ニキビは冷やすべき?逆効果?症状別の正しい判断基準

患者さまの中でもニキビができたときに「とりあえず冷やすといい」と聞いて実践している方は少なくありません。ですが、実際のところそれは本当に効果的なのでしょうか?そこで今回は、その真意と正しい対処法について詳しく解説していきます。
ニキビは冷やすべき?
結論からいうと、ニキビはすべて冷やせばよいわけではありません。
ニキビは種類や状態によって正しい対処が異なり、冷やすことで楽になる場合もあれば、ほとんど意味がない、あるいは逆効果になるケースもあります。ニキビを見たときに「とりあえず冷やす」のではなく、状態を見極めたうえで必要なときだけ行うことが重要です。ここから、冷やすと楽になるニキビと、そうでないニキビの違いを具体的に見ていきます。
冷やすと楽になるニキビは一部に限られる

冷やすことで一時的に楽になるニキビは、炎症が起きている状態に限られます。
具体的には、赤ニキビのような「赤く腫れている」、「触ると熱っぽい」、「ズキズキとした痛みがある」といった特徴があるニキビです。
冷やすかどうかは炎症の有無で判断する

ニキビを冷やすかどうかは、先ほど説明したように「炎症があるかどうか」で判断するのが基本です
一方、色が白っぽい、黒っぽいだけで赤みや痛みがない白ニキビや黒ニキビの状態は、炎症がほとんど起きていない段階です。この状態では冷却よりも、毛穴詰まりを悪化させないスキンケアや生活習慣の見直しの方が重要になります。
白ニキビの治し方については、以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:白いニキビは何が原因?正しいケア方法・早く治す習慣をまとめて解説
ニキビを冷やすと起こる変化と限界
ニキビを冷やすことで起こる変化は限定的であり、できることとできないことを正しく理解する必要があります。
あくまでも、冷やす行為は「症状を一時的に抑える手段」であり、「治療そのものではない」という位置づけを理解しておくことが重要です。
冷却で期待できるのは炎症と痛みの緩和

冷却で期待できる主な効果は、炎症による痛みなどの緩和です。冷やすことで血管が収縮し、炎症部位に集まっている血流が一時的に減るため、赤み、ほてり、ズキズキした痛みが軽くなることがあります。
ただし、この作用は一時的で、冷却をやめると再び血流が戻り、赤みや熱感も元に戻ってしまうことがほとんどです。
また、冷却には皮脂分泌を正常化したり、毛穴詰まりを解消したりする作用はありません。そのため、冷やすことで「治っているように見える」だけで、ニキビそのものを治しているわけではないので注意しましょう。
冷やしてもニキビが治らない理由

冷やしてもニキビが根本的に治らないのは、ニキビの原因が冷却では解決できないためです。
ニキビは、毛穴に皮脂や角質が詰まり、その中で細菌が増え、炎症が起きることで発生します。冷却はこの流れの中の「炎症による症状」には影響しますが、毛穴詰まりや皮脂の分泌量、細菌の増殖環境そのものを改善する作用はありません。
そのため、冷やして赤みが一時的に引いても、数日後に再び同じ場所が腫れる、別のニキビができるといった形で繰り返しやすくなります。冷却はあくまで補助的なケアであり、洗顔、保湿、生活習慣の見直しなど、ニキビの原因に直接アプローチする対策を行わなければ、ニキビを治すことはできません。
ニキビについて悩みの多い思春期ニキビや大人ニキビの原因について詳しく説明した内容は以前投稿した関連記事をご覧ください。
冷やしてはいけないニキビの特徴
炎症を伴っていない段階のニキビや、すでに化膿が進んでいるニキビは冷やしてはいけません。冷却が効果を発揮しにくい、または悪化につながるニキビも明確に存在します。
白ニキビや黒ニキビは冷却の効果が出にくい

白ニキビや黒ニキビは、毛穴に皮脂や角質が詰まっている段階であり、炎症はほとんど起きていないため冷やしても何も効果はありません。
むしろ、冷却による乾燥や刺激により、皮脂バランスが乱れ、毛穴詰まりが続く原因になることもあります。
この段階では冷やすよりも、洗顔・保湿・摩擦を減らすといった基本ケアの方が、ニキビの進行を防ぐうえで重要になります。
黄ニキビは自己判断の冷却が悪化につながる

膿を伴う黄ニキビは、炎症がかなり進行している状態です。
この段階では、自己流の冷却だけで対応しようとすると、適切な治療のタイミングを逃し、治りが遅くなるリスクがあります。見た目が白や黄色に変わり、触ると強い痛みがある場合は、冷却よりも医療機関での治療を検討すべき状態です。
冷やして一時的に痛みが和らいでも、内部の炎症や感染が改善しているわけではないため、「冷やして様子見」を続けすぎない判断が重要です。
黄ニキビの対処法について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:黄色ニキビの原因と治し方、悪化を防ぐ正しいケア方法を解説
ニキビを冷やす正しい方法
ニキビを冷やす正しい方法は、肌への刺激を最小限に抑える方法を選ぶことが前提になります。
やり方を間違えると、炎症を抑えるどころか、刺激や乾燥によって悪化するケースもあります。安全に行うためには、「冷やしすぎない」「直接刺激を与えない」という2点を意識した方法を選ぶことが基本です。
タオルや化粧水を使った基本的な冷やし方

ニキビを冷やす正しい方法は、冷たい水で絞った清潔なタオルや冷蔵庫で軽く冷やした化粧水を使い患部に当てる方法です。
タオルは軽く当てるだけにし、強く押し付けないことが重要で、化粧水の場合は、コットンに含ませて軽くのせる程度に留めましょう。
氷を直接肌に当ててしまう方がいらっしゃいますが、刺激が強く、凍傷や赤みの原因になるため絶対にやめましょう。
肌に「ひんやりする」と感じる程度が適切な冷却の目安です。
冷やす前後にやってはいけない行動

冷却の前後にニキビを触る、押す、潰すといった行動は、炎症を悪化させる大きな原因になるためNGです。
また、ゴシゴシ洗う、スクラブを使う、アルコール成分が強い化粧品を使うといった刺激も、炎症を長引かせるため厳禁です。
冷やすケアを行う場合は、「触らない」「こすらない」「刺激を足さない」という意識をセットで持つことが重要です。ニキビを潰してしまった際のリスクは以前投稿した関連記事をご覧ください。
冷却時間と回数の目安
1回あたりの冷却時間は、30秒〜1分程度を目安にしましょう。
長くても2分以内に留め、肌の様子を見ながら行うことが基本です。1日の回数は1〜2回程度までが目安で、赤みや痛みが強いときの一時的な対処に留めましょう。
何度も繰り返してしまうと皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や刺激につながりやすくなってしまい、逆にニキビを悪化させてしまいます。冷却は「短時間・必要なときだけ」が原則です。
冷やす以外に併用したいニキビ対策
冷却はあくまで一時的な対処であり、ニキビ改善にはなりません。
ニキビを繰り返さないためには、ニキビの原因にアプローチする基本ケアを並行して行うことが重要です。冷やすことと併せて行うべきニキビ対策のポイントを紹介します。
洗顔と保湿を中心としたスキンケアの基本

ニキビがあると、洗いすぎや乾燥によって皮脂分泌がさらに乱れやすくなります。必要なのは「落としすぎない・乾かしすぎない」ケアです。
洗顔は回数と力を減らすことが優先
洗顔は朝晩2回までが基本です。
皮脂を落とそうとして洗顔回数を3回以上に増やしたり、洗浄力の強い洗顔料を使うと、皮脂分泌の乱れを招いてしまいます。朝晩2回、泡で押すように洗うことを基本とし、すすぎは30回程度を目安に、洗い残しが出ないようにしましょう。
保湿は油分より水分を意識する
保湿は大事ですが、ニキビがある状態では、重たい油分が毛穴をふさぎ、悪化につながることがあります。
そのため、化粧水やジェルタイプなど、水分補給を中心にした保湿を選び、ベタつきを感じる場合は量を半分近くに減らすなど調整をしましょう。冷却後は特に乾燥しやすいため、アルコール控えめ・低刺激タイプの保湿でバリア機能を保つことが重要です。詳しいスキンケアの方法については以前投稿した関連記事をご覧ください。
睡眠や食事など生活習慣の見直し

冷却やスキンケアだけでは、ホルモンバランスや皮脂分泌の乱れによるニキビは改善しにくいです。
生活習慣をすぐに完璧に変える必要はありませんが、「炎症を長引かせない環境」を作る意識が重要です。
睡眠不足が続くと炎症が治まりにくい
睡眠時間が6時間未満の日が続くと、肌の修復が追いつかず、炎症が長引きやすくなります。
睡眠はお肌にとって非常に重要で睡眠中に、ダメージを受けた皮膚の回復や炎症を抑える働きが活発になるため、睡眠不足が続くほどニキビの治りも遅れやすくなります。
「寝る前のスマートフォンを見る時間を減らす」「就寝時間を固定する」といった小さな調整でも、回復リズムが整い、炎症が落ち着きやすくなります。
食事は控えるより偏りを減らす意識
ニキビ対策では、特定の食品を完全に避けるよりも、脂質や糖質に偏りすぎない食事バランスを意識することが重要です。
脂っこい食事や甘いものが続くと皮脂分泌が増えやすくなり、毛穴詰まりや炎症の土台になります。加えて、胃腸の調子が乱れると、栄養吸収やホルモンバランスにも影響し、ニキビが治りにくくなる傾向があります。
暴飲暴食を避け、就寝2〜3時間前までに食事を終えることで、睡眠中の回復を妨げにくくなります。発酵食品や食物繊維を意識的に取り入れ、腸内環境を整えることも、炎症が長引きにくい肌状態を作るための土台になります。ニキビに良い食事について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:ニキビができやすい人必見|食べ物と栄養から見直す対策法
ニキビは皮膚科を受診すべき症状もある
2週間以上セルフケアを続けても赤みや腫れが引かない場合、内部炎症が持続している可能性があります。
この段階までいってしまうと、自己判断で様子を見る段階は超えており、皮膚科や美容皮膚科に相談すべきタイミングに入っている可能性があります。早めに専門家へ相談することで、悪化やニキビ跡を防ぐことにもつながります。
市販薬と皮膚科治療の違い

市販薬は、軽い赤みや小さなニキビなど、初期段階の症状に対して手軽に使える点がメリットです。ただし、炎症が強いニキビや膿を伴うニキビでは、成分や作用の範囲が限られるため、十分な改善が得られないケースが少なくありません。何度も同じ場所にできる、赤く腫れて長引くといった場合は、市販薬だけで対応するのは難しくなります。
一般皮膚科では、主に塗り薬や飲み薬による治療が中心となり、炎症を抑えることが主な目的になる今ある症状を少し抑えたいという方には有効です。
一方、美容皮膚科では、ニキビの種類や肌質に合わせて、炎症ケアだけでなく、毛穴詰まりの改善やニキビ跡予防まで含めた幅広い治療が可能です。
たとえば、膿があるニキビや赤く腫れたニキビでは、薬だけに頼るよりも、肌状態に合わせた専門的な治療を組み合わせることで、治りを早め、跡が残るリスクを抑えやすくなります。症状が強いほど、美容皮膚科での相談が効率的な選択になります。詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
ニキビ治療の症例写真【当院症例】
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ニキビを冷やすことに関するよくある質問
ニキビは何分くらい冷やせばよいのか?
ニキビを冷やす時間の目安は、1回あたり30秒〜1分程度が基本です。
長く冷やせば効果が高まるわけではなく、むしろ冷やしすぎによって血流が低下し、肌の回復に必要な酸素や栄養が届きにくくなる可能性があります。その結果、赤みや腫れが引きにくくなり、治りが遅れるケースもあります。
冷却は、赤みや熱感、ズキズキした痛みを一時的に和らげるための補助的なケアであり、短時間で様子を見ることが重要です。30秒ほど当てて一度外し、変化を確認したうえで、必要であればもう30秒追加する、といった使い方が安全です。何分も連続して冷やし続けるのではなく、短時間を区切って行うことで、刺激や乾燥のリスクを抑えながら、炎症による不快感だけを和らげることができます。ニキビを冷やす時間は「短く・必要なときだけ」行うことが、肌への負担を最小限にする基本的なルールです。
冷やすケアは毎日続けてもよいのか?
ニキビを冷やすケアは毎日続けるべきではありません。
冷やすケアは炎症が強く出ている期間に限って行う対処であり、症状が落ち着いている状態で毎日続けると、かえって肌の回復を妨げる可能性があります。
冷却は赤みや熱感、痛みを一時的に和らげる目的のため、炎症がある日だけ、1日1回、多くても2回までを目安に行うのが適切です。赤みや腫れが引いてきた段階では、冷却は中止し、洗顔や保湿などの基本ケアに戻すことが重要です。
毎日の習慣として冷やし続けると、血流が抑えられやすくなり、肌に必要な酸素や栄養が届きにくくなります。その結果、ニキビが治りにくくなったり、乾燥や刺激を招いたりすることがあるので注意しましょう。
まとめ
ニキビを冷やすケアは、すべてのニキビに有効な方法ではなく、赤く腫れて熱感や痛みを伴う炎症ニキビに限って、一時的な症状緩和として役立つ対処法です。
白ニキビや黒ニキビ、膿を伴う黄ニキビでは、冷却による改善効果は期待しにくく、自己判断で冷やし続けることで、かえって治りを遅らせる可能性もあります。
冷やす場合は、タオルや冷やした化粧水を使い、30秒〜1分程度の短時間・低頻度で行うことが基本です。毎日の習慣にするのではなく、炎症が強いときだけ補助的に取り入れることが重要です。また、ニキビ改善には、洗顔・保湿・睡眠・食事といった基本ケアが土台となります。セルフケアで改善しない場合は、早めに皮膚科や美容皮膚科に相談することで、悪化やニキビ跡を防ぎ、より早い改善につながります。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



