪化を防ぐには、まずお湯で1分予洗いし、シェービングフォームをしっかり泡立ててから剃りましょう。また、カミソリより電動シェーバーに変えると傷が少なく済みます。剃った後はすぐに保湿ローションを塗り、しっとり感を保ってください。この方法を行うことで刺激が減り、ニキビが落ち着きやすくなります。
マスクの摩擦・乾燥

マスクの摩擦と乾燥も口周りニキビの大きな原因になります。マスクの中は蒸れて皮脂が増え、こすれで炎症が広がり、外すと急に乾燥する三重苦が毛穴を弱めます。マスクのゴムが緩くてずれて直すといったパターンでニキビができる人はこれに当てはまります。
対策としては、顔にフィットするサイズを選び、綿100%の柔らかい素材を使い、4時間ごとに交換しましょう。外せる場面では積極的に外し、口周りに保湿を塗って乾燥を防ぎます。この工夫で摩擦が減り、1週間ほどで肌が落ち着きますよ。
口周りニキビが跡になる流れ

口周りニキビは白ニキビから始まり炎症が進むほど跡が残りやすくなります。早期に正しくケアすればほとんど跡にならず、放置や触るNG行動で赤み・黄ニキビに移行すると色素沈着や凹みが残るリスクが高まります。各ニキビの段階ごとにNG行動やケア方法は異なり、これを続けると跡を防げます。次で詳しく見ていきましょう。ニキビの段階や種類で自分がどれに当てはまるかわからない方は以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:【写真付】ニキビの種類と見分け方を医師が徹底解説!
①白ニキビ

白ニキビは毛穴に皮脂や角質が詰まった初期のサインです。小さくて目立たないものの、触るとザラザラした感触があり、同じ場所にポツポツ増えていくのが特徴です。例えば、口角や鼻の下に白い米粒のようなものが並ぶのはこの段階で、放置すると赤く腫れ上がります。
この段階でやりがちな押し出しやスクラブ洗顔は絶対に避けましょう。毛穴の詰まりを無理に取ろうとすると炎症が広がり、跡の原因になります。代わりに低刺激の洗顔料で泡を優しく転がすように洗い、すぐに保湿クリームを薄く塗って乾燥を防ぎます。マスクや髪の摩擦も減らすと、1週間ほどで自然に治ることもあります。白ニキビについて詳細の原因や早く治す方法を知りたい方は以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:白いニキビは何が原因?正しいケア方法・早く治す習慣をまとめて解説
②赤ニキビ

赤ニキビは炎症が毛穴の周りに広がり始めた状態です。触るとジンジン痛み、赤みが周囲にじわじわ広がるのが特徴で、口周りだとマスクの擦れで一気に目立つようになります。例えば、昨日までザラザラだった白ニキビが朝起きたら赤く熱を持って腫れているのはこの段階です。
この時に絶対避けたいのは潰すこと、温かいタオルで温めすぎること、ゴシゴシ強い洗顔です。これらは炎症を深く広げ、次の段階の黄ニキビや跡の原因になります。
悪化を防ぐためには、清潔な手で触れず、低刺激の化粧水で冷やし、保湿を優しく塗りましょう。また、3日以上赤みや痛みが強くなる、腫れが広がる場合は皮膚科を受診してください。抗生物質で早く抑えられます。抗生物質についての詳しく知りたい方は以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:ニキビに抗生物質は効く?種類・効果・安全な使い方を徹底解説
③黄ニキビ

黄ニキビは膿が溜まって炎症が深く進んだ状態で、跡が残りやすい危険な段階です。白っぽい膿が見え、腫れが強く痛むのが特徴で、治っても茶色い色素沈着や凹みが残ることが多いです。例えば、口角にパンパンに張った黄色い袋ができ、押すと熱を持ってジンジン痛むのはこのサインです。
この段階では絶対に自分で触ったり潰したりせず、清潔を保って皮膚科へ早めに相談してください。炎症を抑えないと皮膚の奥まで傷つき、跡になってしまいます。また、一般皮膚科では抗生物質で炎症を止めることはできますがキレイに見た目を治療することはできないので、黄ニキビになったら美容皮膚科での治療が一番です。膿を抜いた後の凹みや色素沈着は美容皮膚科のレーザーやピーリングでなければ改善しにくいからです。黄ニキビの状態の詳細や治療方法について詳しく知りたい方は以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:黄色ニキビの原因と治し方、悪化を防ぐ正しいケア方法を解説
セルフケアで先にやること
口周りニキビのセルフケアは「洗顔→クレンジング→保湿→マスク対策→触らない」の順で進めると効果的です。共通のルールはこすらず洗いすぎず、保湿で肌を守ることです。今日から短期で変えられる行動だけに絞れば、1週間で変化が出やすくなります。
洗顔

口周りニキビの洗顔は1日2回を基本に、泡で優しくなでるようにしましょう。熱いお湯やゴシゴシこする、長時間洗いは肌のバリアを壊して乾燥を招き、かえって皮脂が増えて悪化してしまうのでNGです。
ポイントは泡を立てて指の腹で軽くなでるだけにし、生え際や口角のすすぎ残しに注意してください。シャンプーや歯磨き粉が残ると刺激になるので、ぬるま湯を3回優しく流しましょう。洗顔後すぐに保湿に移り、つっぱらないしっとり感を保てば肌が守られます。
クレンジング

口周りのクレンジングはポイントメイクが残りやすいので丁寧に行いましょう。リップやファンデの境目が毛穴を詰まらせる原因になります。
手順はまず綿棒でリップを先に落とし、クレンジング剤をたっぷり手に取って口周りに馴染ませます。30秒ほど置いて乳化させたら、指の腹で優しくなでるようにして短時間でぬるま湯で流しましょう。強くこすらず、量をケチらないのがコツです。タオルオフはポンポンと押さえるだけにしましょう。
保湿

口周りニキビの保湿は乾燥を止めることで皮脂の過剰分泌を抑え、毛穴の詰まりを防ぎます。乾燥すると肌が必死に油を出して悪循環になるので、洗顔後すぐに保湿するのが鉄則です。選び方としては低刺激でノンコメドジェニック(毛穴詰まりしにくい)と書かれたものを選びましょう。赤みがある時はシンプル処方にし、化粧水だけに絞って様子を見るのがおすすめです。クリームは米粒大を指で温めてから優しく伸ばせば、しっとり守れます。
マスク対策

マスクは蒸れと摩擦で口周りニキビを悪化させます。中がムレると皮脂が増え、ゴムや布のこすれで炎症が広がるからです。
対策は顔の形に合うサイズを選び、綿100%の柔らかい素材を使いましょう。マスクは4時間ごとに交換し、外せる場面では積極的に外しましょう。また、マスク内は保湿剤を薄くだけにし、塗りすぎるとムレて逆効果ですのでNGです。耳紐で調整して布が頬に密着しないようにすれば、摩擦が減り肌が落ち着きます。この工夫でニキビの進行を抑えられます。詳しい方法について気になる方は以前投稿した関連記事をご覧ください。
触らない工夫

口周りニキビに触ると手指の汚れが毛穴に入り炎症が広がるので、行動を変える工夫が欠かせません。
対策はデスクで手を膝に置くルールを作り、頬づえを思い浮かべたら「禁止」と声に出す合図を習慣にしましょう。スマホ画面はアルコールシートで毎日拭き、マスクの外側には絶対触れず耳紐だけで調整します。無意識を防ぐ仕組みとして、キーボード横に「口触らない」とメモを貼るのも効果的です。
皮膚科での治療

口周りニキビが自己流で長引くなら、皮膚科や美容皮膚科の治療が確実です。ただし、ニキビの症状によって保険適用でできる治療と美容皮膚科でないと治療ができないものがあるので、下記で詳しく説明します。
受診の目安
口周りニキビはセルフケアで2〜4週間変化がない、痛みや腫れが強い、同じ場所に繰り返す、黄ニキビが増える、跡が心配な場合は皮膚科を受診してください。例えば、洗顔や保湿を1ヶ月続けても赤みが引かず、触るとジンジン痛むなら炎症が深くなっています。黄ニキビが2個以上できたり、毎月同じ口角にポツポツ出るのもサインです。早めに相談すれば薬や光治療で抑えられ、色素沈着や凹みを防ぐことができます。放置すると治療が長引き後悔するので、迷ったらすぐ皮膚科の予約や美容皮膚科のカウンセリング予約をしましょう。
保険治療

保険治療は白ニキビから黒ニキビまでの初期から中等度の段階に効果的です。
コメドを溶かす外用薬と炎症を抑える抗菌薬を組み合わせ、毎日塗ることで毛穴の詰まりを解消します。使い始めは皮脂が減って肌がカサカサしたりピリピリしたりしやすいので、最初は1日1回から始め、化粧水でしっかり保湿してください。短期でやめずに2〜3ヶ月続けると再発が減ります。ただ、保険治療は薬物療法だけなので見た目までキレイになりにくく、黄ニキビなどの重症や繰り返しニキビは治せません。悪化したら美容皮膚科も検討してください。
美容皮膚科治療

美容皮膚科では重症ニキビや繰り返す場合に肌専門の治療が受けられ、キレイに治すだけでなくニキビができにくい肌質へ改善できます。保険薬でなかなか治らない時に選択肢が広がります。例えば、黄ニキビが何度も戻る人は薬だけでは限界があり、こうした治療で根本から整えられます。
大体3〜5回の通院(約半年~1年ほど)で口周りがツルッと整うケースが多いです。セルフケアと併用すればより早く改善することができます。
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まとめ
口周りニキビは乾燥・摩擦・生活習慣・ホルモンが重なりやすいのが治りにくい理由です。この記事で学んだように、白ニキビの段階でこすらない洗顔と保湿を徹底し、マスク摩擦を減らして触らない習慣を身につけましょう。ホルモンや食事の見直しも続け、2〜4週間で変化がなければ皮膚科を受診してください。保険薬で炎症を抑え、重症なら美容治療で肌質改善へ。こうした順番を守れば、跡を残さずきれいな口元に戻せますよ。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



