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ただのシミ?かゆみが出た時の原因とチェックポイント

ただのシミ?かゆみが出た時の原因とチェックポイント

先日、シミに関してご相談のあった患者さまから「シミのような部分にかゆみがあるのですが、これは本当にシミでしょうか?」というご質問をいただきました。 今回は、そのような“かゆみを伴うシミ”が実際にシミなのか、また、かゆみが出る原因や正しい対処法について解説します。

かゆいシミとは何か?

シミにかゆみが出るのは、シミそのものではなく、その部分の肌に炎症が起きている症状です。
紫外線や乾燥、摩擦などの刺激によってメラニンが増え、肌が弱った状態で炎症が加わると、かゆみが生じます。この炎症が続くとさらに色素沈着が進み、シミが濃く見える原因になります。

かゆみと色素沈着の関係

炎症後色素沈着の発症メカニズムと予防のポイント

炎症が起こるとかゆみが生じ、つい掻いてしまうことで、最終的に色素沈着を招くことがあります。
かゆみが続くと肌をかいて刺激を与え、さらにシミが濃くなる悪循環が生じます。掻きむしりや摩擦によって肌に小さな傷ができると炎症が起こり、肌を守ろうとする反応でメラニンが過剰に作られます。その結果、シミが濃く見えるようになってしまいます。

シミの種類と見分け方

シミの種類と見分け方

炎症とは別でかゆみがあるシミには注意が必要です。
一般的な「老人性色素斑」は平坦で茶色いシミで、かゆみは通常ありません。
しかし、このシミが進行して盛り上がると「脂漏性角化症(老人性イボ)」と呼ばれ、かゆみが出ることがあります。
脂漏性角化症の見分け方のポイントは、触るとザラザラしていて、かゆみや刺激を感じる場合はこの脂漏性角化症の可能性があります。軽度であれば良性の腫瘍ですが、かゆみが出てくる場合はまれに悪性に変わっている可能性もあるため、自分で判断せず皮膚科での診察をおすすめします。

関連記事:シミが盛り上がる原因とは?脂漏性角化症・日光角化症の見分け方と治療法を徹底解説

かゆみが出る主な原因

かゆみの原因には大きく3つの原因があります。
たとえば、先ほど説明した炎症が起きたことでかゆみがおきる「皮膚そう痒症や乾燥によるもの」やシミ自体に要因がある「脂漏性角化症」。他にも、「接触性皮膚炎」が挙げられます。これらはそれぞれ特徴や見分け方が異なり、詳しい内容について下記で説明いたします。

皮膚そう痒症・乾燥由来

皮膚そう痒症・乾燥由来のかゆみは、皮膚のバリア機能が低下することで炎症が起き、掻いてしまうことで色素沈着としてシミとして残ります
特に冬の乾燥した空気や頻繁な手洗いなどの外的要因と、加齢に伴う皮脂や汗の分泌減少という内的要因が重なると、皮膚の水分が失われやすくなります。その結果、肌が刺激に弱くなり、かゆみを感じやすくなります。乾燥によって皮膚の神経線維が表皮内まで伸びて敏感になり、わずかな刺激でもかゆみが起きるのです。かいてしまうことで、炎症が繰り返されると、皮膚の色素細胞(メラノサイト)が過剰に活性化されてメラニンが増え、炎症後色素沈着としてシミができてしまいます。こうした場合は、正しい保湿ケアが非常に重要で、症状の改善につながります。

脂漏性角化症

先ほど説明させていただいたように、脂漏性角化症は、紫外線や加齢の影響で悪化した老人性色素斑が変化したもので、かゆみを伴うことがあります。
基本的には痛みやかゆみはありませんが、衣服や帽子の摩擦などで炎症が起きると、赤みやかゆみが生じることがあります。たとえば、首元の脂漏性角化症が襟元でこすれてかゆくなるケースがよくあります。この状態は良性で悪性化はほぼありませんが、かゆみや炎症が続く場合は皮膚科への早期相談をしましょう。

接触性皮膚炎

接触性皮膚炎は化粧品や金属、汗、衣類の摩擦などの外的刺激で起きる皮膚の炎症です。この炎症が繰り返されると、乾燥と同様に炎症後色素沈着としてシミとして表れたように見えます。
例えば、金属アレルギーでネックレスの部分にかゆみや赤みが続き、その部位に茶色いシミが残ることがあります。原因となる刺激を避けることが色素沈着の予防に重要です。症状が悪化したり長引く場合は皮膚科の受診をおすすめします。

危険なサイン|受診すべき皮膚症状

危険なサイン|受診すべき皮膚症状

自己判断で放置せず、かゆみが2週間以上続く脂漏性角化症は要注意です。
特に、シミが急激に大きくなったり、色や形が変わった場合、出血や炎症がある時も専門医の診察を受けましょう。
さらに、2週間以内に急激に多数のイボが出現し、かゆみを伴う場合は内臓疾患のサインである可能性もあります。これらの症状は早期発見が重要なため、症状が持続する場合は1ヶ月以内に皮膚科を受診してください。

早期ケアと受診で肌を守る

早期ケアと受診で肌を守る

かゆみを伴うシミは、軽度の炎症から皮膚がんまで幅広いため、自己判断で放置せず早期に原因を見極めることが大切です。症状の持続や悪化は早期発見のチャンスを逃すため、迷ったら専門医に相談する姿勢が肌の健康を守ります

軽症から重大疾患まで幅広い

軽症から重大疾患まで幅広い

かゆいシミは、乾燥や摩擦など身近な刺激による軽い炎症から、メラノーマのような深刻な皮膚がんの可能性まで幅広く存在します。例えば、日常的な衣類の摩擦や汗、化粧品などが刺激となって炎症を引き起こすことがありますが、その一方で、黒くて形が不規則なシミや急激に大きくなるシミはメラノーマの疑いもあるため注意が必要です。こうした違いを見極め、油断せず皮膚科で早めに相談することが大切です。

自己判断しない理由

自己判断は見た目が似ているシミや肌トラブルを正確に判断するのが難しいため避けるべきです。
ネットの情報だけで決めつけると症状を見逃したり悪化させたりする恐れがあります。症状に変化があったり、不安が続く場合は必ず専門の医師に相談しましょう。放置すれば手遅れになる可能性もあるため、早めの診断が何より大切です。

【ポイント】
早期に専門機関に相談することは大切ですが、かゆみが起きても我慢せずにかいてしまうのは避けなければなりません。そこで、かゆみが出た時に自分でできるセルフケア方法をご紹介します。

自宅できる正しい対処法

かいてしまう刺激を避けることが何より大切です。
まずは、肌を冷やしてかゆみを和らげ、低刺激性の保湿剤でしっかり保湿を行いましょう。熱いお湯ではなくぬるま湯で優しく洗い、肌をこすらないよう注意してください。これらの初期ケアを徹底することで症状の悪化を防げます。具体的な方法について下記でご紹介します。

応急処置手順

応急処置手順

かゆみがある部分はまずかかずに、氷や保冷剤を布で包み、10〜15分程度優しく冷やしましょう。その後、ヒルドイドやワセリンなどの低刺激性保湿剤を薄く塗って保湿し、乾燥を防ぎます。患部を清潔に保つことが重要なため、ぬるま湯(約36〜38℃)で1分ほど優しく洗い、こすらず手のひらでなでる程度にとどめてください。これらの手順を守ることでかゆみの悪化を防ぎます。

やってはいけない4つの対応

かいてしまうこと以外にも、やってはいけない対応が全部で4つあります。そこで、正しいケアのために避けるべきNG事項について以下で説明します。

1.かきむしり

1つ目は最初からお話しているように「かきむしること」はNGです。
搔くことで皮膚の炎症が広がり、色素沈着やバリア機能の低下を招きます。物理的な刺激が皮膚をさらに傷つけるため、かゆみを感じても触れないよう意識することが大切です。

2.角質ケアのやりすぎ

2つ目は強い摩擦を伴う角質ケアのやりすぎです。
スクラブやゴシゴシ洗いは肌のバリア機能を低下させ、乾燥やかゆみ、さらにはシミの濃化を招く原因です。摩擦でメラノサイトが刺激されるとメラニン生成が促進され、色素沈着が進みやすくなります。肌への負担を避け、やさしい洗顔と適切な保湿が重要です。

3.民間薬の自己使用

3つ目のNG事項は、市販の民間薬を自己判断で使用することはです。
適応外のイボ薬や塗布剤を誤った方法で使うと、炎症を起こし悪化したり、色素沈着が残ることがあります。さらに、感染症やアレルギー反応を引き起こすリスクもあり、自分で薬を選ぶのは避けるべきです。必ず専門医に相談し、安全な治療を受けることが重要です。

4.強いピーリングの自己使用

最後は強いピーリングの使用です。
高濃度の酸や刺激性の強い成分を使った自己流のピーリングは、肌の炎症や赤み、ヒリヒリ感を悪化させるリスクが高く、敏感肌や肌トラブル時は特に避けるべきです。専門的な管理なしに行うと、肌のバリア機能が低下しシミや色素沈着も悪化しかねません。安全に行うためには、皮膚科で状態を診てもらい、適切な濃度や施術方法でのケアを推奨します。

まずは無料カウンセリング

VISIAを使用したカウンセリング

当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。正しくシミの種類をチェックするために目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、診断いたします。かゆみのあるシミが気になった方はまずは無料カウンセリングまでお越しください。

再発予防と日常ケア

せっかくシミがケアできても再発してしまっては再度治療が必要になってしまいます。シミとかゆみの再発予防には、日常的に紫外線、乾燥、摩擦を防ぐことなど日常のケアが必要です。再発予防と日常ケア方法を3つに分けてご紹介します。

紫外線対策

紫外線は肌のシミとかゆみの大きな原因のひとつです。日焼け止めを徹底しましょう
日焼け止めはSPF・PA値の高い製品を選び、外出30分前にムラなく適量を塗り、2~3時間ごとに塗り直すことが重要です。日傘や帽子も併用し、直射日光を防ぐことで肌ダメージを抑えられます。これらの継続的な遮光習慣がシミ予防や肌の健康維持に効果的です。

関連記事:日焼けが招くシミの原因と予防・改善法|紫外線対策から治療まで徹底解説

乾燥対策

乾燥対策の基本は、入浴後すぐに保湿を行うことです。
肌が乾燥しやすい季節は加湿器で室内湿度を50%前後に保つと効果的です。スキンケアは低刺激の化粧水や保湿クリームを使い、肌にやさしく丁寧になじませましょう。洗顔はぬるま湯で優しく行い、強い摩擦は避けることが乾燥予防の鍵です。これらの習慣が肌のバリア機能を維持し、かゆみ抑制にもつながります。

生活習慣

生活習慣でも重要なのは、「睡眠」「栄養」「ストレス管理」です。
良質な睡眠は肌回復に不可欠で、理想は6~7時間程度の連続睡眠です。栄養面ではビタミンCやE、亜鉛を含む食品(柑橘類、ナッツ、魚介類)を積極的に摂取しましょう。ストレス管理は難しいですが、簡単な気分転換や深呼吸、信頼できる人に話すことから始めましょう。無理せず、日常に取り入れやすい方法で体内環境を整えることが重要です。

まとめ

かゆいシミはさまざまな原因や種類があり、正しい理解と早期の対処が重要です。かゆみと色素沈着の関係や代表的なシミの種類を知り、症状に応じた対処が必要です。
主な原因には皮膚そう痒症や乾燥、接触性皮膚炎、脂漏性角化症があります。危険なサインがあれば早めの受診を。軽症から重篤疾患まで幅広く、自己判断せず専門医へ相談しましょう。自宅では刺激を避け冷却と保湿を徹底。かきむしりや過度な角質ケア、自己判断での薬使用・強いピーリングは避け、肌荒れ悪化を防ぎます。
再発予防には紫外線対策、乾燥防止、生活習慣の見直しが不可欠。日焼け止めや帽子、加湿、良質な睡眠や栄養、ストレス管理を習慣化し、美肌ケアへつなげましょう。症状に変化があれば速やかに受診をおすすめします。

このページの監修医師

ハートライフクリニック院長 渡邊雅人

記事医師監修

渡邊雅人

ハートライフクリニック院長

記事医師監修

渡邊雅人

ハートライフクリニック院長

日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医

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