ニキビは保湿が原因?悪化させない正しい保湿方法

保湿をしているのにニキビが増えると、「保湿が間違っているのでは」と不安になりますよね。患者さまでもそういった不安からご相談いただくことがあります。そこで、今回は、乾燥と皮脂のしくみを整理したうえで、ニキビを悪化させにくい保湿のポイントと今日から見直せる具体策をご紹介します。
保湿でニキビができる?乾燥と皮脂のしくみを整理
保湿そのものがニキビの原因になることは基本的にありません。
むしろニキビができる場合の多くは、保湿が足りず、肌の水分量が不足したり、うるおいを保てていない状態が続いています。その結果、乾燥を補おうとして皮脂が増え、毛穴づまりが起きやすくなります。ここから先では、乾燥がどのように皮脂分泌と毛穴づまりにつながるのかを整理し、ニキビができる流れを具体的に解説します。
保湿不足がニキビを繰り返す原因になる

保湿不足はかえってニキビの発症を促進してしまいます。
保湿を控えると、角層の状態が不安定になり、外からの刺激を受けやすくなります。すると、わずかな摩擦や化粧品の刺激でも赤みや炎症が起きやすくなり、ニキビが治りにくくなります。
また、保湿が足りない状態では、後ほど説明しますが、お肌が乾燥状態になってしまいます。その結果、ニキビの発症や悪化を促します。
つまり、ニキビを減らすには、皮脂を無理に抑えるよりも、まずお肌の乾燥状態をなくし、水分を潤わせることが重要です。保湿を続けて肌の状態が整うと、皮脂の出方も徐々に落ち着き、ニキビができにくい状態を作りやすくなります。
乾燥が皮脂分泌と毛穴づまりを招く

乾燥が進むと、肌は水分を守るために皮脂を多く出そうとします。この反応によって、乾燥しているのに皮脂だけが増える状態になりやすくなります。皮脂の量が増えると、古い角質と混ざり、毛穴の出口で詰まりやすくなります。
毛穴がふさがると、内部は空気が入りにくくなり、アクネ菌が増えやすい環境になります。これが、白ニキビから赤ニキビへ進みやすくなる流れです。
たとえば、洗顔後に何もつけずに10分以上放置すると、角層の水分は急速に減ります。この状態が毎日続くと、皮脂分泌が過剰になりやすく、毛穴づまりとニキビを繰り返しやすくなります。乾燥を放置するほど、皮脂と毛穴トラブルが起きやすい肌状態になってしまいます。
保湿しているのにニキビができる本当の理由
保湿しているのにニキビができる場合、原因は保湿そのものではなく、使い方や水分と油分のバランスのズレにあることがほとんどです。ここでは、よくある失敗パターンやなぜニキビにつながるのかを具体例をもとに解説します。
水分と油分のバランスが崩れている

水分だけ、油分だけに偏ると、どちらもニキビの原因になりやすくなります。
例えば、「化粧水だけでケアを終わらせている」、「ベタつきが不安だから乳液やクリームを多くつけている」といったことはありませんか?
化粧水だけで終えると、入れた水分は5〜10分ほどで蒸発しやすく、結果的に乾燥を進めてしまいます。一方、乳液やクリームを顔全体にたっぷり使いすぎると、油分が毛穴の出口に残りやすくなり、角質と混ざって毛穴づまりを起こしやすくなります。
【バランスの取れたケア方法は?】
目安として、化粧水は手のひらに500円玉大を1〜2回に分けてなじませ、肌がしっとりするまで重ねます。その後、乳液は10円玉大、クリームはパール1粒分程度を顔全体に薄く広げるのが基本です。また、Tゾーンは少なめ、頬や口周りはやや多めにするなど、部位ごとに量を調整すると、水分と油分のバランスが整いやすくなります。
インナードライ状態に気づいていない
肌がテカると、脂性肌だと思い込みやすくなります。
しかし、実際には内部が乾いていて、表面だけ皮脂が多い状態の人も少なくありません。この状態では、見た目はベタつくのに、洗顔後につっぱりを感じたり、時間がたつと部分的に粉をふくことがあります。
インナードライのまま皮脂対策だけを続けると、水分不足は改善されず、皮脂分泌がさらに増えやすくなります。その結果、毛穴づまりとニキビを繰り返しやすくなります。この後、自分がインナードライかどうかの見分け方についてポイントをご紹介します。
インナードライは症状から見分けられる

インナードライは、先ほど説明させていただいたように、見た目のテカリだけでは判断できず、複数の症状の組み合わせで見分ける必要があります。ここでは、インナードライに多い代表的なポイントをご紹介します。
テカリとつっぱりが同時に起こる
Tゾーンはテカるのに、頬や口周りはつっぱる場合、インナードライの可能性があります。
この状態は、内部の乾燥と表面の皮脂増加が同時に起きている可能性が高くなります。皮脂が多い部位だけを見ると脂性肌に見えますが、部分的なつっぱりやカサつきがある場合、単純な脂性肌とは状態が異なります。
このタイプの場合は、皮脂を抑えるケアを続けるほど、乾燥が進み、さらに皮脂が出やすくなる悪循環に入りやすくなります。部位ごとに症状が分かれる場合は、皮脂過多ではなく、水分不足を伴う状態として考えましょう。
洗顔後すぐに乾燥を感じやすい
洗顔後、5〜10分以内につっぱりを感じる場合もインナードライの可能性が高いです。
他にも粉をふく、メイクが浮く、時間がたつと細かい皮むけが出るといった症状も、水分不足のサインです。
この状態の方の場合、洗顔によって必要なうるおいまで落ちやすくなり、肌は防御反応として皮脂を増やしてしまいます。その結果、乾燥と皮脂過多が同時に進み、毛穴づまりとニキビが起きやすくなります。洗顔後のつっぱりが日常的にある場合は、インナードライを前提にケアを見直す必要があります。
ニキビを悪化させない保湿の基本ルール

ニキビを悪化させないためには、保湿の「量」や「アイテム」以前に、タイミング・手順・摩擦を見直すことが重要です。自己流のやり方では、うるおわせているつもりでも刺激や乾燥を招き、炎症が長引きやすくなります。ここでは、今日からできる基本ルールを3つご紹介します。
洗顔後はすぐに保湿を始める
洗顔後は、角層の水分が急速に蒸発しやすい状態です。何もつけずに放置すると、5分程度でも水分量は大きく低下します。その結果、乾燥を補おうとして皮脂が増えやすくなります。
洗顔後は、タオルでやさしく水気を押さえたら、1分以内を目安に化粧水をつけ始めることで、水分の逃げを抑えやすくなります。朝晩ともにこの流れを習慣化することで、乾燥と皮脂の発生を起こしにくい状態へとお肌環境を作ることができます。
化粧水だけで終わらせない
化粧水は水分を補う役割であり、それだけでは時間とともに蒸発します。化粧水だけのケアが続くと、表面は一時的にうるおっても、内部の乾燥は改善しにくくなります。
水分を入れたあとは、乳液やクリームでフタをして、水分が逃げにくい状態を作ることが重要です。ベタつきが気になる場合でも、量を減らす、乾燥しやすい部分だけに使うなどを行うことによって調整ができます。化粧水だけで終える習慣は、先ほど説明させていただいたように、インナードライとニキビを長引かせやすい要因になってしまうのでやめましょう。
摩擦を避けてやさしくなじませる
こすり洗い、強いパッティング、コットンでの強い摩擦は、角層を傷つけやすく、炎症や赤みを悪化させやすくなります。
ニキビがある肌では、わずかな刺激でも炎症が広がりやすくなります。
保湿は、手のひらで包むようにして、押さえる動作を中心になじませることで、摩擦を最小限に抑えられます。ニキビを早く治したいほど触りたくなりますが、刺激を減らすことが、結果的に治りを早め、跡を残しにくくする対応になります。
保湿剤は役割を理解して使い分ける
保湿剤は、種類ごとに役割が異なります。何となく選んで重ねていると、必要なケアが不足したり、逆に毛穴づまりを起こしやすくなることがあります。化粧水・乳液・クリームを「機能」で分けて考えることで、ニキビを悪化させにくい保湿設計がしやすくなります。ここでは、それぞれの役割と使い分けの考え方を説明します。
化粧水は水分を補うために使う

化粧水の主な役割は、角層に水分を入れて、乾燥によるつっぱりを和らげることです。洗顔後の肌は水分を抱え込みにくいため、まず化粧水で土台を整える必要があります。
つけ方としては、手のひらでやさしく押さえるようになじませ、肌表面がしっとりするまで重ねるのが基本です。乾燥しやすい頬や口周りから先につけることで、部位差による乾燥を抑えやすくなります。化粧水は「入れる役割」であり、これだけで保湿が完結するわけではないということを理解しておきましょう。
乳液やクリームは水分を保つために使う

乳液やクリームは、油分や保湿成分で水分の蒸発を抑え、うるおいを維持する役割があります。化粧水で入れた水分を逃がさないための工程と考えると分かりやすくなります。
ベタつきが不安な場合でも、完全に省くと水分が保てず、結果的に皮脂分泌が増えやすくなります。
ベタつきを感じる場合は、「量を減らす」、「Tゾーンは薄くする」、「頬はややしっかり塗る」など、部位ごとに使い分けることで、ベタつきを抑えながら保湿の効果を保ちやすくなります。
ニキビ肌向け保湿剤の選び方の基準
ニキビ肌では、「しっかり保湿できるか」だけでなく、「毛穴づまりや刺激につながりにくいか」という視点で保湿剤を選ぶことが重要です。保湿力だけを重視すると、ニキビを悪化させる原因になることがあります。ここでは、ニキビ肌で失敗しにくい保湿剤選びのポイントを紹介します。
ノンコメドジェニック表示を一つの目安にする

ニキビができやすい方は、「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示されている製品を一つの目安にすると選びやすくなります。これは、毛穴づまり(コメド)ができにくいかを確認したテストを行っていることを示します。
ただし、すべての人に必ずニキビができないという意味ではありません。そのため、「ニキビができにくい設計かどうか」を判断する参考情報として活用しましょう。
アルコールや強い清涼成分が多いものは避ける

さっぱり感を出すために、アルコールやメントールなどが多く含まれている製品は、使用直後は気持ちよく感じても、角層の水分を奪いやすくなります。
乾燥が進むと皮脂分泌が増えやすくなり、結果としてニキビを繰り返す原因になります。刺激感が出やすい方や、洗顔後につっぱりやすい方は、低刺激設計の無香料や無着色の低刺激性の保湿剤を選ぶ方が肌状態を安定させやすくなります。
イメージだけで成分を判断しない

「オーガニック」「無添加」といった表記は安心感がありますが、必ずしもニキビ肌に合うとは限りません。商品ごとに、何を無添加としているか、どんな成分構成かは異なります。
表示のイメージだけで判断せず、実際に使ったときの刺激感、つっぱり、ニキビの出方などを基準に、「自分の肌に合うか」で判断することが、結果的に失敗を減らすことができます
肌状態別に考える保湿の考え方
保湿は「自分は乾燥肌・脂性肌」と決めつけて固定するものではありません。その日の肌状態によって、乾燥が強いのか、皮脂が多いのかを見て、組み立てを変えることがニキビを悪化させないポイントです。状態に合わせて優先する手順を変えることで、最適なアプローチをかけることができます。
乾燥が強い場合の整え方

つっぱりや粉ふきがある場合は、化粧水だけで終わらせず、必ず乳液またはクリームまで使って水分を閉じ込めることが必要です。
乾燥が強い状態では、水分を入れるだけでは維持できず、逃げてしまうためです。
洗顔後につっぱりが出る、メイクが浮くといった症状は、角層の水分保持が追いついていないサインです。まず化粧水で水分を補い、その後に乳液やクリームを薄く重ねて、蒸発を防ぎます。
ベタつくほど厚く塗る必要はありません。「つっぱりが出ない」「夕方まで粉をふかない」状態を基準に量を調整することで、保湿しすぎによる毛穴トラブルを避けながら、乾燥によるニキビ悪化を防ぎやすくなります。
皮脂が多い場合の整え方

テカリやベタつきが強い場合でも、保湿を省くのは逆効果です。水分が不足したままだと、皮脂分泌がさらに増えやすくなり、毛穴づまりのリスクが高まります。
この場合は、軽い使用感の保湿剤を選び、顔全体ではなく、乾燥しやすい部分を中心に使うなどの調整が有効です。さっぱりさせたいからといって洗いすぎると、かえって皮脂が増えやすくなるため、「落としすぎない・保湿は続ける」が基本になります。
ニキビが落ち着いた後も保湿を続ける理由
ニキビが減ってくると、保湿をやめてしまう方も少なくありません。しかし、肌を安定させるためには、症状が落ち着いた後も保湿を続けることが再発予防につながります。
保湿をやめると再発しやすい

保湿をやめると、角層の水分量が下がりやすくなり、バリア機能が不安定になります。その結果、毛穴づまりや軽い炎症が起こりやすくなり、ニキビが再発しやすくなります。
ニキビがない時期こそ、肌環境を整えておくことが、次のニキビを防ぐための土台になります。
季節や肌状態で量を調整する

保湿は一年中同じやり方ではなく、季節やその時の肌状態に合わせて量と質を変えることが、ニキビを悪化させずに続けるうえで現実的です。
皮脂量や水分蒸散量は、気温・湿度・紫外線量によって大きく変わるため、同じ保湿を続けると「多すぎる」「足りない」のどちらかになりやすくなります。
夏は皮脂分泌が増えやすく、軽めの保湿でもベタつきが出やすい一方、冬は空気の乾燥により水分が奪われやすく、同じ量では保湿不足になりがちです。そのため、夏は軽め、冬はややしっかりといった調整を行うことで、ベタつきと乾燥の両方を防ぎやすくなります。
また、顔全体を同じ量で塗るのではなく、皮脂が出やすいTゾーンは控えめ、乾燥しやすい頬はやや多めにするなど、部位ごとに量を変えることで、毛穴づまりと乾燥の両立を避けやすくなり、無理なく継続できる保湿設計になります。
セルフケアで改善しない場合の判断目安
セルフケアで様子を見ていても、同じ場所に繰り返しできる場合や、赤み・痛みが長引く場合は、セルフケアでは改善が難しい限サインです。こうした状態は、むしろ、放置してしまうと炎症が長引き、ニキビ跡につながるリスクも高まるため早めに皮膚科や美容皮膚科に相談することが必要です。下記より、受診を検討したい具体的な状態を整理していきます。
同じ場所に繰り返しできる場合
同じ部位にニキビを繰り返す場合は、スキンケアだけでの改善が難しい状態と考えられます。生活習慣やホルモンの影響、毛穴構造の問題などが関与していることも多く、保湿や洗顔の見直しだけでは、根本的な解決につながらないケースがあります。そのような場合は、美容皮膚科への相談を検討することが有効です。
一般皮膚科では、抗菌薬や外用薬などによって炎症を抑える治療が中心となり、主に「今ある症状を落ち着かせる」ことを目的とした対応が行われます。一方、美容皮膚科では、薬物治療に加えて、レーザーや光治療などを組み合わせることで、毛穴環境や再発しやすい肌の土台そのものにアプローチできる場合があります。
何度も同じ場所にニキビができる場合は、「とりあえず薬で抑える」対応から一歩進み、再発しにくい肌状態を目指すという視点で、美容皮膚科での専門的な治療を検討することが、現実的な選択肢になります。
赤みや痛みが長引く場合
赤みが強い、触ると痛い、炎症が広がるといった状態の場合も同様で、セルフケアで悪化しやすくなります。このような場合も、刺激を減らすケアに切り替えつつ、早めに美容皮膚科相談することで、跡や長期化のリスクを下げやすくなります。痛みがあるニキビの状態について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
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まとめ
保湿でニキビが悪化するように感じる場合、多くは「水分と油分のバランス」「肌状態に合っていないケア」が原因です。化粧水だけで終わらせない、洗いすぎない、刺激を減らすといった基本を見直すことで、ニキビができにくい土台を作りやすくなります。
セルフケアで改善しない場合は、無理に続けず、専門的な視点を取り入れることも選択肢です。肌状態に合ったケアを続けることが、ニキビを繰り返さないための近道になります。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



