
当院には、シミでお悩みの患者さまが多く通院されています。20代のうちは「シミはまだ先」と思われがちですが、実際には20代からシミに悩む方も少なくありません。今回は、20代で目立ちやすいシミの種類や原因、さらに20代の方に向けたシミ取り治療についてお話しします。
20代のシミは早期対策が最も効果的
20代の肌は生まれ変わりのサイクルが整っているため、シミ治療の効果が出やすい時期です。
その一方で、この時期にできたシミを放置すると、年齢とともに濃く・範囲も広くなりやすく、将来の大きなシミの原因になります。20代のうちから紫外線対策や適切な治療を始めておくことが、将来のシミ予防にとって最も効果的な「早期対策」と言えます。
将来の濃いシミを防ぐ
20代のうちに紫外線対策や保湿ケア、必要に応じたシミ治療を始めておくと、30代以降に増えてくる老人性色素斑(いわゆる「日焼けジミ」)を作りにくくできます。たとえると、毎日少しずつ日焼け止めを塗っておくと「薄い汚れのうちに拭き取れる」のに対し、何年も放置するとこびりついて落ちにくくなるイメージです。20代でメラニンの蓄積を抑えておくことが、将来の濃いシミを減らす一番の近道です。
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関連記事:シミは何歳から?20代・30代・40代・50代シミのなぜを解説
20代に多いシミの種類|シミの種類をチェックしよう
20代に多いシミの種類は主に「炎症後色素沈着」「そばかす」「ADM(遅発性両側性太田母斑)」の3つです。シミは種類によって、治療効果や対処法が大きく異なります。そのため、シミの種類を正しく見極めることが、治療成功のための最初の一歩となります。ここでは、ご自分で簡単にできるシミの種類のセルフチェック方法をご紹介します。気になるシミの特徴を知ることで、自分のシミがどのタイプか、ある程度見分ける目安になります。セルフチェックをきっかけに、適切なケアや治療を考える第一歩として活用してください。
炎症後色素沈着とニキビ跡

ニキビが悪化すると、その炎症が肌の奥まで広がり、肌を守ろうとする細胞(メラノサイト)が刺激されて、メラニンという色素を過剰に作り出します。その色素が肌にたまって茶色い跡として残ってしまうのが、炎症後色素沈着です。肌の新しい細胞が生まれ変わる「ターンオーバー」がうまく進まず、色素が取れにくくなることも原因です。これが、ニキビが治った後にシミのような茶色い跡ができる理由です。
炎症後色素沈着とニキビ跡のセルフチェック
- ニキビをつぶしたり触ったりしていませんか?
- 治ったはずのニキビが茶色や赤みの残る跡になっていませんか?
- 跡の色が茶色や黒っぽい
- 跡に赤みである。炎症がまだ続いている
- 跡の色が茶色や黒っぽい
これらが当てはまる方は炎症後色素沈着とニキビ跡の可能性が高いです。
そばかす

そばかすは主に遺伝の影響が強く、両親や家族にそばかすがある場合、10代頃から現れやすい特徴があります。これは、肌の色素を作る細胞が活発で、メラニンが集まりやすい体質を受け継いでいるためです。さらに、紫外線を浴びると肌がメラニンを増やして防ごうとするため、そばかすが濃くなったり数が増えたりします。
そばかすのセルフチェック
- 子どもの頃からありませんか?
- 遺伝的に家族にもそばかすがある人がいますか?
- 顔の中央、特に頬や鼻に小さな茶色い点々がたくさんありますか?
- それらの斑点は1~4mm程度で、広い範囲に集まって現れていますか?
- 紫外線に当たると、そばかすが濃くなったり増えたりしますか?
これらが当てはまる方はそばかすの可能性が高いです。
関連記事:そばかすとシミの違いを徹底解説|原因・見分け方・効果的な予防と治療法
ADM

ADMは20代でできやすい青みがかったシミで、頬骨あたりに左右対称に現れることが多いです。普通の美白剤や光治療ではなかなか薄くならず、専門の治療が必要です。ADMはメラニン色素を作る細胞メラノサイトが、皮膚の表面より深い真皮と呼ばれる層で活発になるため、色が灰色や青褐色に見えます。紫外線や肌をこする刺激、ホルモンの影響が関係していると考えられています。
ADMのセルフチェック
- 両頬に左右対称で青みや灰色がかったシミが出ていますか?
- シミの色が普通の茶色ではなく、くすんだ灰色や青褐色に見えますか?
- シミが目の下や頬骨、こめかみ付近に集まっていますか?
- 20代以降に急に現れ始めましたか?
- 普通の美白や光治療でシミが薄くならないと感じますか?
これらが当てはまる方はADMの可能性が高いです。
関連記事:【医師監修】シミADMとは?原因・見分け方と治療法を徹底解説
シミを増やす原因

20代のシミは、紫外線の強い影響や肌への摩擦、乾燥によって悪化しやすいです。また、生活習慣の乱れやホルモンバランスの変動もシミの進行を早める要因となります。ここでの目的は、これらのシミを増やす原因を理解し、生活の中で改善すべきポイントを知っていただくことにあります。下記で詳しく説明させていただきます。
紫外線・摩擦・乾燥
20代でシミが悪化する大きな原因は「紫外線・摩擦・乾燥」です。
普段浴びる紫外線は肌を守るためにメラニンを増やしますが、過剰に浴びたり、日焼け止めを使わなかったりすると、メラニンが過剰に生成されシミを濃くさせてしまいます。
また、洗顔時やメイクの際に肌を強くこする摩擦も刺激となり、メラニンが増えやすくなります。
さらに、乾燥で肌のバリア機能が低下すると刺激に弱くなり、メラニン生成が進むため、これらを避けることがシミ悪化防止の鍵です。
生活習慣とホルモン変動
20代でシミが悪化するもう一つの原因は「生活習慣とホルモン変動」です。
睡眠不足やストレス、栄養不足は肌のターンオーバーを乱し、メラニンが肌にたまりやすくなります。特に女性は生理前後のホルモンの変動で肌の調子が崩れやすく、シミが濃くなる場合があります。ターンオーバーとは肌が生まれ変わるサイクルで、これが乱れると古いメラニンが排出されずシミとして残ってしまいます。規則正しい生活とバランスの良い食事、十分な休息がシミ予防には欠かせません。
シミ予防の習慣
20代から始めるべきシミ予防の基本習慣には、紫外線対策と保湿・摩擦対策が重要です。
これらはシミの原因を防ぐ大切なポイントであり、長期的な美肌づくりにも効果的です。詳しい内容や具体的なケア方法について下記でポイントを説明します。
紫外線対策

紫外線対策の基本は、日焼け止めをしっかり使い、物理的に紫外線を遮ることです。
日焼け止めには「SPF」と「PA」という指標があり、「SPF」はUV-B(肌が赤くなる紫外線)を防ぐ指標で、数値が高いほど防御力が強いです。一方「PA」はUV-A(肌の老化やシミの原因になる紫外線)を防ぐ力を示し、「PA+」から「PA++++」まで段階があります。
そのため、日常の買い物や散歩は「SPF30・PA++」で十分ですが、長時間の外出は「SPF50+・PA++++」を選び、2~3時間ごとに塗り直しましょう。屋内でも窓から入る紫外線があるため、室内でも日焼け止めを塗ることが大切です。
関連記事:日焼けが招くシミの原因と予防・改善法|紫外線対策から治療まで徹底解説
保湿と摩擦対策

保湿は肌のバリア機能を守るために非常に重要です。
肌が乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線や摩擦のダメージを受けやすくなり、メラニンが増えてシミの原因になります。具体的なスキンケアでは、まず洗顔後すぐに化粧水で水分を補給し、その後乳液やクリームでしっかり保湿しましょう。
日中も乾燥を感じたら保湿などをこまめに使用したり、保湿効果のある日焼け止めを使うのも効果的です。
摩擦を避けるため、顔は優しく押さえるように触り、タオルでゴシゴシこすらないことも大切です。
シミ取り治療は種類に合わせた医療施術が有効
シミはセルフケアだけで改善することには限界があります。そこで、医療施術を受けることで、メラニン色素を効果的に除去でき、短期間でシミを薄く改善することが可能です。代表的な治療にはレーザーや光治療、ピーリング、内服薬や外用薬があり、それぞれシミの種類や肌の状態に合わせて使い分けることで効率的にシミ取り治療が可能です。
シミごとに最適な治療法を選ぶ重要性

シミの種類を誤って自己判断し治療すると、かえって悪化するリスクがあります。だからこそ、正しい診断と最適な治療選択が最も重要です。
多くのクリニックでは医師の詳しい問診と診察でシミの種類が判別されますが、最近では信頼度の高いクリニックでは肌診断機器を用い、客観的かつ正確にシミの種類を判断するところも増えています。これにより、一人ひとりに合った効果的な治療が可能となります。
炎症後色素沈着・そばかす・ADMで治療が異なる理由

炎症後色素沈着、そばかす、ADMはメラニンの存在する深さや性質が異なるため、治療法が変わります。
炎症後色素沈着は肌の浅い部分にメラニンが溜まるため、比較的レーザーや外用薬が効果的でそばかすも表皮にメラニンが集中しているため、光治療や美白外用薬が有効です。
一方、ADMは真皮の深い層にメラニンがあり、青みがかって見えるため、レーザー治療を数回繰り返す必要があります。これらの違いを理解し、正しい治療を選ぶことが重要です。
複数施術の組み合わせで改善が早まる背景
シミ治療はピーリング・ケアシス・光治療・レーザーなど複数の施術を組み合わせることで、相乗効果が得られます。
ピーリングで肌の古い角質を取り除き、ケアシスで有効成分を深部まで浸透させ、光治療やレーザーでメラニンを破壊する流れが効率的です。これにより、単独施術よりも早くシミが薄くなり、肌全体のトーンアップやハリ改善も期待できます。複合的なアプローチが美肌への近道です。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくシミの種類をチェックいたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
シミ取り治療前後で注意すべきポイント
シミ取り治療では、事前にシミを悪化させるリスクを避ける行動と、治療後の適切なケアが非常に重要です。誤った判断やケア不足は症状の悪化や炎症後色素沈着の原因となります。下記で詳しいポイントを説明いたします。
シミを悪化させるリスクを避ける
- 施術前から日焼けを避け、紫外線対策を徹底する
- ピーリングやスクラブなど強い刺激のあるスキンケアは施術1週間前から控える
- 光感受性を高める薬(抗生物質や一部サプリなど)を服用している場合は医師に必ず伝える
- 施術当日はメイクをしないで肌を清潔に保つ
- 体調不良の際は施術を延期し、十分な睡眠と栄養をとって万全の状態で臨む
シミ取り治療前に避けるべき行動は、肌を日焼けさせることです。日焼けした肌に施術をすると、レーザーが黒くなった肌に過剰に反応し、やけどや色素沈着のリスクが高まるためです。また、ピーリングや強い刺激のスキンケアを続けると肌が敏感になりトラブルを招くため控えましょう。さいごに、施術当日に体調不良がある場合や服用中の薬がある場合は施術効果に影響を及ぼすため、万全の体調で挑むことが重要です。
治療後のケア
- 紫外線を避け、SPF30以上の日焼け止めを毎日使用する
- 肌を摩擦から守り、強くこすらないようやさしいケアを行う
- 充分に保湿し、肌のバリア機能を維持する
- かさぶたができても無理に剥がさず自然に治るのを待つ
- 医師指定の軟膏や美白成分入りの外用薬を正しく使う
これらを守ることで色素沈着や炎症の悪化を防ぎ、治療効果を最大限に高めることができます。
関連記事:シミ取りレーザー後にパックしても大丈夫?最適なケアと注意点
シミ取りを成功させるセルフケアと生活習慣
シミ取りを成功させるには、治療と並行して日常のセルフケアが重要です。
美白成分を含むスキンケア製品の活用や生活習慣の改善を行うことで、再発防止や肌の回復を促せます。 これらのポイントは治療効果を持続させ、健康的な肌を保つための基本であり、詳細なポイントは下記でご紹介します。
美白成分の活用

シミ取りの効果をより上げるためには、美白成分の活用が効果的です。美白成分でも重要なものは、「トラネキサム酸」です。
トラネキサム酸は、シミの原因となるメラニン生成を抑える美白成分で、炎症を抑える作用もあります。医師の指導のもと内服薬や美容液を導入することが重要です。
関連記事:シミ改善に効果的?トラネキサム酸の働き・副作用・正しい使い方を徹底解説
生活習慣の改善
シミ取り治療の効果を高めるには、生活習慣の見直しが不可欠です。
- 7〜8時間の睡眠
- ビタミンCやビタミンAを含む柑橘類、緑黄色野菜などの食品を積極的に摂る
- 毎日30分以上の適度な運動
- 禁煙
シミ取り治療の効果を高めるには、睡眠・食事・運動・禁煙など生活習慣の改善が重要です。
良質な睡眠は成長ホルモン分泌で肌代謝を促進し、色素排出を助けます。ビタミンCやビタミンAを含む野菜・果物を積極的に摂取し、血流促進のために1日30分以上の運動を行いましょう。禁煙は肌の炎症や酸化ストレスを軽減し、ターンオーバー正常化に寄与します。これらが複合的に肌のメラニン代謝を改善し、治療効果を支えることができます。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。Google口コミは320件以上、評価4.7以上と高く、多くの患者様にご満足いただいております。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
まとめ
20代のシミ取りは早期対策が肝心です。若い肌でも紫外線や摩擦、乾燥によりシミが定着しやすく、将来の濃いシミを防ぐには今からのケアが重要です。炎症後色素沈着やそばかす、ADMなど20代に多いシミの種類を知り、それぞれに合った紫外線対策や保湿、摩擦防止を実践しましょう。医療施術はシミの種類に応じて選び、複数施術を組み合わせることで効果が高まります。治療前後のリスク回避とアフターケアも必須。美白成分の活用や睡眠・食事・運動・禁煙など生活習慣の改善が再発防止につながり、健康な肌を保てます。20代から始める正しいセルフケアと医療治療で、将来の肌トラブルを大きく減らせます。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



