まずおすすめなのが、冷却ケアです。
これには明確な理由があります。レーザーや光の照射により、皮膚には軽い炎症が起こります。この炎症をできるだけ早く鎮めるために、冷却が非常に効果的なのです。保冷剤をタオルに包んで、赤くなった部分に10分程度当ててください。
ただし、直接氷を肌に当てるのは避けてください。以前、「早く治したくて氷を直接当てました」という患者さまがいらっしゃいましたが、かえって皮膚を傷めてしまいました。必ずタオルやガーゼで包んで使用してください。
冷却は施術当日だけでなく、翌日まで続けていただくのがお勧めです。「昨日は大丈夫だったのに、今日になって赤くなりました」という方もいらっしゃるので、油断は禁物です。

しっかりとした保湿ケアが、ダウンタイムを短縮する秘訣です
髭脱毛後の肌は、普段よりも乾燥しやすくなります。レーザーの熱により水分が奪われているためです。
「いつものスキンケアで大丈夫ですか？」とよく聞かれますが、アルコール系の化粧水や香料の強いクリームは避けてください。敏感になった肌には刺激が強すぎるからです。
おすすめは、無香料・無着色の低刺激性保湿剤です。薬局で売っているワセリンでも十分効果があります。「高い美容液を使わなくても良いんですか？」と驚かれる方もいますが、この時期は何よりもお肌への刺激が少ないことが大切です。
朝晩の2回、たっぷりと保湿剤を塗ってください。特に髭剃り後は肌が乾燥しやすいので、こまめなケアを心がけましょう。

ヒゲ剃りは、基本的には翌日から再開していただいて構いませんが、いくつか注意点があります。
①施術当日は髭剃りを控えてください。
肌が敏感になっているため、カミソリの刺激で炎症が悪化する可能性があります。「明日朝一番に大事な会議があるんです」という方もいらっしゃいますが、一日だけは我慢していただいています。
②翌日からの髭剃りでは、いつもより丁寧に行ってください。
シェービングフォームをたっぷりと使い、カミソリも新しいものに変えることをおすすめします。古いカミソリは雑菌が繁殖している可能性があり、敏感な肌には危険です。
③電気シェーバーがおすすめ。
電気シェーバーの方が肌への負担は少ないので、可能であれば一時的に切り替えていただくのも良いでしょう。「普段は深剃り派なんです」という方も、この期間だけは優しく剃ることを心がけてください。

髭脱毛後の数日間は、普段何気なく行っている行為が肌トラブルの原因になることがあります。
患者さまからの体験談をもとに、特に注意していただきたいポイントをお話しします。
まず、サウナや長時間の入浴は避けてください。「リラックスしたくてサウナに行きました」という方がいらっしゃいましたが、高温により炎症が悪化してしまいました。シャワー程度に留めて、お湯の温度もぬるめにしてください。
激しい運動も控えめにしていただいています。汗をかくと雑菌が繁殖しやすくなり、毛嚢炎の原因になる可能性があります。「ジム通いが日課なんです」という方には、軽いストレッチ程度に留めていただいています。
マッサージや顔のマスクも、施術後3日間は避けてください。良かれと思ってやったケアが、かえって肌に負担をかけることがあります。

髭脱毛後の肌は紫外線に対して非常に敏感になります。普段は平気な程度の日差しでも、色素沈着の原因になる可能性があります。
「日焼け止めは使って良いですか？」という質問もよく受けますが、刺激の少ない日焼け止めであれば問題ありません。SPF30程度の、無香料・無着色のものを選んでください。
外出時は帽子やマスクで物理的に紫外線をカットすることも効果的です。最近はマスク着用が一般的になったので、「隠せて助かります」という声もよく聞きます。
特に夏場の脱毛では、「海に行く予定があるんですが」という相談を受けることがあります。申し訳ありませんが、施術後1週間は海水浴やプールは控えていただいています。塩分や塩素が敏感な肌には刺激となるからです。

髭脱毛後の肌は、毛嚢炎などのトラブルが起こりやすくなります。清潔に保つことで、これらのリスクを大幅に減らすことができます。
洗顔は普段より優しく、でも確実に行ってください。「ゴシゴシ洗わないと汚れが落ちない気がして」という方もいらっしゃいますが、泡で包み込むように洗うだけで十分です。
タオルで顔を拭く時も、押し当てるようにして水分を取ってください。擦ると摩擦で炎症が悪化する可能性があります。「新しいタオルを使った方が良いですか？」という質問もありますが、清潔であれば普段のタオルで構いません。
枕カバーやシーツもこまめに交換していただけると、より安心です。就寝中に雑菌が顔に付着するのを防ぐためです。

最後に、最も大切なポイントをお伝えします。ダウンタイムの症状が思ったより強い、または長引く場合は、遠慮せずにクリニックへご相談ください。「こんなことで電話してもいいのかな」と迷う方もいらっしゃいますが、どんな小さな心配事でも構いません。早めにご相談いただくことで、症状の悪化を防ぐことができます。

特に、強い痛みが続く場合や膿が出る、発熱があるといった症状が現れた場合は、感染症の可能性もあるため、すぐにご連絡ください。「薬をもらった方がいいでしょうか？」というご質問もよくいただきますが、症状によっては抗生物質や抗炎症薬を処方することもありますので、まずは状況をお知らせください。

また、クリニックによっては電話やメールだけでなく、LINEでの相談にも対応している場合があります。安心してご利用ください。

髭脱毛後、赤みや腫れなどのダウンタイムが治まってきた頃、口周りや鼻下のヒゲが一時的に濃く見える「泥棒髭」という現象が現れることがあります。これはヒゲが実際に増えたわけではなく、レーザーや光の照射によって毛が膨張し、黒く目立つようになった状態ですが、実は正常な反応です。

泥棒髭は、レーザーで処理された髭が毛穴の中で膨張することで起こります。
ダメージを受けた毛は太くなり、同時に黒ずんで見えるため、一時的に髭が濃くなったように感じるのです。
「本当に脱毛できているんでしょうか？」と心配される方も多いのですが、これはむしろ脱毛が成功している証拠です。
毛根がしっかりとダメージを受けているから起こる現象なのです。