思春期ニキビの対策!原因・予防・皮膚科治療の流れ

当院でニキビ治療を受けに来院される方の8割以上が、10代から20代の皆さんです。その中で特に多いのが、思春期ニキビです。思春期ニキビは放置すると跡が残りやすいのが特徴で、ニキビ跡にお悩みの患者さまも少なくありません。そこで今回は、原因の正体から毎日の予防法、皮膚科での治療の流れまで、具体的に解説します。これを読めば、自分の肌に合ったケアがすぐ始められます。
思春期ニキビは早めのケアが鍵
思春期はホルモンの影響で皮脂が急増し、ニキビが悪化しやすいため、早めのケアが鍵です。先ほど説明したように放置すると跡が残り、治りにくくなります。今あるニキビだけでなく、できる前から肌を整えるのが治療の近道です。
まず守る3原則

思春期ニキビのケアでまず守る3原則は、「洗顔は優しく1日2回」「洗顔後は保湿」「触らない・つぶさない」の3つです。これらを守るだけで、悪化を防ぐことができます。
| 洗顔 | 洗顔は朝晩の2回、指の腹で優しく泡立てて行いましょう。やりがちなゴシゴシこすりは毛穴を傷つけてしまいます。例えば、学校帰りに汗を洗い流すつもりで強く洗うと逆効果になってしまいます。 |
|---|---|
| 保湿 | 洗顔後は肌が乾燥しやすいので、女性・男性関係なく、化粧水や乳液で保湿を忘れずにしましょう。乾燥すると皮脂が余計に出てニキビが増えやすくなります。冷たい水で洗った後、すぐに塗る習慣をつけましょう。 |
| 潰さない | 触らない・つぶさないルールは一番大事です。鏡の前で指で押すと、膿が周りに広がり跡が残りやすくなります。気になるときは清潔なティッシュで軽く押さえるだけにしてください。ニキビを潰してしまったリスクについて詳しくは以前投稿した関連記事をご覧ください。 |
今日からこの3つを実践すれば、肌の調子が良くなります。
ニキビ跡を残しやすいサイン

ニキビ跡を残しやすいサインは、赤みが強い、痛みを伴う、黄みの膿が出る、硬いしこりができる、同じ場所に繰り返すの5つです。これらが出たら放置せず、早めに手を打ちましょう。各特徴や注意点について下記にまとめてみました。
| 赤みが強いニキビ | 赤みが強いニキビは炎症が深く、自己流で潰すと皮膚が傷つき赤い跡が残るため厳禁です。 |
|---|---|
| 痛いニキビ 黄みの膿 | 痛いニキビや黄みの膿がある場合は、細菌が増えやすく、触ると周囲に広がって治りにくくなります。鏡で膿を絞ろうとするのは逆効果なのでやめましょう。 |
| 硬いしこり | 硬いしこりは毛穴の奥が腫れた状態で、治るまで時間がかかるニキビです。 |
| 同じ場所に何度も できる | 同じ場所に何度もできるなら、根本原因があり、跡のへこみが残りやすいのです。 |
これらのサインが出たら、清潔に保ち皮膚科や美容皮膚科に相談しましょう。早ければ早いほど跡を防ぎ、早期にニキビを改善することが可能です。
思春期ニキビが増える理由
思春期ニキビが増える主な理由は、ホルモンの変化で皮脂が急に増えることです。皮脂が増えると毛穴が詰まり、アクネ菌がそこで増え、炎症を起こします。そこに摩擦や洗い残しが加わると一気に悪化します。この流れを知れば、毎日のケアで防ぐことができます。
性ホルモンで皮脂が増える

思春期に第二次性徴が始まると、性ホルモンが活発になり、皮脂がぐんと増えます。これがニキビの土台となります。
12歳前後から男性ホルモンや女性ホルモンが増え、皮脂腺が刺激されて油分をたくさん作ります。特にTゾーン(おでこ・鼻)や頰は皮脂腺が多く、テカりやすいのが特徴です。
皮脂が増えると、毛穴の中に油と古い角質が溜まり、詰まりやすくなります。詰まった毛穴はアクネ菌の住処になり、ニキビの原因に。毎朝のテカリを感じたら、早めに優しく洗顔を行い対処しましょう。
アクネ菌が増える

毛穴の詰まりが続き、アクネ菌がその中で増えると、ニキビが赤く腫れ上がります。この流れを早めに止めることが大事です。
詰まった毛穴はアクネ菌の格好の住処になります。そのため、白ニキビや黒ニキビの段階で正しい洗顔を続けていれば、菌が増えずに済みます。しかし、放置してしまうと菌が活発になり、周りの皮膚を刺激して赤い炎症を引き起こしてしまいます。
炎症が進むと治りが遅くなり、跡が残りやすくなるので要注意です。このポイントを守れば、腫れを最小限に抑えられます。
前髪・マスク・汗・洗い残し

前髪の擦れ、マスクのムレ、部活の汗、シャンプーや洗顔のすすぎ残しが毛穴を詰まらせて思春期ニキビを悪化させます。毎日の習慣を変えるだけで改善します。
| 前髪の擦れ | 前髪が頰に当たると、毎日擦れて肌が傷つき、ニキビができやすくなります。例えば、長い前髪をそのままにすると、額や頰に赤いぶつれが出やすくなります。ピンで留めたり、短くしたりしましょう。 |
|---|---|
| マスク | マスクの中は湿気がこもり、汗も菌を増やします。こまめに外したり、必ず1日1回はマスクを取り帰りましょう。 |
| 汗 | 部活の後、汗をそのままにすると肌が荒れます。かいたらすぐタオルで優しく拭き取るようにしましょう。 |
| すすぎ残し | シャンプーや洗顔の泡が残ると、毛穴を塞ぎます。お風呂で頰を指でなぞってみてください、ぬるぬるしたらすすぎ不足です。ぬるま湯で2回流す習慣をつけましょう。 |
思春期ニキビの種類と対策

思春期ニキビは種類によって対策が変わります。白ニキビや黒ニキビは毛穴の詰まりが中心で、赤ニキビや黄ニキビは炎症が主です。自己判断で強い薬や洗顔をすると悪化しやすいので注意してください。次の見出しで正しい治療の選び方について詳しく解説します。
白・黒ニキビ

白ニキビと黒ニキビは、まだ炎症がない初期の段階です。この時期にきちんとケアすれば、簡単に治ります。
白ニキビは毛穴の入り口が白くふさがった小さな粒で、指で触るとザラザラします。黒ニキビは毛穴に黒い点が見えるものです。これらは汚れではなく、余った皮脂が空気に触れて黒く変色しただけです。
【ケア方法】
ケアのポイントは3つです。まず、刺激の少ない洗顔を朝晩行います。泡を立てて優しくなでるように洗い、ゴシゴシは絶対にNGです。次に、洗顔後はすぐに化粧水や乳液で保湿してください。肌が乾くと皮脂が余計に出てしまいます。最後に、市販の角質ケア洗顔料を週2回使って毛穴の詰まりを防ぎます。学校から帰って汗を流すついでに続けやすいですよ。これらを続けることで家でも十分治すことができます。
関連記事:白いニキビは何が原因?正しいケア方法・早く治す習慣をまとめて解説
赤・黄ニキビ

赤ニキビと黄ニキビは、赤く腫れて痛み、膿が見える炎症のサインです。この段階になると、触ると一気に悪化します。
赤ニキビは毛穴の奥で炎症が起き、熱を持って痛みます。黄ニキビは膿が溜まったもので、白っぽい頭が出ます。例えば、頰が赤く腫れて学校で気になって指で押すと、膿が飛び散り周りに広がります。これが跡の原因です。
触ると皮膚が傷つき、赤みやへこみが長く残ります。鏡の前で潰そうとするのは一番の間違いで、治るのに時間がかかります。
【ケア方法】
セルフケアでは限界があるので、肌の専門治療に強い美容皮膚科を受診してください。早い段階で治療を行えば、きれいに治すことができます。
関連記事:黄色ニキビの原因と治し方、悪化を防ぐ正しいケア方法を解説
思春期ニキビの治し方
思春期ニキビの治し方は「洗う→乾かしすぎない→守る→必要なら薬」の順番で進めます。この手順を毎日続けると効果が出やすいです。短期で判断せず、2週間以上見て継続してください。
洗顔

洗顔は1日2回を基本に、泡で肌を包むようにしてこすらないのが正しい手順です。これで毛穴の詰まりを優しく落とせます。
朝起きてすぐと夜寝る前に行うようにしましょう。
洗いすぎると肌の油分が全部取れて、かえって皮脂が増えます。1日3回以上は避け、2回で十分です。
【洗顔方法】
1.洗顔料を手に取り泡立てます。泡を顔に乗せて指の腹で転がすように洗い、絶対にこすらないでください。
2.ぬるま湯で生え際やあごの下まで丁寧にすすぎます。泡が残ると毛穴を塞ぐので、指で確認しながら2回流しましょう。
3.タオルは清潔なものを押し当てるように拭き、ゴシゴシはNGです。
洗顔後

洗顔後は時間を空けずに保湿するのが大事です。肌が乾くと皮脂が余計に出てニキビが増えやすくなります。保湿を欠かすと翌朝テカテカしてしまうので要注意です。保湿を行うことで肌のバランスが整います。
【洗顔後の保湿】
1.洗顔して5分以内に、まず化粧水を手に取りパシャパシャと顔全体に塗りましょう。
2.セラミドやヒアルロン酸が入った乳液を薄く伸ばしてなでます。これで水分を閉じ込められます。
ベタつきが気になる人は、化粧水を2回に分けて使い、乳液は米粒大を指先で軽く押さえる程度にしましょう。頰や額に集中して塗れば十分です。
スキンケア選び

思春期ニキビに合うスキンケアは、低刺激でノンコメドジェニック表示があり、香料やアルコールが少ないものを選びましょう。
低刺激とは、敏感肌用で保湿成分中心のものです。香料が強いものは避け、無香料を選んでください。成分がお肌に合わない可能性もあるので、いきなり顔全体に使わず、まず腕の内側に2日間試してみましょう。赤くならないか確認してから顔へ使用しましょう。これを行うことで失敗を減らし、続けやすくなります。
市販薬の使い分け

市販薬は白ニキビや黒ニキビの初期段階なら使えますが、炎症を起こした赤いニキビには使用を避けましょう。炎症が強いと刺激が強すぎて悪化してしまいます。
薬局で買う前に、パッケージの対象年齢や注意書きを必ず確認してください。大人用でも思春期の肌に合わない場合があります。例えば、鼻の黒い点に塗るなら「12歳以上OK」と書いてあるものを選びましょう。塗る範囲はニキビだけに絞り、1日2回以内にしましょう。
刺激やカサカサが出たらすぐ中止し皮膚科に相談してください。2種類を併用すると荒れやすいので、1つから始めましょう。
皮膚科に行く目安
皮膚科に行く目安は、家庭ケアで2週間改善しない、ニキビが増える、赤みや痛みが強い、膿やしこりがある、同じ場所に繰り返す場合です。これらが出たら早めに相談しましょう。
美容皮膚科の選択肢

思春期ニキビの治療では、保険適用の一般皮膚科に行かれる方も多いですが、美容皮膚科が最も有効な選択肢です。
一般皮膚科は炎症を抑える塗り薬や飲み薬を処方し、保険適用で安く済みますが、見た目がきれいになりにくく、根本治療にならないためニキビが繰り返すことがあります。一方、美容皮膚科ならきれいに治療でき、ニキビ跡の赤み、茶色い色素沈着、へこみもピーリングや光治療で改善します。例えば、韓国アイドルのようなツルツル肌を目指せます。
ただし、美容皮膚科は自費が多く費用がかかります。最初は一般皮膚科から始め、跡が気になる場合や見た目もキレイにしたい、根本的にキレイなお肌へ改善したい方は美容皮膚科へ移行しましょう。
ニキビ治療の症例写真【当院症例】
まずは無料カウンセリングを

当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくニキビの状態をチェックいたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
生活習慣で思春期ニキビを減らす
スキンケアだけでは限界があるので、生活習慣で皮脂や炎症を抑えましょう。睡眠不足やストレスでホルモンバランスが崩れ、食事の偏りや乾燥が悪化を招きます。完璧を目指さず、続けやすい工夫から始めると効果的です。各ポイントをまとめてみました。
睡眠不足とストレス

睡眠不足とストレスは皮脂を増やし、ニキビを悪化させます。夜更かしするとホルモンバランスが崩れ、朝のテカリがひどくなります。ストレスで無意識に顔を触る回数が増え、悪循環です。実行しやすい工夫は3つです。寝る1時間前はスマホを遠ざけ、7~8時間は睡眠時間を確保しましょう。
また、入浴でお湯に浸かると体が温まり眠りやすくなります。
食事

食事の偏りは思春期ニキビを悪化させやすいです。甘い飲料やお菓子、脂の多い食事が続くと、皮脂が増えやすい傾向があります。
調整のコツは、たんぱく質と野菜、食物繊維を意識することです。朝食に卵やヨーグルトを加え、昼にサラダを少し。夜は肉より魚を選びましょう。お弁当にブロッコリーを入れるだけで続けやすいです。ニキビについて良い食事については以前投稿した関連記事をご覧ください。
関連記事:ニキビができやすい人必見|食べ物と栄養から見直す対策法
乾燥対策

乾燥対策には、保湿を重ねるのが効果的です。
冬や花粉の時期は空気が乾き、肌の刺激で思春期ニキビが悪化しやすいです。乾燥すると皮脂が過剰に出て毛穴が詰まりますくなるからです。
具体的な対策としては、化粧水を2回塗り、その上からクリームを薄くのばします。例えば、学校から帰って手を洗ったら、すぐにこれを。リビングに加湿器を置き、湿度50%を目安に保ちましょう。
外出後は埃がつくので、優しく洗顔してすぐ保湿。刺激の強いピーリングなどは追加せず、基本を守ってください。花粉がついたマスクを外したら、顔をぬるま湯で流すだけです。具体的なスキンケアの方法については以前投稿した関連記事をご覧ください。
まとめ
思春期ニキビは早めのケアが鍵です。まず守る3原則として、洗顔は優しく1日2回、保湿を忘れず、触らない・つぶさないを徹底してください。原因はホルモンによる皮脂増加から毛穴づまり、アクネ菌の増殖、前髪や汗などの刺激です。白・黒ニキビは洗顔と保湿で、市販薬も初期なら有効ですが、赤・黄ニキビは皮膚科へ相談しましょう。悪化サインは赤み・痛み・膿・しこり・繰り返しで、2週間改善しなければ相談を。美容皮膚科は跡治療に強いです。NG習慣の洗いすぎやつぶすを避け、継続が大事。今日から実践してきれいな肌を手に入れましょう。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



