髭脱毛中の日焼けはNG!理由と対策を医師が解説


「先生、仕事で外回りが多くて日焼けしちゃったんですが、脱毛できますか?」
こういったご相談を受けることは多いんです。
特に営業職の方や建設業の方など、外で働く男性からよく聞かれます。
結論から言うと、日焼けした肌への髭脱毛は基本的にお断りしています。これは単なる決まりごとではなく、患者さんの安全を第一に考えた医学的な判断なんです。
そこで、今回は、「なぜ日焼けがダメなのか」、「どうすれば防げるのか」、「もし日焼けしてしまったらどうすればいいのか」を、分かりやすく解説いたします。
【この記事でわかること】
・ヒゲ脱毛中に日焼けがNGな理由
・日焼けの基準がクリニックによって異なる理由
・髭脱毛中の日焼け対策方法
・ヒゲ脱毛中に日焼けをしてしまった際の対処方法
・日焼けしてしまった際にもできる医療脱毛方法
髭脱毛中に日焼けがNGな理由
ヒゲ脱毛中に日焼けがNGな理由は、「患者さまの火傷リスクや肌トラブル」「脱毛効果の減少」「脱毛中のお痛み」の3点からです。
下記で詳しく解説いたします。
火傷など肌トラブルのリスクが高まる

医療脱毛レーザーは黒い色素(メラニン)に反応するため、通常は毛にのみ作用しますが、日焼け肌では肌表面にもメラニンが増加しているため、レーザーが肌全体に反応しやすくなります。
その結果、通常よりも火傷や水ぶくれのリスクが大幅に高まります。また、日焼けによる炎症が残る肌にさらに刺激が加わることで、強い炎症が起こりやすくなります。さらに、バリア機能が低下した日焼け肌は、レーザーによる小さな傷から細菌が侵入しやすく、感染症のリスクも増加します。これが日焼け肌に脱毛がNGな大きな理由です。
脱毛効果が大幅に低下する

日焼けした肌では、レーザーのエネルギーが肌表面で使われてしまって、肝心の毛根に届くエネルギーが少なくなってしまいます。
例えるなら、本来毛根だけを狙い撃ちできるはずが、散弾銃のように広範囲に拡散してしまうような状態です。
実際のデータを見ると、日焼けした肌への脱毛効果は、通常の30~50%程度まで落ちてしまいます。つまり、普通なら5回で終わる脱毛が、10回以上必要になることもあります。
痛みが強くなる可能性がある
日焼けした肌への脱毛は痛みが格段に強くなります。
普通の脱毛では、毛根周辺の狭い範囲だけが熱くなりますが、日焼けした肌では顔全体がジリジリと熱くなるような感覚になります。痛いの程度としては「肌全体が焼けるような感じ」「ヒリヒリが長時間続く」といった表現がよく用いられます。
特に困るのは、この痛みが施術中だけでなく、施術後も続くことです。普通なら数分で治まる痛みが、日焼けした肌では数時間続くこともあります。

ただ、脱毛ができない日焼けの程度はクリニックによって異なります。そこで、下記ではなぜそういった基準が異なるのかをご説明いたします。
クリニックによって基準が異なる理由
クリニックごとに基準が異なるのは、日焼け肌への明確な判断基準が存在しないためです。そのため、各クリニックでは医師が肌状態などを総合的に判断し、施術可否を決定しています。その判断基準についてを下記にてご紹介します。
日焼けの判断基準5選
日焼けの判断基準は大きく分けて5つございます。
1.肌の色調変化
まず最初に確認するのは、肌の色の変化です。患者さんに「普段と比べて肌の色が変わったと思いますか?」と聞くと、多くの方が「少し焼けたかな」程度に考えています。
でも、私たちが見るのは、服で隠れている部分との色の違いです。
首と顔、腕と胸など、日焼けしていない部分と比較して明らかに色が違う場合は、脱毛を延期していただきます。
2.赤みや炎症の有無
次に確認するのは、赤みや腫れです。
これは日焼けの急性期のサインで、この状態での脱毛は絶対に避けなければなりません。
「赤みなんてないですよ」と言われても、よく見ると頬や鼻周りがほんのり赤いことがあります。この微妙な赤みも見逃さないよう、診察時は十分に時間をかけて確認します。
3.ヒリヒリ感や痛み
「触ると少しヒリヒリする」「何もしなくても少し痛い」といった症状は、肌が敏感になっている証拠です。この状態での脱毛は、痛みが強くなるだけでなく、トラブルのリスクも高くなります。
患者さんご自身が最も分かりやすい症状でもありますので、少しでも感じたら正直に教えてください。
4.皮膚の乾燥状態
日焼けすると、肌の水分が奪われて乾燥しがちになります。
触診で肌の状態を確認し、普段より乾燥している場合は、肌のバリア機能が低下しているサインです。
「いつもより肌がカサカサする」「化粧水がしみる」といった症状があれば、教えてください。
5.日焼けからの経過時間
軽い日焼けなら1~2週間で回復しますが、しっかり焼けた場合は4~6週間かかることもあります。見た目には回復したように見えても、肌の奥ではまだ炎症が続いていることがあります。そのため肌の状態を診させていただきながら、その経過時間を判断いたします。

上記5つの要素を総合的に診察させていただき判断いたします。
髭脱毛中の日焼け対策方法
これからの季節、どんなに気を付けていても日焼けをしてしまう方は多いかと思います。
そこで、まずは現在は日焼けしていないけれど、ヒゲ脱毛を安全に進めたい方のために、今からできる日焼け対策方法をご紹介します。
日焼け止めを正しく使用する
SPF・PAの選び方
「SPF50とか、数字が高いほど良いんですよね?」
これは半分正解、半分間違いです。確かに数字が高いほど効果は高いのですが、肌への負担も大きくなります。
私がいつも患者さんにおすすめしているのは、日常使いならSPF30、脱毛期間中はSPF50の製品です。PAについては、+++以上を選んでください。
特に大切なのは、肌に優しい成分を選ぶことです。「ノンケミカル」と書かれた製品は、肌への刺激が少なくてお勧めです。
こまめな塗り直しの重要性
日焼け止めはこまめな塗り直しが重要で、理想は2~3時間ごとですが、忙しい方でも昼休みと夕方の2回塗り直すだけで効果が大きく変わります。これは、日焼け止めが汗や皮脂で流れてしまうため、持続的な効果を保つには再度塗る必要があるからです。外出先での塗り直しにはスプレータイプが便利ですが、ムラになりやすいため、手で軽くなじませることを忘れないようにしましょう。
物理的な紫外線対策
UVカットの高い帽子や日傘を使用
日焼け止めは強力な紫外線対策ですが、汗や摩擦で落ちやすく、塗りムラも生じやすいため、特に脱毛期間中のデリケートな肌には物理的に紫外線を遮る対策が不可欠です。UVカット機能のある帽子や日傘は、直接肌を覆うことで紫外線を物理的にブロックでき、日焼け止めだけでは防ぎきれない紫外線から肌を守る強い味方となります。
選び方のポイント | |
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帽子 | ・つばが7cm以上あるもの ・UVカット加工素材 ・ハットタイプ(つばが全周にあるもの) |
日傘 | ・UVカット率99%以上 ・遮熱コーティング付き ・軽量・折りたたみタイプも便利 ・男性用デザインも増加 |
サングラスで目元も保護
サングラスで目元を保護することもヒゲ脱毛中の日焼け防止対策にも必要です。
目から紫外線が入ると、脳が「日焼けしている」と判断し、全身でメラニン色素が作られやすくなります。そのため、サングラスで目元を保護することは、ヒゲ周辺の日焼け防止につながります。
サングラスは「UV400」や「UVカット99%」と表示されたものを選び、色の濃さよりもUVカット性能を重視しましょう。
直射日光を避ける行動をする
生活パターンを少し変えるだけで、日焼けのリスクを大幅に減らせます。
一番紫外線が強いのは、朝10時から午後2時です。この時間帯の外出は、できるだけ避けるか、短時間で済ませるようにしてください。
通勤時も、日陰側の歩道を選んだり、地下道を使ったりと、ちょっとした工夫が積み重なって大きな効果になります。
生活環境での注意点
窓際は避ける
室内でも窓ガラスは紫外線を一部通すため、窓際は安全ではありません。特にオフィスや車内で長時間過ごす場合、窓際の席やサイドガラスから紫外線を浴びてしまい、肌トラブルの原因になります。対策として、窓際を避けるか、UVカットフィルムを貼ることをおすすめします。

では、ヒゲ脱毛中にうっかり日焼けをしてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?
下記から対策方法を解説いたします。
髭脱毛前後に日焼けした時の対処法

ヒゲ脱毛前後に日焼けをしてしまった場合の対処方法の流れとしては、「応急処置」を施す→「回復」を促す→「サプリメントや内服薬」でより回復を補助するの3点となります。下記より詳細についてご紹介いたします。
応急処置の方法
まずは、日焼けの炎症を抑えるために応急処置を施しましょう。応急処置方法は「日焼け部位を冷やす」「肌の保湿を徹底する」の2点となります。
日焼け部位を冷やす
日焼けに気づいたら、とにかく冷やすことが最優先です。日焼けは軽いやけどと同じ状態ですから、迅速な処置が回復を早めます。
冷たい水で濡らしたタオルを、15~20分ほど当ててください。氷は直接肌に当てず、必ずタオルに包んで使ってください。
「熱いシャワーで汗を流したい」という気持ちは分かりますが、熱いお湯は炎症を悪化させます。ぬるま湯か冷たい水で、優しく洗ってください。
肌の保湿を徹底する
日焼けした肌は、大量の水分を失っています。そのため、普段より多めに、1日3~4回は保湿してください。
化粧水や乳液を選ぶときは、アルコールや香料の入っていないものを選んでください。アロエベラやヒアルロン酸などの保湿成分が入っているものがおすすめです。
回復を促進する方法
応急処置が完了したら、次は日焼けの回復を促しましょう。
水分を多めに摂取する
日焼けを回復させるためには、体の内側からの水分補給も重要です。
その理由としては、日焼けした肌は、体内の水分も奪われているからです。
普段より意識して水分を摂取してください。目安は、いつもより500ml~1リットル多めです。
アルコールやカフェインの多い飲み物は利尿作用があるため、水分補給にはあまり向いていません。水や麦茶などがおすすめです。
失われた栄養素を補給する
日焼けによる肌の修復には、たくさんの栄養素が必要です。特に、ビタミンCとビタミンEは積極的に摂取してください。
ビタミンCは、メラニンの生成を抑える効果があります。果物や野菜から摂取できますが、日焼け後は通常より多めに必要です。
ビタミンEは、肌の回復を助ける効果があります。ナッツ類や植物油に多く含まれています。
美白ケアアイテムの活用は注意
焼け直後の赤みや炎症がある間は、美白化粧品は刺激になることがあります。
まずは冷却と保湿で炎症を抑えて、赤みが引いてから美白ケアを始めてください。
ビタミンC誘導体やトラネキサム酸などの成分が入った製品が効果的です。ただし、肌の状態を見ながら、少しずつ使い始めることが大切です。
サプリメントや内服薬の活用
次に日焼けの回復をより補助するためにも、サプリメントや内服薬の活用をしましょう。
おすすめの内服薬
トラネキサム酸やビタミンCの内服薬は、日焼けによる色素沈着を防ぐ作用があるためおすすめです。これらの薬は、メラニンの生成を抑制し、既にできてしまったメラニンを薄くする効果があります。
ただし、これらは医師の診断のもとで処方される薬ですので、自己判断での使用は避けてください。
ビタミンCやEの効果
市販のサプリメントでも、ある程度の効果は期待できます。
ビタミンCは、1日1000mg程度を目安に摂取してください。ただし、一度に大量に摂取しても体外に排出されてしまうため、複数回に分けて摂取する方が効果的です。
ビタミンEは、ビタミンCと一緒に摂取することで相乗効果が期待できます。

日焼け肌だと脱毛は基本的にできません。ただ、日焼け肌でも実は脱毛ができる方法が焼け肌だと脱毛は基本的にできません。しかし、日焼け肌でも実は脱毛ができる方法があります。
日焼け肌でも脱毛可能な方法
日焼けした肌でも脱毛が可能な唯一の方法が「ニードル脱毛」です。ニードル脱毛は、1本ずつ毛穴に針を挿入し、電気を流して毛根を直接処理するため、メラニン色素に依存せず、肌の色に関係なく施術できます。このため、日焼け肌や色素沈着のある方でも安全に脱毛を受けられます。詳しくは下記で解説します。
ニードル脱毛なら日焼け肌でも対応可能

あらゆる肌質・毛質に対応
ニードル脱毛(針脱毛)は、毛穴に細い針を挿入して電気を流す方法です。肌の色に関係なく施術できるのが最大のメリットです。
そのため日焼け肌など肌が黒い方にも効果があります。
メラニン色素に依存しない仕組み
レーザー脱毛は、毛の黒い色素(メラニン)に反応しますが、ニードル脱毛は物理的に毛根を破壊するため、肌の色や毛の色に関係なく効果があります。白髪や金髪、産毛など、レーザーでは難しい毛質にも対応できます。

ただし、ニードル脱毛は高い技術力を有するため、クリニック選びは慎重にしましょう。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院19年以来、64,000件以上の肌トラブルに対応してきました人気の最新医療脱毛機器「ジェントルマックスプロプラス」はもちろん日焼けにも効果があるニードル脱毛も導入しております。ずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適な脱毛プランをご提案させていただきます。
まとめ
髭脱毛中の日焼けがNGな理由から対策方法まで、詳しくお話ししました。
重要なポイントを改めてまとめると:
・日焼けがNGな理由は、やけどのリスクが高まり、脱毛効果が下がり、痛みが強くなるから
・日焼け対策は、日焼け止めの正しい使用と物理的な紫外線対策の組み合わせが効果的
・万が一日焼けしてしまった場合は、冷却と保湿、栄養補給で早期回復を図る
・日焼けしやすい方でも、ニードル脱毛という選択肢がある
脱毛の成功は患者さんと医師の二人三脚で決まるということです。分からないことや不安なことがあれば、遠慮なく相談してください。
あなたの肌質やライフスタイルに合わせた、最適な脱毛プランを一緒に考えていきましょう。理想の肌を手に入れるために、正しい知識と適切な対策で、安全で効果的な脱毛を進めていきましょう。
今月限定プラン

ヒゲ脱毛 1回
6,000
円(税込)
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ポリフトXC認定医