
先日、シミでお悩みの患者さまから「ダウンタイムのない治療を受けたい」とご相談をいただきました。
シミ取り治療は一般的にダウンタイムがあると思われがちですが、実はダウンタイムのほとんどない治療法も存在します。今回は、なぜシミ治療にダウンタイムが生じるのか、その理由とともに、ダウンタイムなしで受けられる治療法についてもご紹介します。
シミ取り治療の基本とダウンタイムの関係
シミ取り治療は、治療方法やシミの原因によってダウンタイムの有無や期間が異なります。
ダウンタイムが必要な場合もあれば、ほとんどない治療法もあります。
シミの主な原因

シミの原因 | 詳細 | シミの種類 |
---|---|---|
1.紫外線(UV) | 皮膚を守るためにメラニンが過剰に出て、シミ細胞(メラノソーム)が形成されます。 | そばかす ADM |
2.ホルモンバランスの変化 | 妊娠・ピル・更年期などが原因で「肝斑(かんぱん)」が出ることがあります。 | 肝斑 |
3.加齢 | 若いときは夏に真っ黒になっても、秋には皮膚が剥けて元通りの肌色になるのですが、ターンオーバーの低下でシミ細胞(メラノソーム)が停留してしまいます。 | SK ADM |
4.摩擦や炎症 | ニキビ跡による色素沈着や、洗顔やタオル拭き、メイク等のこすり過ぎによるなどによる刺激でシミになります。 | 肝斑 |
シミ取り治療に伴うダウンタイム
シミ取り治療のダウンタイムは、シミの種類や原因、治療法によって異なります。SK(脂漏性角化症)やADM、そばかすにはレーザー治療が用いられ、1~2週間ほど赤みやかさぶたが残ることがあります。一方、光治療(IPL)はそばかすやシミに適応し、ダウンタイムはほぼなく、薄いかさぶたができても数日で自然に消失します。肝斑にはレーザートーニングなどが使われ、赤みが出てもすぐに引き、メイクも可能です。
このように、治療法によってはどうしてもダウンタイムを伴うものもありますが、症状や生活スタイルに応じて選択が可能です。
次からダウンタイムのない治療法についてご紹介いたします。
関連記事:シミ取りレーザーのダウンタイム期間と症状・過ごし方完全ガイド
ダウンタイムなしの治療法とは?
ダウンタイムがほとんどない代表的な治療法には、ライムライトやアキュチップがあります。これらは施術後すぐにメイクや洗顔が可能で、日常生活への影響が非常に少ないのが特長です。また、レーザー治療でもピコレーザーを使用した場合は、従来のレーザーに比べてダウンタイムがほとんどありません。
ライムライト治療

ライムライト治療は、広範囲の光を肌に照射し、シミやそばかす、くすみなどの原因となるメラニンに反応して色素を分解する治療法です。
特に薄いシミにも効果があり、肌全体のトーンアップやキメの改善も期待できます。ダウンタイムがほとんどない理由は、レーザー治療のように強いダメージを与えず、表面のメラニンを穏やかに浮き上がらせるためです。施術後は赤みや薄いかさぶたができることもありますが、数日で自然に剥がれ落ちるため、日常生活への影響が少ないのが特長です。
アキュチップ
アキュチップ治療は、直径6~7mmの小さなスポットで光(IPL)をピンポイントに照射し、薄いシミや濃いシミ、そばかす、毛細血管拡張、赤ら顔などに効果を発揮します。
メラニンやヘモグロビンに反応する波長を用いることで、気になる部分だけを集中的に治療できるのが特徴です。
ダウンタイムが軽度なのは、光治療が肌へのダメージを抑えつつ色素にのみ作用するためで、照射部位は一時的に黒く反応し薄いかさぶたになりますが、5~7日ほどで自然に剥がれ、テープ保護も不要です。
ピコレーザーを用いたシミ取りレーザー

ピコレーザーは、極めて短いパルス幅(ピコ秒)で高出力のレーザーを照射し、メラニン色素を衝撃波で細かく破壊することで、シミやそばかす、くすみなどに高い効果を発揮する治療法です。従来のレーザーよりも熱ダメージが少なく、肌への負担を最小限に抑えられるため、色素沈着やかさぶたなどのダウンタイムがほとんどありません。特にピコトーニングは低出力で広範囲に照射するため、治療後すぐにメイクが可能で、日常生活への影響が少ないのが特長です。
シミ取り治療後のケアと注意点
シミ取り治療後は、正しいケアを行うことで色素沈着などのトラブルリスクを大幅に減らせます。紫外線対策や保湿を徹底し、患部を強くこすらないことが重要です。治療後の注意点についてもご紹介します。
シミ取り治療後の保湿ケア
シミ取り治療後の保湿ケアは、低刺激で高保湿のアイテムを選ぶことが基本です。
無香料・無着色・アルコールフリーの化粧水やクリーム、ヒアルロン酸やセラミド、グリセリン配合の保湿剤がおすすめです。1日2~3回、肌をこすらず優しくハンドプレスで塗布しましょう。治療後は肌が乾燥しやすいため、こまめな保湿を心がけてください。
紫外線対策の重要性
シミ取り治療後の肌はバリア機能が低下し、紫外線の影響を受けやすくなっています。
そのため紫外線対策は非常に重要で、怠ると色素沈着やシミの再発リスクが高まります。紫外線対策は治療直後から最低3か月~半年は徹底し、できれば一年中行うことが推奨されます。具体的には、SPF50+・PA++++など高機能の日焼け止めを2~3時間おきに塗り直し、帽子や日傘、サングラス、長袖の着用で物理的に紫外線を防ぐことが大切です。屋外レジャーや長時間の外出は避け、室内でも窓際に注意しましょう。
関連記事:シミ取りレーザー後にパックしても大丈夫?最適なケアと注意点
生活習慣と治療後の食事
シミ取り治療後の生活習慣や食事管理は、最低でも3〜6か月間は特に注意が必要です。
この期間は肌が敏感になりやすく、色素沈着やシミの再発リスクが高まるため、ビタミンC(ブロッコリー、キウイ)、ビタミンE(アーモンド、アボカド)、L-システイン(大豆、卵)、ポリフェノール(緑茶、ブルーベリー)など美肌成分を積極的に摂取しましょう。
加えて、十分な睡眠、ストレス管理、禁煙・節酒、適度な運動を心がけ、肌への刺激や摩擦を避けることも大切です。こうした生活習慣と食事管理を続けることで、長期的に治療効果を維持しやすくなります。
治療後の医師の診察とフォローアップ

治療後の医師の診察とフォローアップは、肌の回復状況やトラブルの早期発見、治療効果の最大化のために不可欠です。クリニックによっては十分なフォローアップが行われない場合もあるため、下記のような内容をしっかり実施してくれるクリニックを選ぶことが重要です
目的 | 内容 |
---|---|
回復のチェック | 赤み・かさぶた・色素沈着の有無、肌の状態を医師が確認 |
トラブルの早期発見と対処 | 炎症、強い赤み、痒み、色素沈着などの有無を確認し、必要に応じて治療 |
追加治療の判断 | シミの取り残しや再発部位の確認、追加治療や他の方法の検討 |
ホームケアのアドバイス | 使用中の化粧品やUVケアの確認、適切なスキンケアの提案 |
経過記録(写真撮影) | 治療前後の写真を撮影し、客観的に効果を確認 |
信頼できるクリニックでは、これらを丁寧に実施し、疑問や不安にも迅速に対応してくれます。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院19年以来、64,000件以上の肌トラブルに対応してきました。当院ではただシミを取るのではなく、シミを根本から再発しない治療を心掛けております。そのため、経過観察時は必ずVISIAという最新肌診断機器を活用し、肌の経過を可視化しご説明させていただきます。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
まとめ
シミ取り治療の基本とダウンタイムの関係は、治療法やシミの種類によって大きく異なります。
レーザー治療(スポットやQスイッチヤグレーザー)は1~2週間ほど赤みやかさぶたが残ることが多く、ダウンタイムが必要な場合があります。一方、光治療(IPLやライムライト、アキュチップ)・ピコレーザーを用いたシミ取りレーザーは、広範囲の波長を浅く照射するため肌へのダメージが少なく、ダウンタイムはほとんどありません。
施術後すぐにメイクや洗顔が可能で、日常生活への影響も最小限です。また、ピコレーザーは従来のレーザーよりも熱ダメージが少なく、ダウンタイムがさらに短縮されています。シミの原因や肌質、ライフスタイルに合わせて治療法を選ぶことで、希望に合ったダウンタイムや効果が得られます。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ポリフトXC認定医