トップページ 新着情報 シミが盛り上がる原因とは?脂漏性角化症・日光角化症の見分け方と治療法を徹底解説

シミが盛り上がる原因とは?脂漏性角化症・日光角化症の見分け方と治療法を徹底解説

シミが盛り上がる原因とは?脂漏性角化症・日光角化症の見分け方と治療法を徹底解説

年齢とともに「シミが盛り上がってきた」と感じる方は少なくありません。実はその正体、多くは脂漏性角化症や日光角化症と呼ばれる皮膚の変化です。本ページでは、それぞれの特徴や見分け方、治療法について詳しく解説します。

シミが盛り上がるとは?:平坦なシミとの違いと見分けのポイント

盛り上がったシミは、単なる色素沈着とは異なり、皮膚の構造そのものに変化が起きている状態です。そのため、通常の平坦なシミとは異なりセルフケアや市販薬では改善が難しい傾向があります。そのため、変化や異常を感じたら早めに医療機関を受診することが重要です。
そこで、盛り上がったシミの状態や見分け方について、これから詳しくご説明いたします。

盛り上がるシミに多い疾患:脂漏性角化症・日光角化症・アクロコルドン

盛り上がるシミに多い疾患:脂漏性角化症・日光角化症・アクロコルドン

盛り上がるシミに多い代表的な疾患は脂漏性角化症、日光角化症、アクロコルドンの3つの症状があります。
脂漏性角化症は紫外線の影響で発生し、茶褐色でざらついた良性のイボ状病変です。放置しても自然治癒することはほぼなく、摩擦による炎症や徐々に増大してしまうので早期治療が推奨されます。また、日光角化症は高齢者に多く、紫外線による前癌病変で、赤みを帯びたザラザラした小さな斑点として現れます。日光角化症は特に、早期治療が重要で、放置すると皮膚がんへ進行するリスクがあります。最後に、アクロコルドンは首や脇などの摩擦部位にできる柔らかいぶら下がった良性腫瘍で、悪性化はありませんが炎症やかゆみを伴うことがあります。

見分けに役立つチェックポイント:色・形・触感・発症部位

盛り上がるシミの見分けには、色調・形状・触感・発症部位が重要なチェックポイントです。下記表にまとめてみました。

病名形状・大きさ触感・硬さ発症部位
脂漏性角化症茶色~黒色数mm~数cm、平坦~軽度隆起ザラザラ・やや硬い顔、手の甲、腕などの日焼け部位
日光角化症赤みを帯びた茶色小さな鱗状斑でざらざらやや硬く鱗屑あり顔、頭皮、手の甲などの露出部
アクロコルドン肌色~薄茶色1~5mmの有茎性ポリープ状柔らかい・ぶら下がる首、脇、鼠径部など摩擦部位

脂漏性角化症は茶色~黒色でざらつきがあり、顔や手の甲など日焼け部に多発。日光角化症は赤みを帯びた茶色でざらざらし、小さな鱗状の斑が主に顔や手の甲に現れます。アクロコルドンは肌色~薄茶色の軟らかい有茎性ポリープで、首や脇などの摩擦部に多いのが特徴です。
それぞれの症状について詳しい内容について下記より解説いたします。

赤く盛り上がるシミの正体:日光角化症に注意

赤く盛り上がるシミの正体:日光角化症に注意

赤く盛り上がるシミの中でも、特に注意が必要なのが日光角化症です。
これは長期間の紫外線曝露によって生じる皮膚の前がん病変で、表面が赤みを帯び、ざらざらとした鱗屑やかさぶたが特徴です。日光角化症は放置すると有棘細胞がんへ進行する可能性があり、治療の遅れが重大なリスクを招きます。特に40歳以上で紫外線に多くさらされてきた方は早期発見・治療が重要です。
気になる方は、皮膚科へ受診することが推奨されます。

症状の特徴と早期に受診すべきサイン

日光角化症は早期発見・早期治療が重要です。下記のサインが見られたら速やかに皮膚科を受診しましょう
1)長期間治らない赤みを帯びたざらつきやかさぶたができた。
2)1〜2cmほどの不規則な赤斑が現れた。
3)皮膚の表面に突起や角質の増殖が見られる。
4)触るとざらざらし、指に引っ掛かりを感じる。

これらは前がん状態や皮膚がんに進展する可能性があるため、放置せず専門的な診断が必要です。早期の対応が将来の重症化を防ぎます。

放置のリスク:有棘細胞がんへの移行可能性

日光角化症は、長期間紫外線を浴び続けた皮膚に発生する前がん病変です。
個々の病変が悪性の有棘細胞がんに進行する確率は文献によってばらつきがありますが、多くは1%未満から10%程度とされています。
早期に発見し適切な治療を行うことで、がん化リスクを大幅に減らせます。特に表面のかさぶたやざらつき、急に大きくなる赤い斑点が現れた場合は早めの受診が必要です。放置するとがんが進行し、転移や治療困難になる恐れもあるため、速やかな専門医の診察が重要です。

治療法の選択肢:外用薬・凍結療法・切除手術

日光角化症の治療は主に皮膚科で行われます。治療開始前に生検(病変の一部を切り取る検査)で診断を確定し、その後、病変の大きさや数、患者の体調に合わせて外用薬・凍結療法・切除手の治療法から最適なものを選択します。特徴は下記の通りです。

治療法特徴メリット
手術局所麻酔で切除。確実に病変を除去できる。一度の治療で完了し、組織検査で完全除去を確認可能。
凍結療法液体窒素で病変を凍らせ破壊。短時間の治療で通院回数は複数回。手術が難しい場合に適用。
外用薬イミキモドや5-FU軟膏。自己免疫を活性化。複数の病変に有効。自宅での継続使用が可能。皮膚の免疫力を高める。
PDT療法光線を用いた治療法(保険適用外)。治療中の手間が少なく、広範囲の病変に適応。

これらは患者さまの状態や病変の特性に応じて患者さまと医師が話し合い選択されます。

良性の盛り上がり:脂漏性角化症とアクロコルドン

良性の盛り上がり:脂漏性角化症とアクロコルドン

脂漏性角化症は加齢や紫外線により主に顔や体の露出部にできる、茶色から黒っぽい色でやや盛り上がったイボ状の良性腫瘍です。
一方、アクロコルドン(スキンタッグとも呼ばれる)は、首や脇など皮膚が擦れる部位に多発する柔らかくぶら下がった形状の良性腫瘍です。
どちらも悪性化の心配はなく健康には問題ありませんが、見た目の問題や摩擦によるかゆみ、違和感など美容上の悩みにつながることが多いため、治療は主に自由診療の美容皮膚科で行われることが一般的です。

脂漏性角化症の特徴と原因:加齢・紫外線・摩擦

脂漏性角化症は主に中高年以降に増えやすい良性の皮膚腫瘍で、加齢が大きな要因とされています。
長年にわたる紫外線曝露が皮膚細胞にダメージを与え、表皮の基底細胞や有棘細胞の異常増殖を引き起こすことで発症します。
また、皮膚の摩擦も刺激となり、症状の悪化に関与すると考えられています。紫外線によるメラニン生成の増加も色濃いシミ形成に影響し、顔や手、首など露出部に多く見られます。

アクロコルドンの特徴:小さく多発する首やわきの突起

アクロコルドンは首やわきの下に多く見られる、小さく柔らかい突起です。
直径1〜5mmのドーム状や有茎性で、肌色や淡い茶色をしています。主に摩擦や刺激が原因で、加齢や生活習慣の影響も関与します。
引っ掛かりやすく、摩擦による赤みや痛み、時には出血を伴うこともあります。特に、衣類やアクセサリーとの擦れが多い部分にできやすく、20代から徐々に数が増え、中高年にかけて目立ちやすくなる傾向があります。

主な治療法:レーザー・液体窒素・切除

脂漏性角化症やアクロコルドンの主な治療法には、レーザー治療、液体窒素による凍結療法切除手術があります。
レーザーは高精度に病変を削り、術後の治りが早く傷跡が残りにくいのが特徴で、特に盛り上がりのある脂漏性角化症に適しています。液体窒素凍結療法はマイナス196℃の液体窒素で病変を凍らせる方法で、保険適用で手軽に行えますが、複数回の治療が必要なことがあります。切除手術は局所麻酔下で行い、特に大きいものや複数個のアクロコルドンに適し、確実に除去できます。治療選択は病変の大きさや場所、患者さまの希望により決まります。

まずは無料カウンセリング

VISIAを使用したカウンセリング

当院は開院19年以来、64,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくシミの種類をチェックいたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。

盛り上がらないけれど赤く見えるケース

盛り上がらないけれど赤く見えるケースは、一見シミのように見えることがありますが、実際には異なる皮膚病変であることがあり、自己判断は要注意です。
こうした誤解を防ぐためには、色や形状だけで判断せず、専門的な診断を受けることが重要です。具体的には、炎症後色素沈着や老人性血管腫との違い、赤ら顔やほくろとの鑑別ポイントを理解する必要があります。次に、それぞれの詳細について説明します。

炎症後色素沈着や老人性血管腫との違い

炎症後色素沈着は、にきびやキズなどの炎症が治った後にメラニンが過剰沈着してできるシミで、色は茶色~黒色で平らなことが多いです。
一方、老人性血管腫は血管の増殖によりできる赤いほくろ様の良性腫瘍で、盛り上がりや光沢があるのが特徴です。これらは脂漏性角化症やアクロコルドンと異なり、形状や色味、触感に違いがあるため専門的な診断が必要です。

赤ら顔やほくろとの鑑別のポイント

赤ら顔と赤いほくろ(老人性血管腫)は見た目が似ているものの、原因や特徴が異なります。
赤ら顔は皮膚の毛細血管が拡張して赤みが広く現れる状態で、寒暖差や飲酒で悪化することもあります
一方、赤いほくろは血管の増殖による良性の腫瘍で、明確な赤い斑点や隆起がみられます。
これらは見た目だけで区別が難しく、特に悪性腫瘍などの鑑別も必要なため、医師の診断を受けることが重要です。

皮膚科での診断と治療選び

シミの自己診断は難しく、正確な診断と適切な治療を受けるために皮膚科での診療が推奨されます
皮膚科では、まず目視による視診から始まり、ダーモスコピーという拡大鏡で詳細を観察します。必要に応じて、病変の確定診断のために病理検査を行います。これにより、症状に最適な治療法を選択し、安全に対応することが可能です。詳しい診断と治療の流れについて、次に説明いたします。

診断の流れ:視診・ダーモスコピー・病理検査

診断の流れ:視診・ダーモスコピー・病理検査

シミの診断は、まず医師が肉眼で視診を行い、シミの形状や色調、分布を確認します。次に、ダーモスコピー(拡大鏡)を用いて皮膚表面の詳細な構造や色素のパターンを観察し、他の皮膚病変との鑑別を行います。
さらに、確定診断が必要な場合には生検(病理検査)を行い、病変の組織を顕微鏡で詳しく調べます。これらのステップを踏むことで、正確な診断と最適な治療方針が決定されます。

治療後のケア:紫外線対策・保湿・炎症予防

紫外線対策の徹底

シミ治療後のケアは回復を左右する重要なポイントです。
ケアを行わないと新しいシミを引き起こすことにつながってしまいます
まず、紫外線対策を徹底し、SPF30以上の日焼け止めや帽子、日傘を活用して肌を守ります。次に、肌の乾燥を防ぐために保湿をしっかり行い、皮膚のバリア機能を回復させることが大切です。また、刺激による炎症を予防するために、こすったり摩擦を避け、刺激の強い化粧品やスキンケアは控えましょう。これらの工夫を日常的に取り入れることで、治療の効果を持続させ、色素沈着の再発を防げます。

関連記事:日焼けが招くシミの原因と予防・改善法

まずは無料カウンセリング

VISIAを使用したカウンセリング

当院は開院19年以来、64,000件以上の肌トラブルに対応してきました。通常の美容皮膚科とは異なり、目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、正しくシミの種類をチェックいたします。まずは無料カウンセリングで、あなたの肌に合った最適なプランをご提案させていただきます。

シミの盛り上がりを防ぐ生活習慣

シミの盛り上がりや再発を防ぐには、日常的な生活習慣の見直しが不可欠です。
紫外線対策とスキンケア、保湿や摩擦を避けることが重要です。下記で詳しい内容についてご紹介いたします。

紫外線対策とスキンケアで光老化を防ぐ

先ほどご紹介した内容と被りますが、紫外線対策は非常に重要です。
紫外線対策はシミや肌の老化を防ぐ基本です。日焼け止めは洗顔後の保湿をしっかり行い、顔や首、手の甲など露出部にムラなく塗布しましょう。2〜3時間ごとの塗り直しも忘れずに。さらに、帽子や日傘の使用で直射日光を避けることも重要です。スキンケアでは保湿を重視し、肌のバリア機能を整えることで紫外線や外的刺激によるダメージを軽減します。これらの習慣を継続し、光老化を防ぎましょう。

摩擦を避ける日常の工夫と保湿の重要性

肌への摩擦を避けつつ保湿を徹底することが、シミの悪化予防に重要です。洗顔は泡で優しく包み込むように行い、ゴシゴシこすらないよう注意します。スキンケアでは、化粧水や美容液、クリームを手のひらでそっと押さえるように塗り、摩擦を最小限に抑えます。保湿は肌のバリア機能を高め、外部刺激や紫外線から肌を守る役割を果たします。また、粗い素材のタオル使用を避け、清潔な柔らかいタオルで押さえるように水分を拭き取ることも効果的です。

まとめ:盛り上がるシミは放置せず早めに専門医へ

盛り上がるシミは自己判断が難しく、放置すると悪化やがん化のリスクもあるため、早めに専門医の受診が不可欠です。皮膚科では視診やダーモスコピー、生検による正確な診断を行い、適切な治療法を選択します。治療後も紫外線対策や保湿、摩擦回避などのケアを継続し、再発防止に努めることが重要です。早期診断と適切な治療、日常の予防習慣を組み合わせることで、シミの悪化を防ぎ健康な肌を保てます。
まずは、保険診療の皮膚科や自由診療の美容皮膚科でも良いので、専門機関まで相談することがおすすめです。

このページの監修医師

ハートライフクリニック院長 渡邊雅人

記事医師監修

渡邊雅人

ハートライフクリニック院長

記事医師監修

渡邊雅人

ハートライフクリニック院長

日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医

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