ニキビにトラネキサム酸は効く?

「ニキビにトラネキサム酸が効く」と聞いて、気になって調べている方も多いのではないでしょうか。一方で、本当にニキビに使ってよいのか、今あるニキビと治ったあとの跡で効果は違うのか、飲み薬や塗り薬、化粧品のどれを選べばよいのか迷ってしまう方も少なくありません。そこで、今回はトラネキサム酸の位置付けを整理し、自分の症状に合うか判断するための考え方を解説していきます。
ニキビにトラネキサム酸は効く?
結論から言うと、トラネキサム酸は「ニキビそのもの」を直接治す薬ではありません。
ただし、ニキビの炎症が落ち着いたあとに残る赤みや色素沈着には、役立つ場面があります。
「ニキビに効く」と言われやすいのは、炎症を抑える働きがあり、結果としてニキビ跡が目立ちにくくなるケースがあるためです。
そのため、今まさに腫れている赤ニキビや膿ニキビの治療目的で使う薬ではない、という前提をまず理解しておく必要があります。
トラネキサム酸に期待できる効果

トラネキサム酸の主な役割は「炎症を鎮めること」と「シミのもとを作らせにくくすること」です。
たとえば、ニキビが治ったあとも赤みが長く残ることがあります。
これは、火事が消えたあとも地面が熱を持ち続けているような状態です。
トラネキサム酸は、このくすぶった炎症を静める方向に働くため、赤みが定着するのを防ぎます。
また、炎症が続くと肌は刺激から守ろうとしてメラニン(茶色い色)を作ります。
トラネキサム酸にはこの流れを抑える働きがあり、茶色いニキビ跡(色素沈着)も使われます。ただし、効果が薄いニキビ跡の種類もあるので詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
炎症ニキビの治療には別の対策が必要

赤ニキビや膿ニキビの主な原因は、皮脂の過剰分泌や菌の増殖です。
この段階では、トラネキサム酸だけでは治療が十分とは言えません。
たとえば、毛穴の中で皮脂が詰まり、菌が増えて炎症を起こしている状態に、
「炎症を抑える薬」だけを使っても、根本原因は残ったままです。
このため、
・毛穴の詰まりを改善する治療
・菌を抑える外用薬
など、原因に合った治療を優先する必要があります。
トラネキサム酸がニキビ跡に作用する理由
トラネキサム酸は「ニキビが治ったあとの肌トラブル」に働く成分で、「赤みを防ぐこと」「色素沈着を防ぐ」作用があります。
ニキビができた後の肌では、見た目以上に炎症が長引いていたり、色素が作られやすい状態が続いています。トラネキサム酸は、この後処理の段階に効果があります。
赤みが残る流れを防ぐ

ニキビ後の赤みは、炎症が完全に収まらず血管が開いたままになることで起こります。
「ニキビは治ったのに、赤だけ残っている」という状態はよくあります。
これは炎症のブレーキがかかりきっていないサインです。
トラネキサム酸は、
・炎症を長引かせる反応を抑える
・赤みが固定化するのを防ぐ
という効果があります。
色素沈着を軽減する

トラネキサム酸は、
「刺激が入った → メラニンを作る」
この流れを弱めることで、色素沈着を目立ちにくくします。
炎症が続くほど、肌はメラニンを作りやすくなります。
たとえば、虫刺されを強く掻いたあとが茶色く残るのと同じ仕組みです。
ニキビでも、炎症の刺激が続くことでこの茶色い跡が残ります。トラネキサム酸はこの作用を防ぐ効果があります。
ニキビの種類別に見る適応と限界
ニキビは種類によって、トラネキサム酸の向き不向きがはっきり分かれます。
思春期ニキビ

皮脂分泌が原因の思春期ニキビには、トラネキサム酸はあまり効果はありません。
この年代のニキビは、
・皮脂が多い
・毛穴が詰まりやすい
ことが中心です。
まずは洗顔や外用薬など、基本治療を優先する必要があります。思春期ニキビの原因や対策について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
大人ニキビ

大人ニキビでは、赤みや跡ケアとしてトラネキサム酸が使われる場面があります。
大人ニキビは、乾燥やホルモンの影響で炎症が長引きやすく、「治ったはずなのに跡が残る」ケースが多いのが特徴です。
この場合、トラネキサム酸は補助的に役立つことがあります。
大人ニキビの原因や対策について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
ニキビ跡

先ほど説明させていただいたように赤みや色素沈着にはトラネキサム酸は適しています。
しかし、皮膚が凹んだクレーター状の跡やしこりのニキビ跡は、別の治療が必要です。ニキビの種類の見分け方や種類ごとの治療は以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:【写真付】ニキビの種類と見分け方を医師が徹底解説!
トラネキサム酸の取り入れ方
トラネキサム酸は、内服・外用・化粧品で「期待できる役割」が大きく異なります。 同じ成分だから同じ効果が出ると思われがちですが、実際には作用する範囲や使う目的が違い、選び方を間違えると十分な変化を感じにくくなります。
内服薬

広い範囲の赤みや色素沈着には内服が向きます。
体の内側から作用するため、顔全体に赤みが残る場合などに使われます。
効果はゆっくりで、数週間〜数か月かかるのが一般的です。
ただし、副作用や併用が危険な医師の管理下で使うことが重要です。
塗り薬と化粧品

塗り薬や化粧品のトラネキサム酸は、ニキビが治ったあとの赤みや色ムラを、気になる部分だけケアしたい人に向いています。
顔全体に使う必要はなく、「この跡だけ何とかしたい」という場面で取り入れやすい方法です。
内服に比べると作用は穏やかですが、その分、体への影響を心配せずに使いやすいのが特徴です。保湿や紫外線対策とあわせて取り入れることで、ニキビ跡が目立ちにくい状態を整えていきます。
内服・外用・化粧品の違い
トラネキサム酸には「飲み薬」と「塗るタイプ」があります。目的によって選び方が変わります。ここでは、その選び方のポイントを紹介します。
作用する深さと期待できる効果の違い
トラネキサム酸は、内服・外用・化粧品で作用する「深さ」と役割が異なります。
同じ成分でも、届く範囲が違うため、期待できる効果も変わります。
・内服:体の内側から全身に作用
先ほど説明させていただいたように、顔全体に残る赤みや色素沈着など、広い範囲をまとめて整えたい場合に向きます。たとえば、ニキビは治ったのに顔全体がくすんで見える、といったケースです。
・外用(塗り薬):気になる部分に直接作用
こちらも先ほど説明させていただいたように、赤みが残っている場所など、ポイントケアに適しています。
・化粧品:肌の表面を中心に作用
毎日のスキンケアとして使い、ニキビ跡を作らせにくい肌環境を整える役割があります。体に負担なく、まず試してみたいという方におすすめです。
このように、目的に合わせて使い分けることが大切です。
年代と肌悩み別の使い分け
トラネキサム酸は、年代によって合いやすい取り入れ方が変わります。年齢とともにニキビの原因や悩みは変わるため、肌状態に合わせて選ぶことが大切です。下記表にまとめてみました。
| 年代 | 主な肌悩み | トラネキサム酸の取り入れ方 |
|---|---|---|
| 10代 | 皮脂が多くニキビができやすい | ニキビ治療が優先。トラネキサム酸は化粧品で予防的に使用するのに留めましょう。 |
| 20代 | ニキビに加え赤みや跡が残りやすい | 部分的な赤みには外用、広がる色ムラには内服を検討しましょう。 |
| 30代以降 | 色素沈着やくすみが目立ちやすい | 内服で全体を整え、化粧品で日常的にケア |
ニキビ治療とトラネキサム酸の併用
トラネキサム酸だけで、ニキビやニキビ跡の悩みをすべて解決できるケースは多くありません。
ニキビには皮脂や毛穴の詰まり、菌の増殖など複数の原因が関わっており、それぞれに合った治療が必要です。そのうえで、炎症を長引かせない、跡を残しにくくする目的でトラネキサム酸をどう組み合わせるかが重要になります。
今あるニキビには原因別の治療を行う

今できているニキビは、原因に合った対処を行わなければ改善しにくいものです。
ニキビの背景には、皮脂が多い、毛穴が詰まりやすい、菌が増えて炎症を起こしているといった要因があります。
例えば、肌診断機器で撮影した参考画像のような赤みが強い方には炎症を抑えるケアシス(イオン導入)などの治療が必要です。
トラネキサム酸は、これらの原因を直接取り除く薬ではないので注意しましょう。
ニキビ跡を残さないために併用する考え方

トラネキサム酸は、あくまで、炎症が長引くのを防いだり、治ったあとの赤みや跡を残しにくくするための補助的な役割になります。
そのため、今あるニキビには原因別の治療を行いながら、トラネキサム酸を組み合わせて跡ケアを行う、という使い方がおすすめです。主となる治療と役割を分けて考えることが大切です。
ニキビ治療の症例写真【当院症例】
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トラネキサム酸の副作用と使用前に知っておくべき注意点
トラネキサム酸は、肌悩みの改善に役立つ一方で、使い方を誤ると思わぬ負担になることがあります。 内服と外用では注意すべき点が異なり、体質や体の状態によっては向かない場合もあります。ここでは、安心して取り入れるために、使用前に知っておきたい基本的な注意点を整理していきます。
注意したい体への影響
トラネキサム酸の内服は、体の内側から作用する分、体質によっては注意が必要です。
比較的安全性の高い薬とされていますが、まれに胃の不快感や吐き気を感じることがあります。たとえば、足のむくみや急な痛みなど、普段と違う症状が出た場合は自己判断で飲み続けず、医師に相談してください。体調や持病によってリスクは変わるため、内服は必ず専門家の判断をもとに行うことが大切です。
起こり得る肌トラブル
塗り薬や化粧品のトラネキサム酸は比較的刺激が少ない成分ですが、肌質によってはトラブルが起こることがあります。
使い始めに、かゆみや赤み、ピリピリした刺激を感じる場合は、肌が成分に反応している可能性があります。特に、乾燥している時期やニキビで肌が敏感になっているときは注意が必要です。異変を感じた場合は一度使用を中止し、症状が続くようであれば皮膚科に相談してください。無理に使い続けないことが、肌トラブルを防ぐポイントです。
どんな人は使えないか
トラネキサム酸は、体質や服用中の薬によっては使用を避けたほうがよい場合があります。
過去に血栓症を起こしたことがある人や、血液が固まりやすい体質と指摘されたことがある人は、内服には注意が必要です。また、ピルなど特定の薬を服用している場合、自己判断で併用するとリスクが高まることがあります。持病がある場合や長期間の内服を考えている場合は、必ず医師に相談し、安全を確認したうえで使用することが大切です。
市販薬と処方薬の違い
トラネキサム酸は、市販薬と処方薬で「効き方の実感」や安全面に違いが出ることがあります。 どちらも同じ成分ですが、配合量や使用目的、管理の仕方は同じではありません。ここでは、入手方法の違いがどのように影響するのかを整理し、自分に合った選び方を考えるためのポイントを紹介します。
成分量と効果実感の差

市販薬と処方薬の大きな違いは、トラネキサム酸の配合量です。
一般的に、市販薬は安全面を重視して成分量が控えめに設定されています。そのため、効果は穏やかで、「変化を感じるまでに時間がかかる」と感じる人も少なくありません。
一方、処方薬は医師の管理下で使用する前提のため、症状に合わせた量が使われます。たとえば、顔全体に広がる赤みや色素沈着が気になる場合、市販薬では実感しにくくても、処方薬では違いを感じやすいことがあります。
このように、同じ成分でも量の違いが効果実感に影響するため、悩みの強さや範囲に応じて選ぶことが重要です。
自己判断と医師管理の違い
トラネキサム酸を安心して使ううえで、医師の管理があるかどうかは大きな違いになります。
市販薬は手軽に始められますが、体質や持病との相性までは自分で判断する必要があります。たとえば、他の薬を飲んでいる場合、知らないうちに併用が負担になることもあります。医師管理であれば、体調や既往歴を踏まえて使用の可否や量を調整でき、異変があった際も早めに対応できます。長く使う可能性がある場合ほど、専門家の判断が安心につながります。
トラネキサム酸が向いている人の特徴
トラネキサム酸は、ニキビ後の赤みや色素沈着に悩み、即効性よりも継続的なケアを重視できる人に向いています。 一方で、すべてのニキビや肌悩みに当てはまる成分ではありません。症状の段階や求める効果によって、合う・合わないがはっきり分かれます。ここでは、どんな人に向いているのかを具体的に見ていきましょう。
赤みや色素沈着に悩む人

ニキビ自体は治っているのに、赤みや茶色い跡だけがなかなか引かない人には、トラネキサム酸が合う場合があります。 これは、見た目以上に肌の中で刺激が残り、色が定着しやすい状態が続いているためです。たとえば、触ると痛みはないのに、鏡を見ると赤さだけが目立つことがあります。トラネキサム酸は、こうした落ち着ききらない状態を穏やかに整える方向に働きます。
即効性より継続ケアを重視できる人
トラネキサム酸は、使ってすぐに見た目が変わる成分ではありません。
赤みや色素沈着に対しては、早くても数週間、実感できるまでに1〜2か月ほどかかることが一般的です。そのため、「数日で消したい」という人よりも、毎日のケアをコツコツ続けられる人に向いています。たとえば、スキンケアや内服を生活の一部として無理なく続けられる場合、少しずつ肌の印象が整っていきます。
ニキビ跡改善で失敗しないための考え方
ニキビ跡のケアでつまずく原因の多くは、期待しすぎや自己判断による選択にあります。
赤みや色素沈着は、時間をかけて少しずつ変化していくもので、使う成分や方法を誤ると遠回りになりがちです。「なぜ効かなかったのか」「本当に今のケアが合っているのか」を整理することが、改善への近道になります。
効果が出るまでの目安期間

ニキビ跡の改善は、早くても数週間、はっきりした変化を感じるまでには数か月かかるのが一般的です。
赤みの場合、目安として3〜4週間ほどで薄くなり始めることがありますが、色素沈着は1〜3か月ほどかけて少しずつ目立ちにくくなります。途中で「効いていない」と感じてやめてしまうと、本来得られるはずの変化が出る前に終わってしまいます。毎日のケアを続けながら、時間をかけて肌が入れ替わるのを待つことが、結果につながりやすい考え方です。
迷ったら皮膚科・美容皮膚科に相談

ニキビ跡は自己判断でのケアだけでは改善が難しいことが多く、美容皮膚科での治療がおすすめです。
赤み・色素沈着・凹凸などは原因や深さが異なり、市販ケアでは届かないケースも少なくありません。美容皮膚科では、肌状態に合わせて内服・外用・施術を組み合わせて判断できます。遠回りを避けるためにも、迷った時点で専門家に相談することが大切です。美容皮膚科がなぜおすすめなのか詳しく知りたい方は以前投稿した関連記事をご覧ください。
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まとめ
トラネキサム酸は、今あるニキビを直接治す薬ではなく、ニキビ跡の赤みや色素沈着を抑えるサポート成分です。
炎症中のニキビには原因に合った治療が必要で、トラネキサム酸は治療後の肌を整え、跡を残しにくくする位置付けになります。内服・外用・化粧品で作用の深さや実感は異なり、効果は緩やかなため継続が前提です。市販品と処方薬にも違いがあり、自己判断には限界があります。ニキビとニキビ跡を切り分けて考え、迷った場合は皮膚科・美容皮膚科での相談を検討しましょう。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



