重症ニキビが治らない原因と対策

ニキビが赤く腫れたり、痛みや膿を伴ったりしている場合、「これはもう重症なのでは」と不安になられてご相談に来られる患者さまも少なくありません。市販薬や皮膚科の治療を続けているのに改善せず、同じ場所に繰り返しできると、将来ニキビ跡が残るのではと心配になられる方も多いと思います。
そこで今回は、重症ニキビの判断基準、治らない理由、治療の選択肢を解説し、後悔しないために今知っておくべきポイントをご紹介します。
ニキビ重症は放置すると跡が残りやすい
赤く腫れたニキビや、膿を伴うニキビは、放置するとニキビ跡として残りやすくなります。これは、炎症が皮膚の表面だけでなく、内側の組織にまで及ぶためです。
軽いニキビであれば、毛穴の詰まりが中心のため、自然に引いて跡が残らないこともあります。
一方、重症ニキビは、周囲の皮膚組織まで炎症が広がり、治ったあとも赤みや色素沈着、凹凸として残ることがあります。「いずれ治るだろう」と様子を見る期間が長くなるほど、皮膚へのダメージは蓄積しやすくなります。将来の肌トラブルを防ぐためには、重症化のサインを早めに見極め、放置しないことが重要です。
重症ニキビは炎症が深く自然治癒しにくい

赤みや強い腫れ、押すと痛むニキビは、炎症が皮膚の深い層まで及んでいる状態です。
参考画像にありますように、この段階になると肌診断機器で肌内部を見ると赤く炎症していることがわかります。
重症ニキビになると、肌が本来持っている回復力だけでは炎症を十分に抑えきれず、治るまでに時間がかかります。
たとえば、最初は小さな赤みだったニキビが、数週間たってもしこりのように残る場合、炎症が慢性化している可能性があります。こうした状態では、同じ毛穴で繰り返しニキビができやすくなり、「ずっと治らないニキビ」に変わっていきます。
時間が経てば自然に引くと思って放置すると、かえって治りにくくなり、ニキビ跡につながるリスクが高まります。
早期に治療を始めることで将来の肌ダメージを防げる

炎症が強くなる前に適切な治療を始めることで、皮膚の深いダメージを最小限に抑えやすくなります。その結果、治ったあとに赤みが長く残ったり、クレーター状の跡ができたりするリスクを下げることができます。
一方、膿が出るほど悪化してから治療を始めた場合、炎症が落ち着いても、皮膚の構造そのものが傷ついているため、見た目の回復に時間がかかることがあります。
「もう少し様子を見よう」と我慢するよりも、重症化の兆しが見えた時点で受診することが、将来の肌を守ることにつながります。
ニキビ重症の判断基準を知る
自分のニキビが重症かどうかは、見た目の印象だけでは正確に判断できません。医療現場では、ニキビの種類、炎症の有無、数、広がり方などを総合的に見て重症度を判断します。
炎症の有無とニキビの数で重症度は分かれる

白ニキビは毛穴が詰まっている段階で、まだ炎症が起きていない状態です。一方、赤ニキビは炎症が起きており、治療の難易度が一段階上がります。
赤く腫れたニキビの数が増えるほど、皮膚全体の炎症レベルも高くなり、治療に時間がかかりやすくなります。
たとえば、数個の白ニキビが中心であればセルフケアでも改善が期待できますが、顔全体に赤ニキビが広がっている場合は、重症に近い状態と考えたほうがよいでしょう。赤ニキビの治し方や見分け方について詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
ガイドラインで示される重症ニキビの目安
医療現場では、日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡治療ガイドライン」に基づき、主に炎症性ニキビ(赤ニキビ・膿ニキビ)の数と分布から重症ニキビかどうかを判断します。
- 炎症性の赤ニキビや黄ニキビが顔全体で20個以上ある
- 頬・フェイスライン・顎など広範囲にニキビが分布している
- 5mm以上の硬いしこり(結節・嚢腫)がみられる
といった場合は、中等症〜重症に分類されることが多いとされています。
特に、炎症性ニキビが30個以上ある場合や、しこり状のニキビを繰り返す場合は、外用薬や市販薬のみでは改善が難しく、美容皮膚科での治療が必要になるケースが多いです。
色と症状で分かる重症ニキビの進行段階
ニキビの色や見た目の変化によっても重症ニキビかどうかを判断することができます。色が濃くなるほど、炎症が強く、皮膚の深い部分まで影響している可能性が高くなります。見た目の変化は単なる表面の問題ではなく、ニキビ跡リスクを判断する重要なサインでもあります。
赤ニキビは炎症が進行しているサイン

赤ニキビは、毛穴の中で細菌が増え、炎症反応が起きている状態です。触ると痛みを感じたり、熱を持ったように感じる場合は、炎症が活発化しているサインと考えられます。
この段階では、刺激を加えることで炎症がさらに広がりやすくなります。つぶす、強く押す、頻繁に触るといった行為は、炎症物質を周囲に広げ、治るまでの期間を長引かせる原因になります。
赤ニキビが増えてきた場合は、「まだ軽い段階」と考えず、重症化の入り口に立っている可能性があると捉えることが重要です。
黄ニキビや紫ニキビは瘢痕リスクが高い状態

黄ニキビは、炎症が進行し、膿がたまっている状態です。この段階では、皮膚の深い部分まで炎症が及んでいることが多く、ニキビ跡が残りやすくなります。
さらに、紫色っぽく見えるニキビや、暗赤色のしこり状のニキビは、炎症が長期間続き、血管や周囲組織にまでダメージが及んでいる可能性があります。
この状態になると、炎症が引いても、赤みや色素沈着、凹凸として跡が残るリスクが高くなります。見た目が濃く、硬さを感じるニキビは、早めに美容皮膚科に相談しましょう。紫ニキビの治療方法や特徴についてくわしくは以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:紫ニキビは自力で治る?原因から治療・予防まで完全解説
ニキビが重症化する原因は一つではない
重症ニキビは、単一の原因だけで起こることはほとんどありません。皮脂分泌、毛穴の詰まり、細菌、生活習慣、スキンケアなど、複数の要因が重なって炎症が長引き、重症化していきます。
原因を一つに決めつけるのではなく、どこに悪化の引き金があるのかを整理して考えることが、改善への近道になります。
皮脂分泌と毛穴づまりが炎症を長引かせる

皮脂の分泌が多い状態が続くと、毛穴の中に皮脂と角質がたまりやすくなります。これにより毛穴が塞がれ、細菌が増えやすい環境が作られます。
毛穴の出口がふさがったまま炎症が起こると、膿や炎症物質が外に逃げにくくなり、炎症が内部に広がりやすくなります。
この状態が続くと、軽いニキビが赤ニキビへ、さらに膿を伴うニキビへと進行しやすくなり、結果として重症化につながってしまいます。
生活習慣や誤ったスキンケアが悪化を招く

眠不足や強いストレスが続くと、ホルモンバランスが乱れ、皮脂分泌が増えやすくなります。また、1日3回以上洗顔を行うなどの洗いすぎやスクラブの使いすぎなど、刺激の強いスキンケアは、肌のバリア機能を低下させ、炎症を悪化させる原因になります。
「しっかり洗えば治る」「さっぱりさせた方がいい」と思って行っているケアが、実際には肌を傷つけ、ニキビを長引かせているケースも少なくありません。
治らないニキビが続く場合は、生活リズムやスキンケア方法そのものを見直す必要があります。
皮膚科や市販薬で改善しない理由
皮膚科や市販薬で改善しない理由は、治療手段とニキビの重症度が合っていないことが原因です。軽症を想定した治療を重症ニキビに続けていると、炎症を一時的に抑えられても、根本的な改善につながらず、再発を繰り返しやすくなります。
外用薬中心の治療では根本改善が難しい

塗り薬は、炎症を抑えたり、毛穴の詰まりを改善したりする上で重要な役割があります。ただし、外用薬はあくまで「皮膚の表面からの治療」が中心です。
皮脂分泌が多い状態や、体の内側の要因が強い場合、塗り薬だけでは十分にな効果を期待することができません。
たとえば、赤ニキビが減っても、しばらくすると同じ場所に再発する場合、炎症の原因が皮脂分泌やホルモンバランスなど、外側からの治療では届きにくい部分に残っている可能性があります。
このようなケースでは、外用だけに頼る治療では限界があるため、肌治療の専門治療である美容皮膚科での治療を検討しましょう。
保険診療では治療選択肢に限界がある

保険診療では、ガイドラインに沿った標準治療が中心となります。これにより、軽症のニキビは改善しますが、重症ニキビでは十分な効果が期待できません。
特に、皮脂分泌を長期的に強く抑える治療や、重症例に用いられるレーザー治療や内服治療は、保険診療の枠では使用できないことがあります。
そのため、炎症を一時的に抑えることはできても、ニキビができにくい肌状態を作るところまで十分に届かず、「治っては再発する」を繰り返すケースがあります。
これは保険治療が無意味ということではなく、軽症〜中等症向けの役割が中心であり、重症ニキビは治療は管轄外ということを覚えておいた方が良いかもしれません。
重症ニキビでは治療方針の見直しが必要になる
重症化したニキビでは、これまでと同じ治療を続けるだけでは、改善スピードや再発予防の面で不十分になることがあります。
炎症の強さや再発の頻度に応じて、治療の考え方そのものを切り替えることが、結果的にニキビ跡の予防につながります。
内服薬を含めた医療的アプローチが検討される

重症ニキビでは、外用薬に加えて、内服薬による治療が検討されることがあります。内服薬は、炎症を体の内側から抑えたり、皮脂分泌に影響を与えたりすることで、ニキビができにくい状態を作ることを目的とします。
赤ニキビや膿ニキビが多い場合、外側からの治療だけでは追いつかず、内側から内服薬を摂取することで、炎症の勢いを抑えることで、治療効果が安定しやすくなります。
この段階では、短期間での改善だけでなく、「再発しにくい状態を作る」ことが治療の目的になります。
自由診療が選択肢に入るケースがある

さきほど説明したように、重症ニキビでは、保険診療の範囲だけでは十分な治療が難しいです。
自由診療では、皮脂分泌を強く抑える治療や重症例に対応した内服治療など、より踏み込んだアプローチが可能になります。
ただし、自由診療は効果だけでなく、安全性や管理体制も重要です。医師の管理のもとで、リスクと効果を理解した上で進めることが、重症ニキビ治療では欠かせません。
イソトレチノインは重症ニキビの治療選択肢の一つ
イソトレチノインは、重症ニキビや再発を繰り返すニキビに対して用いられる内服薬の一つです。すべての人に適応となるわけではありませんが、他の治療で十分な効果が出なかったケースで検討されることがあります。強い効果が期待できる一方で、正しい管理と理解が必要な薬でもあります。
皮脂分泌を抑えることで再発を防ぐ治療

イソトレチノインは、皮脂腺に作用し、皮脂の分泌そのものを抑える働きがあります。これにより、毛穴の中に皮脂がたまりにくくなり、ニキビができにくい環境を作ります。
外用薬や抗生物質のように炎症だけを抑えるのではなく、ニキビの土台となる皮脂分泌に直接働きかける点が、大きな特徴です。
そのため、治療終了後もニキビが再発しにくくなるケースがあり、「繰り返す重症ニキビ」に対して選ばれる理由の一つになっています。
副作用や服用条件を理解した上で使用する
イソトレチノインは、皮膚や唇の強い乾燥、血液検査値の変化などの副作用が起こることがあります。また、妊娠中や妊娠の可能性がある場合は使用できないなど、厳格な服用条件があります。
定期的な診察や血液検査を行いながら、安全に管理された環境で使用することが前提となります。
自己判断で使用できる薬ではなく、医師の説明を受けたうえで、リスクと効果を理解して選択する治療であることが重要です。イソトレチノインに関して詳しくは関連ページをご覧ください。
重症ニキビで後悔しないために意識したいこと
重症ニキビは、対応が遅れるほど、ニキビ跡やクレーターとして残るリスクが高くなります。今の状態を正しく判断し、早い段階で適切な治療に切り替えることが、将来の肌状態を大きく左右します。
自己判断を避け医師の診断を受ける

ネット情報や市販薬だけで重症度を判断すると、実際より軽く見積もってしまうことがあります。
赤ニキビや膿ニキビが増えている、しこりのようなニキビが出てきている場合は、見た目以上に炎症が深く進んでいることも少なくありません。
医師による正式な診断を受けることで、軽症・中等症・重症のどこに当てはまるのかが明確になり、治療の方向性を早い段階で修正できます。
悪化させる生活習慣を見直す

治療と並行して、生活習慣の見直しも重要です。
睡眠不足、強いストレス、糖質や脂質に偏った食事、洗いすぎなどは、皮脂分泌や炎症を長引かせる要因になります。
薬だけに頼るのではなく、肌にとって悪化要因になっている習慣を減らすことで、治療効果が安定しやすくなり、再発リスクの低下にもつながります。
ニキビ治療の症例写真【当院症例】
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まとめ
重症ニキビは、炎症が皮膚の深い部分まで及び、自然に治りにくく、ニキビ跡が残りやすい状態です。
炎症ニキビの数や分布、しこりの有無などから重症度を客観的に判断し、外用薬だけで改善しない場合は、治療方針の見直しが必要になることがあります。内服治療や自由診療を含めた選択肢を検討することで、再発を繰り返さない肌状態を目指すことが可能になります。
重症化を感じた段階で、早めに医師へ相談し、自分の状態に合った治療を選ぶことが、ニキビ跡を残さないための重要な一歩になります。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



