
先日、シミに悩む患者さまから「シミになりやすい人の特徴ってありますか?」と質問をいただきました。実はシミになりやすい人にはいくつか共通の特徴があります。今回はその特徴やシミの主な原因、そして今日から始められる改善方法についてわかりやすくご紹介します。ぜひ参考にしてください。
シミができやすい人は、原因を理解すれば防げる

シミができやすい人は、体質だけでなく生活習慣に問題があることが多いです。
遺伝や肌質に加え、日ごろのスキンケアや生活の積み重ねによってシミの発生には違いが生まれます。そのため、根本原因を理解し正しい対策を取ることで防ぐことができます。
シミが生まれる原因
シミができる原因は、1番は紫外線。他には摩擦、乾燥、炎症、ホルモンの変動などさまざまな要素が絡み合って発生します。
紫外線はメラノサイトを刺激してメラニンを過剰に作らせますし、摩擦や乾燥も肌にダメージを与え、炎症を引き起こしてシミの原因になります。また、女性ホルモンのバランスが変わるとメラニンの生成が増え、シミができやすくなります。そのため、これらを防ぐような普段からの生活習慣やスキンケアが重要となります。
関連記事:日焼けが招くシミの原因と予防・改善法|紫外線対策から治療まで徹底解説
シミが生まれる過程

シミができる流れを簡単に説明します。
肌の一番下にある「メラノサイト」という細胞が、紫外線や摩擦などの刺激を受けると「メラニン」という色素をたくさん作り始めます。このメラニンは周囲の角化細胞に受け渡され、肌を紫外線から守る役割を果たしています。しかし、肌の新陳代謝であるターンオーバーが遅れると、メラニンがうまく排出されず肌に残り、これがシミとなって目立つようになってしまいます。
つまり、ターンオーバーがが遅れてしまうような働きが起きてしまうことでシミを発症させてしまうというわけです。
体質と肌質でシミのリスクが変わる
シミができやすいかどうかは、生まれつきの体質や肌質によってシミのリスクは大きく影響します。下記よりシミができやすい体質や肌質の方の特徴を解説いたします。
色白・敏感肌

色白で赤く焼けやすい人は、メラニンによる肌の防御力が弱くなりがちです。また、敏感肌の人は炎症が起こりやすく、その結果として色素沈着が残りやすい傾向にあります。だからこそ、こうした肌タイプの方は特に丁寧なスキンケアと紫外線対策が大切になります。
遺伝やホルモン変動

そばかすやADM(後天性真皮メラノサイトーシス)には遺伝的な要素が深く関わっています。
例えば、両親にそばかすがある場合、子どもにもできやすい体質を受け継ぐことが多いです。
また、妊娠やピルの使用、更年期など、女性ホルモンの変動もメラニンの生成を促し、シミの悪化に影響を与えます。こうした場合はセルフケアに加え、医療機関での治療も選択肢として考えることが大切です。
【ポイント】
ただし、日頃のケアをしっかり行えば、リスクは十分に下げることが可能です。実際には、生活習慣の乱れがシミができやすくなる大きな原因となっています。そこで、次ではシミができやすい生活習慣の特徴をまとめてご紹介します。
生活習慣の乱れはシミを加速させる
生活習慣の乱れは、肌のターンオーバーや抗酸化力に悪影響を与えます。主に、睡眠不足や偏った食事、運動不足、ストレスなどが肌の新陳代謝を乱します。また、これにより抗酸化力が低下し、紫外線などのダメージを受けやすくなります。下記に当てはまる方は要注意です。
睡眠不足とストレス

睡眠不足になると、成長ホルモンの分泌が減ってしまいます。このホルモンは肌の修復や新陳代謝を促す重要な役割を持っています。
また、ストレスがたまると自律神経のバランスが崩れ、肌の炎症が悪化することも。例えば、睡眠不足で疲れているときに肌荒れしやすいのはこのためです。
例えば、夜更かしが習慣になっていて毎晩スマホやテレビを遅くまで見てしまう人、仕事や子育てが忙しくて睡眠時間を削っている人が該当します。また、忙しさやプレッシャーで常にストレスを感じている方、休日でも寝つきが悪いまま過ごしている人も要注意です。
食事バランス

ビタミンA・C・Eとたんぱく質は肌の健康に欠かせません。
これらの栄養素が不足し、逆に糖質ばかり多く摂っていると、体内で酸化や炎症が進みやすくなります。
例えば、毎日コンビニ食やインスタント食品が多く、野菜や果物がほとんど取れていない人は要注意です。こうした食生活は肌の老化やシミ、くすみを促進する原因となるため、バランスの良い食事を心がけましょう。
できやすい部位と初期サインを見逃さない
シミができやすい部位や初期のサインを知ることで、悪化を防ぐことができます。
特に【頬骨・こめかみ・鼻筋】の部分はシミが出やすい場所として注意が必要です。また、肌の【乾燥や赤み】も初期サインとして見逃さないことが大切です。これらのポイントについては、次で詳しくご紹介いたします。
頬骨・こめかみ・鼻筋

頬骨・こめかみ・鼻筋は骨格上、顔の中でも特に光が当たりやすい部分ため紫外線のダメージが蓄積しやすく、シミができやすい場所となっています
自分で普段鏡を見たときに日光が当たっているか意識し、これらの対策を取り入れることが大切です。
乾燥や赤み

乾燥や赤みは、肌の炎症が起こる初期サインで、シミの予兆となることがあります。
肌のバリア機能が低下して水分が不足すると、外部刺激に敏感になり、赤みやかゆみが現れやすくなります。特に秋冬の乾燥する季節やエアコンの効いた室内では要注意です。日頃から肌の状態を観察し、洗顔後すぐに化粧水やクリームで保湿を強化することが大切です。保湿を怠ると炎症が慢性化してシミができやすくなるため、日常的なケアがシミ予防につながります。
【ポイント】
上記でご紹介させていただいたような生活習慣の改善やサインを見逃さないことでシミの発生を防ぐことが可能です。ここからは、さらにシミ予防に効果的な日常のスキンケア方法をご紹介します。
日常のスキンケアでシミは予防できる
日頃のスキンケアは未来の肌に大きな差をつくります。美白の土台となるのは、【紫外線対策】と【優しい洗顔・保湿】の2つです。下記よりスキンケアのポイントについてご紹介いたします。
紫外線対策

紫外線はシミの大敵です。
そのため、紫外線対策は一年中欠かせません。
日焼け止めはPA++以上、SPF30程度のものを選び、外出の30分前には塗り、2~3時間おきに塗り直すことが大切です。また、帽子や日傘、サングラスを併用すると効果的です。室内でも窓越しの紫外線は肌に届くため、UVカットカーテンやガラスフィルムの使用もおすすめします。日常的にこれらを実践し、紫外線のダメージから肌を守りましょう。
関連記事:日焼けが招くシミの原因と予防・改善法|紫外線対策から治療まで徹底解説
優しい洗顔と保湿

摩擦はシミの大敵です。
摩擦の避けた優しいスキンケアが重要です。
日々の洗顔は泡洗顔料をたっぷり使い、顔に泡を押し当てるようにして30秒ほど優しく洗いましょう。すすぎはぬるま湯で30~50回、肌に直接お湯をかけず、手でやさしくあてるだけに。洗顔後は、吸水性の高いふわふわタオルでこすらず押し拭きし、水分を取ります。保湿は洗顔後すぐに行い、一年中続けて肌のバリア機能を守ることが重要です。
加えて、美白成分としてナイアシンアミドやビタミンC誘導体配合のスキンケアを継続使用すると、メラニンの生成抑制と肌表面への移動阻止で二重にシミ予防が可能です。これらは抗酸化作用やコラーゲン生成促進もあり、エイジングケアにも効果的です。
シミの種類ごとに対策を変える
シミは種類ごとにケア方法が異なります。
主な種類には、紫外線が原因の老人性色素斑、遺伝や紫外線でできるそばかす、ホルモンバランスの乱れによる肝斑、炎症後にできる色素沈着などがあります。見分け方は、形やできる場所、色の濃さが異なり、例えば肝斑は左右対称に広がることが多いです。基本の対処は紫外線対策と保湿ですが、肝斑などは摩擦を避けることも重要です。自分のシミのタイプを知り、適切なケアや医療相談を行うことが大切です。
肝斑

肝斑は左右対称に現れやすく、摩擦や刺激で悪化する特徴があります。
レーザー治療は慎重に行う必要があり、強いレーザーは刺激となり色素沈着を悪化させることもあります。適切な治療間隔(2~3週間)を守り、治療中は保湿をしっかり行い紫外線対策も欠かせません。トラネキサム酸の内服や外用を併用すると効果的で、刺激を抑えながら肝斑改善を目指します。
関連記事:シミと肝斑の違いを徹底解説|原因・見分け方・効果的な治療法と予防のポイント
そばかす

そばかすは遺伝的な傾向が強く、幼少期から現れやすいのが特徴です。
特に両親にそばかすがある場合、子どもにも同様の体質が受け継がれやすいです。紫外線が刺激となってそばかすが濃くなるため、UV対策は欠かせません。また、光治療などの美容医療を併用することで、そばかすの改善が期待できます。遺伝とはいえ、日々のケアと医療の両面からアプローチすることが大切です。
関連記事:そばかすとシミの違いを徹底解説|原因・見分け方・効果的な予防と治療法
脂漏性角化症

脂漏性角化症(SK)は加齢に伴ってできる良性の皮膚腫瘍で、茶褐色~黒色のやや盛り上がったシミのような見た目が特徴です。一般的に40歳以上で増え、多くは顔や頭部、首筋に現れます。軽傷の場合、痛みやかゆみはほとんどないですが、重症化するとかゆみや赤みを伴ってしまいます。また、脂漏性角化症は自然治癒もしません。
治療法としては液体窒素による凍結療法やレーザー治療があり、目立つ場合に行われます。シミやほくろと見間違えやすいため、自己判断は避け、専門医の診断を受けることが重要です。
関連記事:ただのシミ?かゆみが出た時の原因とチェックポイント
ADM

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、頬や額、鼻の下に左右対称で青みがかった深いシミが現れる特徴があります。
遺伝的要素が強く、肌の浅い層よりも深い真皮層にメラノサイトが存在するため、セルフケアでは改善が難しいです。有効な治療法としては、Qスイッチレーザーが用いられ、深部の色素にアプローチします。ただし、治療は専門医の診断のもと慎重に行う必要があります。
関連記事:シミの種類と見分け方|原因別の特徴・治療法・予防法を徹底解説
頑固なシミは早期に医療を検討する
頑固なシミは、セルフケアで改善が難しい場合があります。特に長期間続くシミや、濃くて深い色素沈着は専門的な医療治療が効果的です。また、医療治療は即効性があるのも特徴です。
セルフケアの限界は、シミの種類や深さによって異なりますが、一定期間(数ヶ月)続けても薄くならない場合は医師の診断を受け、レーザー治療や内服薬などの選択肢を検討しましょう。医療による治療は効率的で結果が早く、日常ケアと組み合わせることで再発予防にもつながります。
レーザー治療

レーザー治療は、頑固なシミに効果的で特にADMや濃い老人性色素斑に有効です。
レーザーの種類によっては痛みを伴うことがあり、ダウンタイムとして赤みやかさぶたが出る場合もありますが、適切な照射後の保護ケアで軽減が可能です。
治療回数はシミの状態によりますが、数回から数ヶ月の期間をかけて行います。
その中で有効的なものは、ピコレーザーは周囲組織へのダメージが少なく、少ない回数で効果的にメラニン色素を粉砕します。ダウンタイムが短いのも大きなメリットです。
光治療(ライムライト)

光治療(ライムライト/IPL)は、広範囲の薄いシミに効果的で、シミ・そばかす・くすみ・赤ら顔など多彩な肌トラブルに対応します。日本人の肌質に合わせて開発されており、痛みが少なくダウンタイムもほとんどありません。2〜4週間に1回、5〜6回の治療が目安で、生活習慣の見直しや紫外線対策と併用することで効果が安定します。施術後すぐにメイクも可能で、真皮のコラーゲン生成も促進し若々しい肌へと導きます。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくシミの種類をチェックいたします。当院では最新のピコレーザーも導入しております。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
まとめ
日々の習慣が未来の肌を作ります。かゆみを伴うシミは単なる色素沈着だけでなく、炎症や皮膚疾患のサインかもしれません。自己判断は危険で、早期の適切な受診と治療が重要です。原因によってシミの種類が異なり、それぞれに合ったケアや医療を選ぶことが効果的です。紫外線対策や保湿、生活習慣改善も再発予防の鍵となります。詳しい治療法については医療機関で専門的に案内しますので、気になる症状は早めに相談しましょう。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



