痛いニキビはなぜできる?原因と正しい治し方で跡を残さない!

先日、ニキビでお悩みの患者さまから「ニキビが痛いのですが、どうすればいいですか?」というご質問をいただきました。痛みがあるニキビはつらく、早く治したいと感じる方が多いと思います。そこで今回は、ニキビに痛みが伴う原因や、効果的な治療法について解説します。
痛いニキビができる主な原因
ニキビが痛くなる主な原因は、皮脂の過剰分泌、ホルモンバランスの乱れ、そして外的刺激の3つです。これらが悪習慣と重なると、毛穴に皮脂が詰まりアクネ菌が増殖し、炎症が起きて痛みを伴います。
皮脂の詰まりとアクネ菌の増殖

ニキビが痛くなるのは、毛穴に皮脂がたまって詰まるからです。そこにアクネ菌が増え、肌の中で炎症を起こします。炎症が神経を刺激して痛みを生み、肌が赤く腫れます。
そのため、毎日の洗顔で肌を清潔にし、皮脂や汚れをしっかり落とすことが大切です。清潔にすることで、アクネ菌の増殖や炎症を防ぎ、痛みの軽減につながります。
それでは、次になぜ毛穴に皮脂が溜まり、炎症を起こすかを見てみましょう。
ホルモンバランスやストレスの影響
ホルモンの変化は皮脂を増やし、痛みを伴うニキビを発症させやすくする1つです。
特に、思春期や生理前は男性ホルモンを増やし、皮脂分泌が多くなり、毛穴が詰まりやすくなるため、痛みを伴うニキビが悪化しやすくなります。また、ストレスもホルモンのバランスを乱し、皮脂を増やします。ストレスで分泌されるホルモンが皮脂腺を刺激し、毛穴の詰まりや炎症が起きやすくなるため、生活リズムを整えるなどの対策が大切です。
生活習慣や外的刺激による悪化
2つ目の原因は、生活習慣や外的刺激です。
睡眠不足や偏った食事、マスクのこすれ、髪の毛が肌に触れる刺激などの日常の要因でニキビの痛みが悪化します。これらは肌の炎症を強め、ニキビの痛みや赤みを悪化させる原因です。特にマスクのこすれは肌のバリアを壊し、炎症を促進します。悪化を防ぐため、睡眠を十分にとり、バランスの良い食事を心掛け、マスクや髪の刺激を避けましょう。そしてニキビを触るのも禁物です。
痛いニキビは炎症のサイン

ニキビの痛みは、炎症が進行している重要なサインです。
軽いニキビは触っても痛みがほとんどありませんが、痛みを感じるニキビはアクネ菌の増殖により炎症が起こり、赤く腫れている状態です。炎症のサインを見逃さず、早めの対処を心がけましょう。
痛みが出るのは炎症が進んでいる証拠

ニキビの痛みは、アクネ菌が増え毛穴の内部で炎症が進行しているサインです。
毛穴が皮脂で詰まり、アクネ菌がそこで繁殖すると、体の免疫が働き炎症が起こります。炎症は皮膚の奥まで広がり、神経を刺激するため痛みを感じてしまいます。炎症が強まるほど赤みや腫れもひどくなり、放置すると治りにくくなってしまったりニキビ跡になってしまいます。そのため、早めのケアが重要です。
放置すると悪化や跡の原因になる理由

炎症が長引くと肌の修復がうまくいかず、赤みや凹凸が残ることもあります。これがニキビ跡です。
痛いニキビを放置すると、炎症が進み膿やしこりができやすくなります。この状態になると皮膚の深い部分まで傷つけてしまい、治りにくいニキビ跡や色素沈着を残す原因となります。自己判断で触ったり潰したりするのはさらに悪化を招くため、早めに専門医を受診し適切なケアをすることが重要です。
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痛いニキビの種類と見分け方

痛みを伴うニキビは主に「赤ニキビ」「黄ニキビ」、そして「しこりニキビ」に分類されます。下記より各ニキビの特徴と治療の特徴について詳しく解説します。
赤ニキビ

赤ニキビは、炎症が始まって肌が赤く腫れた状態のニキビで、多くの場合、痛みは軽度です。この段階で早めに治療を始めることが重要です。
原因は、毛穴に詰まった皮脂をエサにアクネ菌が増殖し、それに対する体の免疫反応で炎症が起こることです。治療には、保険適用がある一般皮膚科や美容皮膚科で処方される抗炎症成分を含む塗り薬の使用や、正しいスキンケアが有効です。触ったり潰したりすることは避け、適切なケアで悪化を防ぎ、跡を残さないようにしましょう
黄ニキビ

黄ニキビは、膿が溜まり炎症が強く進行している状態のニキビです。この段階では痛みが非常に強く、腫れもひどくなっています。
治療には、保険適用の皮膚科では難しく、美容皮膚科にある内服薬やピーリング治療・光治療などを組み合わせて行う炎症を和らげ、肌のターンオーバーを促進する専門治療が必要です。無理に潰すと皮膚が深く傷つき、さらに悪化やニキビ跡のリスクが高まるため絶対に避けましょう。
関連記事:黄色ニキビの原因と治し方、悪化を防ぐ正しいケア方法を解説
しこりニキビ

しこりニキビは皮膚の奥に膿や血液がたまり、硬くて強い痛みを伴うタイプのニキビです。
炎症が深くまで広がるため、放置すると跡が残りやすく、美容皮膚科での専門的な治療が必要です。治療には抗炎症薬や抗生物質の使用、注射による炎症抑制、レーザー治療やケミカルピーリングなどがあり、早期の受診と治療開始が推奨されます。
関連記事:顎のニキビとしこりの原因と治し方って?効果的な予防法を公開!
似た皮膚疾患との見分け方
痛みもあり、ニキビに似た皮膚疾患には粉瘤や稗粒腫などがあります。 これらは見た目や症状がニキビに似ていることが多いため、自己判断が難しい場合があります。しかし、治療方法が異なるため、症状がニキビかどうか見極めることは非常に重要です。下記よりそれぞれの特徴やニキビとの違いを解説します。
粉瘤

粉瘤は皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に古い角質や皮脂などの老廃物がたまる良性の腫瘍です。
見た目は円形のしこりで、中心に黒い穴(開口部)があるのが特徴で、ニキビとは違い膿はあまり出ません。痛みはほとんどなく、炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴う場合があります。治療は嚢胞ごと摘出する保険適用の一般皮膚科や形成外科の手術が必要となります。
稗粒腫

稗粒腫は主に目元や鼻先にできる1〜2mmの白っぽい硬いぶつぶつです。ニキビと異なり痛みやかゆみはほとんどないですが、自然治癒は難しいのが特徴です。
見た目は白ニキビに似ますが、皮膚の表面直下に角質が袋状にたまってできる点で異なります。治療は主に保険適用の一般皮膚科による治療が必要で、針やレーザーで開口部を作り、中身を圧出する圧出法や炭酸ガスレーザー治療が主に行われます。
悪化を防ぐために避けるべき行動
痛みを伴うニキビは、悪化を助長するNG行為があります。特に「刺激行為」と「肌への負担」がポイントで、これらの行動を避けることが非常に重要です。下記より具体的な行動について解説します。
刺激行為
まず1つ目の避けるべき行為は、ニキビを潰したり押したり、頻繁に触る行為です。
これらの行動は、患部にあるアクネ菌や雑菌を周囲に広げ、炎症が拡大する原因となります。さらに皮膚組織が傷つくことで、治りが遅れたりニキビ跡が残りやすくなったりします。炎症が進むと痛みも強くなるため、触らず清潔に保つことが大切です。
肌への負担
2つ目の避けるべき行為は、厚化粧や洗いすぎ、強いスキンケア成分の使用は肌に大きなダメージを与える行為です。これらは肌のバリア機能を壊し、乾燥や炎症を引き起こしやすくします。肌がダメージを受けると皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まりが起こり、アクネ菌が増殖しやすい環境となり、痛みを伴うニキビの悪化を助長します。適切なスキンケアで肌を守り、負担を減らすことが重要です。
正しいケア方法
痛みを伴うニキビは、自宅でのちょっとした生活習慣の見直しでもケアが可能です。特に重要なのは「洗顔の仕方」「化粧品の選び方」「紫外線対策」の3つのポイントです。これらを正しく行うことで、炎症の悪化を防ぎつつ肌の健康を保つことができます。下記よりそれぞれの具体的な方法について詳しく解説します。
優しい洗顔

痛みを伴うニキビの正しいケアの第一歩は「優しい洗顔」です。
優しい洗顔とは、肌を強くこすらず、濃密な泡で包み込むようにやさしく洗うことを指します。洗顔料はしっかり泡立て、皮脂が多いTゾーンから洗い始め、目元や口元などは泡を乗せる程度にとどめましょう。洗顔は1日2回、ぬるま湯でしっかり泡を洗い流すことで肌への刺激を減らし清潔に保つことができます。
敏感肌向け化粧品

2つ目の正しいケア方法は、敏感肌向けの化粧品を選ぶことです。肌に刺激を与えにくい低刺激性や、ニキビの原因になりにくいノンコメドジェニックの製品を選ぶことがポイントとなります。これらを選ぶことで、肌のバリア機能を守りながら十分な保湿を行い、乾燥や炎症を防ぐことができます。
炎症を抑える応急処置と紫外線対策

痛みの強いニキビには、冷却が有効な応急処置です。清潔なガーゼで保冷剤を包み患部に優しく当て、1回数分、長くても10分以内に冷やしましょう。直接肌に氷を当てるのは避け、冷やしすぎは血行不良を招くため注意が必要です。
また、紫外線は炎症を悪化させ色素沈着の原因となるため、ノンコメドジェニックで低刺激の日焼け止めを使用し、しっかり対策することが跡を残さないための重要なケアです。
皮膚科での治療が必要なケース
皮膚科での治療が必要なケースは、セルフケアで改善しない場合や赤ニキビや黄ニキビなどの重度の炎症が起きてる状態やしこりニキビがある場合です。これらの症状は放置すると悪化しやすく、ニキビ跡が残るリスクが高いため、専門的な診断と適切な治療が欠かせません。また、市販薬で治らない場合も皮膚科での治療が必要な判断材料となります。では、市販薬で治らない症状とはどんな特徴があるのか次に解説いたします。
市販薬では治らない症状の特徴
市販薬で治りにくい症状には、膿や熱感、しこり、繰り返す炎症などが含まれます。
これらは炎症が深く進行しているサインであり、自己判断での治療は困難です。具体的には、膿が溜まっているか、患部が熱く感じるか、硬いしこりが触れるか、同じ場所に繰り返し炎症が起きる場合は市販薬の使用を続けるべきではありません。早期に皮膚科の専門医の診察を受けることが重要です。
医療機関で受けられる治療とその効果
医療機関では抗生物質や外用薬、ケミカルピーリングなどの多様な治療の中からあなたのニキビや肌の状態に合わせたあなた専門の治療を受けることができます。毛穴の詰まりの解消やターンオーバーを促進することでニキビの治療を行うことができます。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院20年以来、65,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくニキビの状態をチェックし、最適な治療方法をご提案いたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。
再発を防ぐための生活習慣
ニキビの再発を防ぐには、日常生活の見直しが欠かせません。肌トラブルは生活リズムや習慣の乱れと深く関係しています。まずは自分の生活パターンを整え、肌に負担をかけない工夫を意識することが大切です。毎日の積み重ねが、ニキビを繰り返さない健やかな肌づくりにつながります。
食事・睡眠・ストレス管理の見直し

ニキビの再発を防ぐには、食事・睡眠・ストレス管理のバランスを整えることが重要です。脂質や糖分の多い食事を控え、ビタミンやミネラルを意識して摂ることで、皮脂の過剰分泌を防ぎます。十分な睡眠は肌の回復力を高め、ホルモンバランスを整えます。さらに、ストレスを溜めない工夫が自律神経を安定させ、肌トラブルの予防につながります。
清潔な環境と規則正しいリズム

清潔な環境と規則正しいリズムはニキビ予防に不可欠です。枕カバーやタオルは皮脂や細菌が溜まりやすく、週に2〜3回以上のこまめな交換が重要です。マスクも清潔なものを使い、適時交換しましょう。スマホなど顔に触れる物もこまめに除菌し、肌への細菌の付着を防ぎます。また、規則正しい生活リズムを保つことでホルモンバランスが安定し、肌の健康を維持しやすくなります。通気性の良い衣服を選び、肌に刺激を与えないようにすることも効果的です。
まとめ
痛みを伴うニキビは、皮脂の詰まりとアクネ菌の増殖により毛穴で炎症が起こることで発生します。ホルモンバランスやストレス、生活習慣の乱れも悪化の要因です。痛みは炎症のサインであり、そのまま放置すると悪化やニキビ跡の原因となるため注意が必要です。赤ニキビ、黄ニキビ、しこりニキビなどの種類があり、正しい見分け方とケアが大切です。刺激を避け、優しい洗顔や敏感肌向け化粧品の使用、炎症を抑える応急処置や紫外線対策が効果的です。市販薬で改善しない場合は皮膚科を受診し、適切な治療を受けましょう。再発防止にはバランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理の見直し、枕カバーやマスクなどの衛生管理と規則正しい生活リズムの維持が重要です。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医



