
シミやそばかす、肝斑、毛穴の開きなどの肌悩みについて検索すると、「ピコレーザー」と「トライビーム」という2つの機器を目にすることがあると思います。しかし、それぞれ何が違うのか、自分の肌悩みにはどちらが合っているのかわからない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ピコレーザーとトライビームの違いを比較しながら、シミ・そばかす・肝斑・くすみ・毛穴・ニキビ跡など、肌悩みごとに向いている照射方法をわかりやすく解説します。
ピコレーザーとトライビームの違い
ピコレーザーとトライビームは、どちらが優れているというより、肌悩みや希望する治療によって向き不向きが変わります。
主な違いは、照射時間・波長・施術回数・ダウンタイム・料金です。まずは5項目を比較し、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
照射時間の違い

ピコレーザーは、レーザーのエネルギーを非常に短い時間で届けられるのが特徴です。ピコ秒(1兆分の1秒)単位で照射するのに対し、トライビームはナノ秒(10億分の1秒)単位で照射します。
ピコ秒はナノ秒より1,000分の1の短さです。照射時間が短いことで、レーザーのエネルギーを熱として周囲に広げにくく、色素をより細かく砕く作用を狙いやすいのがピコレーザーの特徴です。そのため、シミの色素を効率よく薄くしたい方には、ピコレーザーがおすすめです。
波長の違い

ピコレーザーは機種によって複数の波長を使い分けられるため、肌悩みや色素の状態に合わせて細かく調整しやすいのが特徴です。
一方、トライビームは532nmと1064nmの2波長に限られるため、ピコレーザーと比べると選択できる波長の幅が狭くなります。
レーザーは波長によって届く深さや反応する色素が異なります。そのため、使用できる波長の選択肢が多いほど、色素の状態に合わせた治療方法を選びやすくなります。
つまり、トライビームは2波長で幅広い色素治療に対応できる一方、複数波長を搭載したピコレーザーは、より細かく波長を選択できる点で優れています。
施術回数の違い

トーニングの施術回数は、ピコレーザーとトライビームで大きな差はありません。
ピコトーニングは1か月に1回、5〜10回程度が目安なのに対し、トライビームのトーニングも4週間に1回、5〜10回程度とあまり差異はありません。
どちらも1回の照射ですべての色素を取り除く治療ではなく、複数回の照射で少しずつ色素を薄くしていく治療です。そのため、トーニングを選ぶ場合は、機器の違いよりも継続して通える間隔や治療内容を確認することが大切です。
一方、ピコレーザーには、濃くはっきりしたシミを狙って照射するピコスポットがあります。ピコスポットなら1〜2回程度で色が薄くなるケースもあり、広範囲を少しずつ整えるトーニングとは必要な回数が異なります。
ダウンタイムの違い

ダウンタイムは、機器の違いよりも照射方法やシミの濃さによって変わります。
薄いシミやくすみに低出力のトーニングを行う場合は、赤みなどが目立ちにくい一方、濃くはっきりしたシミを狙うスポット照射では、赤みやかさぶたが出ることがあります。
ピコレーザーには、濃いシミを狙うピコスポットと、顔全体に照射するピコトーニングがあります。トライビームにもシミを狙ったスポット照射とトーニングの両方があり、どちらも照射方法によってダウンタイムが変わります。
つまり、「ピコレーザーだからダウンタイムが少ない」「トライビームだから長い」という違いではありません。濃いシミを少ない範囲に強く照射する場合は、どちらでもかさぶたなどが出ることがあるため、シミの状態に合わせて照射方法を選ぶことが重要です。ダウンタイムの経過について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:シミ取りピコレーザーの経過を解説!色素沈着と回復期間の全て
料金の違い
| 比較項目 | ピコレーザー | トライビーム |
|---|---|---|
| 料金の目安 | トーニング:1〜2万円台/回 スポット:1mmあたり2,000〜5,000円程度 | トーニング:約1万円/回 スポット:5,500円〜 |
| 特徴 | 照射方法の選択肢が多い | 料金を抑えて受けられる場合がある |
浜松周辺では、ピコトーニングは1回あたり1〜2万円台、トライビームのトーニングは1回1万円前後が料金の目安です。
スポット照射では、ピコレーザーは1mm単位で2,000〜5,000円程度、トライビームは3mmまで5,000円台、6mmまで1万円前後など、シミの大きさによって料金が変わります。
ただし、トーニングは複数回の施術が必要になることが多く、スポット照射はシミの大きさや個数によって料金が変わります。そのため、1回あたりの料金だけでなく、必要な回数や照射範囲を含めた総額で比較することが大切です。料金だけを見るとトライビームのほうが安い場合がありますが、ピコレーザーにはスポット・トーニング・フラクショナルなど複数の照射方法があります。料金だけで機器を決めるのではなく、自分の肌悩みに必要な治療が含まれているかを確認しましょう。
ピコレーザーとは?
ピコレーザーは、シミだけでなく、そばかす・肝斑・くすみ・毛穴・ニキビ跡など、幅広い肌悩みに使えるレーザーです。ピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナルの3つの照射方法があり、シミの濃さや肌悩みに応じて使い分けます。
ピコスポット

画像のような、濃く目立つシミやそばかすをピンポイントで治療したい方には、ピコスポットが向いています。
気になる部分だけにレーザーを照射するため、顔全体にレーザーを当てる必要がなく、目立つシミを集中的に治療できます。
「顔全体の色ムラを整えたい」のではなく、「このシミを取りたい」と治療したい部分が明確な方に向いている照射方法です。
ピコトーニング

画像のような、肝斑や顔全体のくすみなど、広い範囲の色ムラを整えたい方には、ピコトーニングが向いています。
顔全体にレーザーを照射し、肌に蓄積したメラニンへ少しずつ働きかけるため、特定のシミだけではなく、顔全体の色ムラを整えたい場合に使われます。
肝斑は刺激によって濃くなることがあるため、通常のシミ取りのように強いレーザーを一度当てるのではなく、肌状態を確認しながら照射することが大切です。
また、肝斑と一般的なシミが混在しているケースもあるため、見た目だけで照射方法を決めるのは適切ではありません。
肝斑やくすみなど、顔全体の色ムラが気になる方は、肌状態を確認したうえでピコトーニングを検討します。ピコトーニングについて詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:ピコトーニングの効果はいつから?回数・経過の目安を解説
ピコフラクショナル

毛穴の開きやニキビ跡の凹凸など、シミ以外の肌質を整えたい方にはピコフラクショナルが向いています。
シミの色を薄くすることを主な目的とするピコスポットやピコトーニングとは異なり、肌に点状のレーザーを照射して、毛穴や肌の凹凸に働きかけます。
たとえば、ニキビが治ったあとに残ったクレーターや、ファンデーションを塗っても目立つ毛穴の開きなどが対象です。ただし、ニキビ跡には赤みや色素沈着など別のタイプもあり、すべてのニキビ跡にピコフラクショナルが適しているわけではないのでそこは医師の診断に仰ぎましょう。
関連記事:ピコフラクショナルは毛穴に効果ある?回数やダウンタイムを解説
トライビームとは
トライビームも、シミや肝斑などの色素悩みから、毛穴や肌のハリまで幅広い肌悩みに使われるレーザーです。照射方法によって狙う悩みが変わるため、色ムラを整えたいのか、毛穴やハリを改善したいのかで使い分けます。
トーニングモード
肝斑やくすみなど、顔全体の色ムラを整えたい方にはピコレーザー同様、トーニングモードが使われます。
顔全体に低出力のレーザーを照射し、肌の色ムラを少しずつ整えていく方法です。特定のシミだけを狙うのではなく、広い範囲の色素に働きかけるため、肝斑や顔全体のくすみが気になる方に適しています。
ロングパルスモード
毛穴の開きや肌のハリ不足など、色素以外の肌悩みにはロングパルスモードが使われることがあります。
トーニングのように色素を整えることを主な目的とせず、レーザーの熱エネルギーを利用して肌質の改善を目指す照射方法です。たとえば、シミの色ではなく「毛穴が目立つ」「肌のハリがなくなってきた」といった悩みが中心の場合に検討されます。
ピコレーザーとトライビームはどちらが向いている?
幅広い肌悩みに対応したい方は、ピコレーザーがおすすめです。
ピコレーザーは、シミ・そばかすだけでなく、肝斑・くすみ・毛穴・ニキビ跡など、悩みに合わせて照射方法を変えられます。一方、トライビームもシミや肝斑などに使われるため、どちらが合うかは肌悩みごとに判断することが大切です。ここから、シミ・そばかす、肝斑・くすみ、毛穴・ニキビ跡の3つに分けて、向いている治療を解説します。
シミ・そばかすを改善したい場合

濃くはっきりしたシミやそばかすには、ピコレーザーのピコスポットが向いています。
気になる部分だけに集中して照射でき、ナノ秒レーザーと比べて照射時間が短いため、周囲の肌への熱の影響を抑えやすいのが特徴です。そのため、シミを狙いながら肌への負担を抑えることができます。
ピコレーザーは、ピコ秒単位の非常に短い時間でレーザーを照射し、シミの原因となるメラニンを細かく砕きます。色素を細かくすることで体外へ排出されやすくなり、シミを薄くする効果が期待できます。また、周囲の組織へ熱が広がりにくいため、従来のナノ秒レーザーと比べてダウンタイムを抑えやすい点もメリットです。
肝斑・くすみを改善したい場合

肝斑や顔全体のくすみには、ピコレーザーのピコトーニングが向いています。
ピコトーニングは低出力のレーザーを顔全体に照射し、メラニンを少しずつ減らしていく治療です。肝斑のように強い刺激を避けながら、顔全体の色ムラやくすみを改善したい方に適しています。
トライビームにもトーニングによる肝斑治療がありますが、ピコトーニングはピコ秒単位の短い照射によって、熱を周囲に広げにくいのが特徴です。そのため、肝斑への刺激を抑えながら、くすみや色ムラを少しずつ改善することができるため、ピコレーザーがおすすめになります。
毛穴・ニキビ跡を改善したい場合

毛穴の開きやニキビ跡の凹凸を改善したい方は、ピコレーザーのピコフラクショナルが向いています。
ピコフラクショナルは、肌に点状にレーザーを照射してコラーゲンの生成を促し、毛穴の開きやニキビ跡の凹凸を整える治療です。色素を狙う治療とは異なり、肌の凹凸そのものにアプローチできます。
トライビームにもロングパルスモードがありますが、こちらはレーザーの熱を利用して肌のハリや毛穴の改善を目指す治療です。一方、ピコフラクショナルはレーザーを点状に照射することで、肌の表面に大きなダメージを与えずに、肌質改善を狙える点が優れています。
ピコレーザーとトライビームの副作用・注意点
ピコレーザーとトライビームは、どちらもシミや肝斑などの治療に使われる医療レーザーですが、照射後に赤みや色素沈着などが起こることがあります。特に肝斑は照射方法を誤ると濃くなることがあるため、肌悩みに合った治療を選ぶことが大切です。ここでは、施術前に知っておきたい副作用と注意点を解説します。
色素沈着や色素脱失が起こることがある
レーザー後は、色素沈着や色素脱失が起こることがあるため、肌の状態に合わせた出力で照射することが大切です。
特にシミ取り後は、一時的に赤みが出たあと茶色くなることがあり、これを炎症後色素沈着といいます。反対に、まれに照射した部分の色が周囲より白くなることもあります。
こうした変化は、レーザーによる刺激で肌の色を作る働きが一時的に変化することが原因です。日焼けした肌や刺激を受けやすい肌のかたは、照射後に色素沈着の恐れもあるので注意が必要です。
そのため、シミの濃さだけでなく、肌質や日焼けの状態まで確認して出力を調整します。「シミを早く消したいから強く照射する」のではなく、肌状態に合った強さで治療することが重要です。
肝斑は照射方法に注意が必要
肝斑がある場合は、通常のシミ取りと同じように強いレーザーを当てないことが重要です。
肝斑はレーザーの刺激によって色が濃くなることがあるため、まずは内服薬などでメラニンの生成を抑え、肌の状態が落ち着いてからピコトーニングを行うことがあります。当院では、肝斑の状態を確認したうえで、内服薬などでメラニンを抑える治療を行ってから、ピコトーニングを開始するケースが多いです。
施術後は紫外線対策と保湿を行う
レーザー後は、紫外線と肌への摩擦を避けることが大切です。
照射後の肌は一時的に刺激を受けやすく、紫外線や強い摩擦が加わると、赤みや色素沈着が長引くことがあります。
外出時は日焼け止めや帽子などで紫外線を防ぎ、洗顔やスキンケアでは肌を強くこすらないようにします。特にスポット照射後にかさぶたができた場合は、無理に剥がさず自然に取れるまで待つことが大切です。
また、照射直後は肌が敏感になっているため、刺激の強い化粧品やピーリングなどを自己判断で追加するのは避けてください。「紫外線を防ぐ」「こすらない」「かさぶたを剥がさない」の3点を守ることが、照射後の肌を守るポイントです。レーザー後のケアについて詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
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当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくシミの種類をチェックいたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
まとめ
ピコレーザーとトライビームで迷った場合、**シミ・そばかすから肝斑・くすみ、毛穴・ニキビ跡まで幅広く治療したい方は、ピコレーザーが向いています。ピコレーザーは、肌悩みに合わせてピコスポット・ピコトーニング・ピコフラクショナルを使い分けられることが大きな特徴です。重要なポイントは以下の通りです。
- ・シミ・そばかす:ピコスポットで気になる色素をピンポイントに治療
- ・肝斑・くすみ:ピコトーニングで顔全体の色ムラを整える
- ・毛穴・ニキビ跡:ピコフラクショナルで肌の凹凸や肌質を改善
- ・トライビーム:シミや肝斑などに使われるため、肌状態によって適した治療が異なる
一方で、肝斑に強いレーザーを照射すると色が濃くなることがあるなど、レーザーは肌状態に合わせた照射方法の選択が必要です。「ピコレーザーだから安心」「トライビームだから効果がない」と機器だけで判断するのではなく、シミの種類や肌状態を確認して治療を決めることが大切です。どちらを選べばよいかわからない方は、まず診察で肌状態を確認し、自分の悩みに合った照射方法を相談しましょう。
このページの監修医師

記事医師監修
土屋 皓大
ハートライフクリニック院長
・日本形成外科学会認定専門医
・日本医師会認定産業医
・乳房インプラント責任医師
・臨床研修指導医
・日本形成外科学会
・日本形成外科学会(JSAPS)
・日本美容皮膚科学会
・日本創傷外科学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会




