
先日のカウンセリングでそばかすで悩まれている患者さまからご相談がありました。
そばかすは遺伝だけでなく、紫外線や生活習慣も大きく関わっています。そこで、本記事では原因をわかりやすく解説し、毎日のケアや予防につながる正しい対策法をご紹介します。
そばかすとは何か:シミとの違いと基本的な特徴
そばかすは一見シミと似ていますが、性質や発生の仕組みが異なります。
そばかすは主に若い頃から出やすく、遺伝や紫外線の影響を受けやすいのが特徴です。一方でシミは加齢や肌へのダメージが関わります。
ここでは両者の違いを整理しながら、詳しく解説していきます。
そばかすとシミの違いを正しく理解する

シミとそばかすは見た目が似ていますが、原因や発症の仕組みには大きな違いがあります。
シミは紫外線や加齢、ホルモンバランスの乱れなど後天的な要因で発生し、30代以降に増えやすいのが特徴です。一方そばかすは、幼少期から現れやすく、遺伝的な体質に強く影響を受けます。紫外線を浴びることで色が濃くなったり数が増えたりする点もポイントです。両者のメカニズムを理解することで、適切なケアや治療法の選択につながります。
発症時期と現れやすい部位の傾向

そばかすは幼少期から思春期にかけて現れやすく、思春期以降に目立つ方も多いのが特徴です。
特に紫外線を浴びやすい顔、頬、鼻の周囲に集中して出現し、腕や肩など日焼けしやすい部位にも見られることがあります。加齢によるシミと違い、比較的若い年代からはっきり目立つ点が特徴です。
また、紫外線の影響で夏に濃くなり冬に薄くなるといった季節でも変動があり、この点がシミとの違いに気づくシグナルでもあります。
そばかすの原因を徹底解説:遺伝・紫外線・生活習慣の関与

そばかすは先ほど軽く触れたように「遺伝的体質」や「紫外線の影響」「生活習慣の乱れ」という3つの要因が関わっています。これらが組み合わさることで発症や悪化につながります。下記から、それぞれの具体的な仕組みを詳しく解説していきます。
遺伝的体質とメラニン生成の特徴
そばかすが出やすいかどうかには、生まれ持った遺伝的な体質が大きく関わります。
私たちの肌や髪の色を決めるのは「メラニン」と呼ばれるもので、黒褐色の「ユーメラニン」と黄赤色の「フェオメラニン」があります。
色白の方はフェオメラニンの割合が多く、紫外線を受けても肌を守る力が弱いため、ダメージを受けやすい傾向があります。
その結果、メラノサイトが活発に働き、小さな斑点状の色素沈着=そばかすが出やすくなります。特に親や家族にそばかすがある場合、遺伝的に同じ傾向が受け継がれる可能性が高いのです。
紫外線ダメージが引き起こす影響
そばかすを悪化させる最大の外的要因は紫外線です。
紫外線を浴びると肌を守るためにメラニンが作られますが、そばかす体質の方は斑点状に表れやすく、濃く目立つようになります。
紫外線にはUVAとUVBがあり、UVAは窓ガラスも通過し真皮まで届いてじわじわと蓄積ダメージを与え、UVBは夏の強い日差しで赤みや炎症を起こす原因になります。
例えるなら、UVAは毎日の小さな刺激の積み重ね、UVBは短時間の強い刺激によるダメージです。これらが蓄積するとメラニン産生が過剰になり、そばかすがさらに濃くなるのです。
スキンケアの誤りや生活習慣の乱れ
そばかすは紫外線だけでなく、日常のスキンケアや生活習慣の乱れでも悪化します。
例えば洗顔やクレンジングで強くこすれば肌に摩擦ダメージが加わり、炎症が起きてメラニンが増えやすくなります。また、刺激の強い化粧品は肌荒れを引き起こし、防御反応として色素沈着が起こりやすくなります。
さらに睡眠不足や偏った食事、喫煙といった生活習慣は、肌の再生力を低下させ活性酸素を増加させるため、そばかすを濃くする原因に直結します。言い換えれば、生活習慣の積み重ねが「肌に余計な紫外線ダメージを蓄えてしまう土壌」になるのです。
そばかすができやすい人の特徴と体質の関係

そばかすができやすい人には、共通する体質や傾向があります。
特に色白肌や家族にそばかすがある場合、遺伝的要因が関与しやすいのが特徴です。ここでは、その体質との関係をさらに詳しく解説していきます。
色白肌・髪色・家族歴による傾向
そばかすが出やすいかどうかは、肌や髪の色、さらに家族歴に大きく関係します。
色白の方は先ほど解説したように、紫外線に対する防御力を持つユーメラニンが少なく、代わりに紫外線の影響を受けやすいフェオメラニンが多いため、少しの刺激でも色素沈着が起こりやすくなります。
また、髪が明るい茶色や赤みを帯びている方は、このフェオメラニンの比率が高い傾向があり、そばかすが目立ちやすい特徴があります。さらに、家族にそばかすを持つ人がいる場合は、遺伝的に同じ体質を受け継いでいる可能性が高く、子どもの頃から自然にそばかすが現れることがあります。
日本人と欧米人における発生率の違い
日本人は欧米人と比べてそばかすができにくい傾向があります。
これはメラニン色素の種類の違いによるものです。欧米人は黄色や赤褐色の「フェオメラニン」が多く、紫外線の影響を受けやすいためそばかすができやすいです。
一方、日本人を含む東洋人は黒褐色の「ユーメラニン」が主で、紫外線から肌を守りやすく、そばかすではなくシミとして色素沈着が現れやすい特徴があります。このメラニンの違いと生活習慣が、そばかすやシミの違いとして表れています。
セルフケアで行うそばかすの予防と改善
そばかすの予防と改善には日常生活でできることがたくさんあります。
重要なポイントは紫外線対策や正しいスキンケア、健康的な生活習慣です。次のセクションで具体的なセルフケアの方法について詳しくご説明します。
毎日の紫外線対策を徹底する方法

紫外線対策の基本は日焼け止めを正しく使うことです。
顔にはパール粒2個分を目安に、おでこ、鼻、両頬、あごの5点にのせてからムラなく伸ばしましょう。2~3時間おきの塗り直しも大切です。帽子や長袖の衣服、サングラスも物理的なバリアとして有効です。特に夏場や外出時はこれらを組み合わせて、肌をしっかり守ることがそばかす予防につながります。
栄養補給とスキンケアで代謝を整える
ビタミンCやL-システインは、どちらも肌のターンオーバーを整え、メラニンの生成と蓄積を抑える働きがあります。
これにより新しい細胞が生まれやすく、そばかすの予防・改善につながります。
毎日のスキンケアでは洗顔で過度な摩擦を避け、十分な保湿でバリア機能を守ることが大切です。体の内側と外側の両方から肌代謝を整えることが、健やかな素肌づくりの基本です。
レーザーや光治療の特徴と効果
そばかすはセルフケアだけでは限界があります。
その際は美容医療による治療が有効な選択肢となります。レーザーや光治療など多様な方法があり、一人ひとりの症状や肌質に合わせて適切な治療法を選べます。詳しい内容は次でご紹介します。
レーザーや光治療の特徴と効果

レーザー治療(ピコレーザーやQスイッチレーザー)は、メラニン色素に反応する光を照射し、そばかすの原因となる細胞だけを選択的に破壊します。
濃いそばかすの場合は1回で改善が見込めることもあり、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。
一方、レーザートーニングは低出力のレーザーを複数回照射し、肌全体を少しずつ均一に整えます。ライムライトは広範囲に光を当て、色ムラやくすみにも効果が期待できます。ただし、過剰照射による炎症後色素沈着や、一時的な赤み・かさぶたといったリスクがあるため、経験豊富な医師による診断と施術が重要です。
内服薬・外用薬を用いたアプローチ
ビタミンCやL-システイン、トラネキサム酸などの内服薬は、体の内側からメラニンの生成を抑え、そばかすの改善や予防を目指します。
外用薬ではハイドロキノンやトレチノインが代表的で、ターンオーバー促進や色素沈着の抑制に役立ちます。ただしこれらは副作用もあるため、必ず医師の指導のもと使用することが大切です。ビタミンCやL-システインの内服、ハイドロキノンやトレチノインなどの外用薬は、医師の診断に基づき処方される治療法です。内服薬は体の内側からメラニンの生成を抑え、外用薬は気になる部位に直接働きかけます。ただし、副作用や使用方法を守る必要があるため、必ず専門家の指導のもとで行いましょう。
セルフケアと専門治療を組み合わせるメリット
セルフケアを継続することで新たなそばかすの増加や色素沈着を予防し、基礎的な肌環境を整えることができます。
一方で、美容医療の専門治療を併用することで、セルフケアでは届きにくい深部のメラニンにもしっかりアプローチでき、相乗効果で改善が高まります。それぞれの利点を組み合わせることで、持続的かつ高い効果が期待できます。
まずは無料カウンセリングを

当院は開院19年以来、64,000件以上の肌トラブルに対応してきました。目視だけでなく、最新肌診断機器を活用し、あなたのお肌に合った最適な治療をご提案いたします。少しでもそばかすやシミでお悩みの方は、まずは無料カウンセリングまでお越しください。
まとめ:そばかすの原因理解と自分に合った対策の選び方
そばかすは主に遺伝的要因と紫外線が原因で発生します。
遺伝的な体質によりフェオメラニンが多い色白肌の方に現れやすく、紫外線がメラニン生成を促進し色素沈着を引き起こします。予防には毎日の紫外線対策が不可欠で、セルフケアで肌代謝を整えることも大切です。
しかし、セルフケアには限界があり、症状に応じてレーザー治療や内服薬・外用薬などの専門的治療を検討することが効果的です。自分の体質や症状に合わせて適切な対策を選び、日々のケアと医療を組み合わせることが、そばかすの改善と再発予防につながります。
このページの監修医師

記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
記事医師監修
渡邊雅人
ハートライフクリニック院長
日本美容外科学会(JSAS)会員
アラガン施注資格認定医
ジュビダームビスタ認定医
ジュビダームビスタボリューマXC・ボリフトXC認定医